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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2020年9月の記事一覧

赤缶を使った料理二つ(カレーうどん&カレー唐揚げ)と短い文章

「#うちのエスビー」という企画は キッチンや厨房にあるS&B商品の紹介、なぜそれを選ぶのかといった商品愛や使い方へのこだわり、それを使ったレシピ、関連するエピソードなど、S&B商品についてのエッセイ(作品)をしたためてもらうシリーズ とのこと。「樋口さんも書いてもらえませんか?」と依頼されたのですが、仕事になるのであれば渡りに船。というのも僕が常備しているカレー粉がS&Bのカレー粉、通称『赤缶』だからです。 赤缶はどこのキッチンにもある香辛料。よく見ると国会議事堂(?)

トマトの基本〜冷やしトマトの作り方〜

基本シリーズです。今日は居酒屋などの定番、冷やしトマトの作り方。材料はトマト、ごま油、塩です。完熟トマトにはうま味成分であるグルタミン酸が含まれ、匂いを持つ硫黄化合物も含まれています。うま味と硫黄化合物は果物よりも肉類に含まれている成分なので、肉の風味と合わさるとお互いの引き立てあいますし、肉の代用としても使われるのはそのため。(キャベツや芽キャベツも同様です) 冷やしトマトの最大のポイントは「おいしいトマトを使うこと」です。 まずはトマトを買ってきます。今回は秋においし

温州みかんのコアントロー風味

エルブジというレストランの賄い料理をまとめた本『ファミリーミール』に掲載されているマンダリンオレンジのコアントロー風味をアレンジした温州みかんのデザートです。お客さんに出す料理であれば薄皮を剥くのでしょうが、賄い料理なのでそのまま使っているところがポイント。 温州みかんはハウス栽培のものが手に入ると思います。もちろん、旬の時期まで待ってもOK。3個用意して、2皿分です。一人一個で、残りの一個はソースになります。 必要な機材はジューサーミキサーです。ジューサーはおろし金のよ

ツルムラサキのおひたし

夏は青菜が少ない時期ですが、最近ではほうれん草の代替としてツルムラサキの栽培が盛んです。ツルムラサキは同じ頃に旬を迎えるモロヘイヤと同じでちょっとヌメリのある野菜。味はほうれん草に似て、濃厚で美味。 ツルムラサキ(Basellarubra)は熱帯アジア原産の葉菜類で、アジア圏や沖縄などで食されてきました。在来の品種は苦味やエグミがありますが、最近栽培されるようになった新しい品種は食べやすさが特徴。 中国料理では炒めものにすることが多いみたいですが、日本での定番はおひたし。

甘長唐辛子の炒め煮

冷蔵庫に甘長唐辛子があったのでまとめて料理しました。ピーマンや万願寺とうがらしでも大丈夫。 へたを切り落とします。 そういう気分だったので、半分に切ってからスプーンで種を取り除きました。種をそのままにして調理したい場合は切らずにまるごと使うのがいいと思います。 1/2くらいにカット。 ごま油を少量、鍋にしきます。 中火にかけて、甘長唐辛子としらす20gを入れてざっくりと炒めます。アルミの行平鍋は熱伝導率が非常にいいので、すぐに熱くなります。逆にいうと焦げやすいので注

シンプルがんもどきの作り方

cakes『おいしいをつくる料理の新常識』の明日の更新は「がんもどきの煮物」です。 豆腐系のメニューは「そそられない」のか、PV的には伸びない傾向があるのですが、こういう地味な料理こそ、たまに作っていかないと残らないので(消えてもええやんという意見もあるかもしれませんが)意識的に取り上げるようにしています。 さて、cakesに掲載する煮物のがんもどきは市販品を使っているのですが、がんもどきは自家製するとおいしい。こちらで作り方を紹介します。 がんもどきにはもめん豆腐を使

冷奴の基本〜豆腐は食べる20〜30分前に準備する〜

夏の夕方。すこし風が出てきて、幾分涼しくなってきたかな、という時期に食べる冷奴は格別。冷房のない時代は夏の涼味の一つとして、親しまれたのでしょう。冷奴はわりと難しい料理です。簡素なものほどおいしくつくるのは難しい。最大のポイントは〈温度〉にあります。 冷奴には木綿豆腐でも絹ごし豆腐でもどちらの豆腐もあいます。しかし、今の時期はやっぱり絹ごし豆腐という感じでしょうか。 豆腐はメーカーによっても味が大きく異なります。今回はおとうふ工房いしかわの豆腐を使いました。オリゴ糖が入っ