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私の勉強仲間

私が勉強を行う時、自宅の他に図書館を利用している。

勉強机もあり、Wi-Fiもあり、空調も効いていて
多少うるさい人がいても司書の方々の目が光っているのですぐ静かになる。

私の近所に大きな図書館がある。
カフェも併設されていてJAZZが流れていて
心地よい空間。

今年の夏から私は本を読む・借りるの他に
勉強の場所として使っているのだけれど、
そこで知り合った少しだけ人生の先輩の 
男性がいる。

その方がよく使う席を知らずに私が使った事がきっかけなのだが、それ以来ご挨拶・お話する仲になった。

お名前は川上さん。
川上さんは私の事をここさんと呼ぶ。
(私の子供の頃のあだ名からきている)

私と出会った頃、川上さんは社労士の勉強をされていた。

ある時。

「あーっ!また試験に落ちました」

と仰った。

詳しくない私は社労士の試験はそんなに頻繁にあるのかと驚いた。

"また、という事は数回ダメだったのかなぁ。"

と思いつつも、聞いて欲しそうだったので聞いた。

「難しいんですね。残念でしたね。」と言うと

「はい。中々難しいです。歳取ると覚えがね」と。

私は心からそうなんだなぁと思った。

そして年に何回か試験はあるのかを聞いた。
次頑張れば良いですよ!と言うために。

すると川上さんは年に一回だと教えてくださった。

そして川上さんは通信教育で教えてもらっている事も教えてくれた。

私は"その通信教育で模擬試験が何回もあるんだな"
と思い

「次に向けて頑張れば良いですよ!」と言ったら。

「次はいつにしようかねー。
作るのも結構大変だからねー」

どうやら川上さんはご自分で問題を作って
ご自分で解いていたようだ。

"作った問題内容忘れるんですか?"と言おうとしたら

「自分で作ってもすぐ問題忘れるから都合がいい。
よく出来た問題だなぁって毎回思います。」

と、満足そうな顔で仰った。そして。

「自分で作った問題に私は落ちるとです!」と。

あぁ、この人は強いな!と思った。
マインドもキャラクターも。



きっと年に一度の試験に向けて
ご自分なりに考えて、ご自分なりの方法で向かっている。

歳を重ねるとどうしても記憶力が落ちるし
それも分かっておられる。

それでも進むために試行錯誤を重ね、
自分で問題を作っているのだ。

川上さんは半分意地だと仰った。

いい歳して受かる訳ない

と言った人たちへの。

私も言われてきたから分かるのだけれども
相手を落とすような言葉は傷つけると同時に
その人のヤル気に火をつける。

そして目標達成した時その人たちは言う。

「あなたなら出来ると思った」


そんな事お見通しで川上さんは今日も頑張る。

私とちょうど良い空調の席を取り合いながら。


さて、一つ困った事があります。

私は色素が薄いのか、色白というか"白"と言われます。

どれだけ言っても川上さんは私が純粋な日本人だと
信じてくれません。

色の白さ以外はどう見ても日本人の体型なんですけどね。

またその話になり信じてくれないから言ってみました。

「実は父方の曾祖父が…。では失礼します。」

「何ね?どこ?どこの出身?」

私の曾祖父の出身は九州です!!
九州まで言わないで帰っちゃった!!


(その後川上さんにはバラしました。
そして川上さんにはお名前の許可を得ています)

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