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前震

8年前の今日。
誰がこの後2回も大きな地震が我が身を襲うと
予想しただろう。


仕事から帰り夕飯後ゆっくりして、さぁお風呂に入ろう!と思ったタイミングで。
私は経験した事ない揺れに見舞われた。
例えるならば洗濯機の中の洗濯物。
立てないし、動けない。
ひたすらその場にしがみついて耐えるしかない。

少し落ち着いたタイミングでガスの元栓を閉め
母がちょうど入浴中だったため靴をお風呂場に持って行った。
歩けない我が家を抜け外にでる。

ご近所から喚き泣く声がする。

停電で何の情報もない。
慌てて携帯電話を取りに戻り情報を得たいけれど
電波が繋がらない。

とりあえずお隣に集まった。

サイレンや防災無線が鳴り響く中、震度6という
声だけ聞こえた。

少しだけ時間が経ち暗い中周りを見渡すと
お向かいの家が無い。
潰れていた。

住んでいたおじいちゃんは無事避難されていて
安心したけれど家ってこんなに一瞬で崩れるものなのか。

瓦礫の上を車が通る音がする。
パンクしながらも車で逃げる様子をただ見ていた。



お隣の人が携帯ラジオを持って来てくれた。
車で30分くらいの町が震度7だったらしい。

時々繋がる電波で遠く離れた人たちからの
心配のメールがたくさん届く。
ただ返信する余裕がなかった。

でもこれであとは余震だけだ。
明るくなったら片付けよう。
取り敢えず車の中に寝た。

余震が続く中毛布を家から持って来て寝た。

次の日は私は休みだった。
持病の通院の日だからだ。

でもこの病院の日に私は現実を知る。

電柱は曲がったり倒れたり。
高速道路やJRは止まっている。
ショッピングモールは天井が落ちて閉店。
コンビニから物は消え、地面はあちこち割れている。

病院へは30分のところ3時間かかった。
診察も受けられなかった。
薬だけもらいまた3時間かけて帰る。

帰ったらまた一仕事。

ぐちゃぐちゃになった部屋を少しずつ片付けていく。

妊娠8ヶ月の妹と、2歳の甥が義弟の仕事の都合で
しばらくうちに来ることになった。

まぁ、少しずつ片付けよう。明日は仕事だ。

そして。。。

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