見出し画像

枝豆の茹で方、ベターな方法は?

暑い日が続きますが、枝豆が店頭に並んでいました。今回、入手した品種はサッポロミドリ。

枝豆は品種が多く、それぞれに異なる味わいがあります。鮮度がモノを言う野菜(枝豆は大豆の未熟果ですが、農林水産省的には枝豆は野菜で、大豆は穀類です)なので、買ってきたらなるべく早く茹でましょう。色が鮮やかで、ふくらんだ豆の粒の大きさがそろっているものが良品。部分的に黒ずんでいたり、傷がついたものは鮮度が落ちています。

枝豆の茹で方はためしてガッテンが紹介した「4%の塩水で3分30秒茹でる」というのが一般的に知られる「おいしい茹で方」。この方法で茹でると枝豆が塩分濃度にして1%になるうえ、アミノ酸の溶出が抑えられ、おいしく仕上がるのです。

僕の茹で方は以前、こちらに書いていますが、ガッテン方式よりも塩分濃度が低めにするかわりに昆布のうま味で味を補う方法です。どちらの茹で方にも共通するのはさやの両端を切る下処理。

とはいえこれが面倒なのです。今回はこの工程にはたしてどれくらい効果があるのか、比較してみましょう。結果によっては省略できるかもしれません。

左がそのまま、右が両端を切ったもの

さやの両端を切ったパターンと切らないパターンを用意しました。

1Lの水に40gの塩を溶かします。塩の量にビビりますが、外側の塩分濃度を強くすることでうま味が溶出するのを防ぐ効果も期待できるかもしれません。ちなみにガッテン方式では先に40gの塩から適量を枝豆を揉み込み、産毛を取り除いてから調理します。ただ、予備実験の結果、産毛は味に影響しないこと、そもそも産毛の少ない品種が増えた、などの理由から省略しました。

3分30秒ボイルします。枝豆のおいしさは豆に含まれるアミノ酸と糖。どちらも水溶性なので茹ですぎると風味が薄くなるの、5分は超えないように。ところで枝豆で有名な新潟ではかなり早く収穫した枝豆を硬めに茹でる食べ方が一般的。新潟よりも千葉のほうが生産量は多いのは枝豆が成熟してから収穫するからかもしれません。

つまり、枝豆の茹で時間は枝豆の品種や成熟度に影響を受けます。最適な茹で時間を導き出すには食べてみるしかありません。今の時期の枝豆は3分30秒で大丈夫だとは思いますが、3分20秒の段階で味見をして、確かめましょう。

ザルにあげて冷まします。さきに説明した通り、枝豆のおいしさはアミノ酸と糖なので水に取るとそれらが溶出してしまうので陸上げするのです。

さて、比較してみましょう。あれ? さやの両端を切っても切らなくても味に差はありません。秋に出回る成熟した枝豆なら別かもしれませんが、今の時期に出回る早生の品種はそのまま茹でても問題ないようです。塩分が適度に効いていて、おいしい。これから枝豆の両端は切らなくてもいいかもしれません。

ところで枝豆のおいしさが糖とアミノ酸であるなら、そもそも「茹でない」というのがベストでは? と思った人もいるかもしれません。もちろん、ちゃんと試しました。

よく洗った枝豆(100g)を鉄のフライパンに入れ、塩3gと水大さじ1を加えて、蓋をして中火にかけます。

蒸気が出てきたら火を弱火に落とし、4分加熱。

やはり、ザルにあげて粗熱をとります。こちらの方法は塩と湯を沸かすエネルギーを節約できるメリットがあります。

さて、味見です。表面に塩がまとわりついているので、その味をはじめに感じ、豆自体はやや甘みが少なく感じられました。なるほど、枝豆が水を吸収しないので、噛んだときにアミノ酸と糖分を感じにくいのです。

塩が溶けていない分、塩気を強く感じるので悪くありませんが、個人的には茹でたほうが豆自体はふっくらとして、おいしいようです。僕は茹でますが、塩味が効いた枝豆が好きな人にはこっちのほうがいいかもしれませんね。

ところで枝豆にはビールが定番ですが、じつは日本酒もよく合います。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!