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〈ノンアルコール研究〉発酵ラボ(番外編)インスタントコンブチャの作り方

ぽつぽつと書いている発酵ラボのシリーズで、コンブチャを解説しました。

コンブチャで活躍する微生物は主に酵母と酢酸菌です。酵母によって独特の風味が出てくるのがコンブチャの特性ではありますが、大事なのは酢酸菌の働きで、出来上がった液体は結局、お酢の一種ではあります。コンブチャをつくるのは楽しい行為ですが、時間がかかったり、雑菌の混入のリスクがあったりと自分で飲むならいざしらず、人に飲ませるのはちょっと気が引けるもの。そこで今回はわざわざスコビーの力を借りずに、インスタントなコンブチャをつくります。

ハーブティー 200ml
冷凍フルーツ(ブルーベリー) 100g〜150g
りんご酢   50ml
グラニュー糖 30g
炭酸水    オプション

コンブチャのポイントは酢酸による酸味です。インスタントコンブチャではチート的に酢を入れることで味を再現しますが、この酢のセレクトで味が変わってきます。非加熱、無濾過のりんご酢を使うことでコンブチャの味になるので、ここが最大のポイントです。

おすすめはこちらのりんご酢。この製品以外にもそういったリンゴ酢は販売されていて、ラベルをよく見れば無濾過、非加熱と書いてあるはず。オーガニック系のスーパーなんかを探してみてください。(ま、amazonで買っちゃうのが一番楽ですが)

ハーブティーはお好きな味のものを使ってください。今日はカレンデュラ、カモミール、エルダーフラワー、マローブルー、レモンバーム、ローズヒップのブレンドティーを使いました。個人的にはレモンバームが好みです。

さて、次は冷凍フルーツ。今回はコンビニエンスストアでブルーベリーを買ってきましたが、ラズベリー、マンゴー、モモ、パイナップルなどもいいですし、もちろんフレッシュフルーツでもOK。りんごなどが一般的でしょうか。いずれにせよ、よく熟れているものを使うのが大事です。

冷凍フルーツ1袋とグラニュー糖30gにリンゴ酢を50ml加えます。そのまま解凍すれば細胞が壊れるのでエキス分が引き出せます。ここにハーブを加えたり、バニラやブラックペッパーなどを加えても面白いと思います。

より風味を引き出すために麺棒などで潰します。この作業は省略することもできます。

そこにハーブティーを200ml注ぎます。

茶こしでこせば出来上がり。

出来上がり。酢の刺激と酸味、そこにフルーツとハーブティーの風味があわさってコンブチャと同じような味です。

炭酸があったほうがおいしいので、インスタントコンブチャ60mlに強炭酸水60mlを足してみました。

コンブチャは発酵過程を伴うので時間がかかる、という特性があります。長く作っていると他の菌のコンタミによって嫌な匂いが出てきたりしますが、インスタントコンブチャなら安心。(混ぜるだけですから)考えてみるとこれってシュラブ──禁酒法の時代にノンアルコールドリンクとして重宝されたビネガードリンク──ですよね。ハーブやスパイスといったボタニカル素材を加えて、ノンアルコールとしても提供できそうです。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!