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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2018年7月の記事一覧

夏野菜の煮物の作り方~味の組み立て~

夏野菜の煮物といえばラタトゥイユが有名ですが、今日は和風。とはいってもラタトゥイユと味の組み立ては同じです。まずは材料のご紹介から。 材料 茄子 2本 180g相当 ピーマン 4個 100g強 赤ピーマン 3個 100g かぼちゃ 350g(正味300g) ごま油 大さじ2 砂糖 大さじ2 醤油 大さじ3 酒+水 100cc 材料は夏野菜ならなんでもOKですが、かぼちゃのかわりにズッキーニでも。かぼちゃ をじゃがいもに変えても美味しくできます。 ラタトゥイユは 旨味=

カチョエペペの作り方

カチョエペペはローマのパスタ料理。同じくローマ名物のカルボナーラから卵を抜いたようなパスタ料理を想像してもらうとわかりやすいと思います。 カチョエペペ スパゲッティーニ 120g バター  20g ブイヨンキューブ 1個 粉チーズ  40g 黒胡椒   適量 パスタの量が少ないと思うかもしれませんが、前菜としてのパスタなのでこれくらいが適量。 1lの水に塩10gとブイヨンキューブを入れて、強火にかけます。 沸いたらパスタを袋の表示時間より1分前を目安に茹でます。 3

トマトのコンポートの作り方

トマトはデザートにもなります。というわけでトマトのコンポートのレシピです。昔は白ワインを入れたり、レモンをやハーブを入れたり、と色々としていたのですが、最近は砂糖と水だけでシンプルに仕立てることが多いです。水の一部をオレンジジュースに変えて砂糖を減らしてもいいと思います。 トマトのコンポート トマト   1kg グラニュー糖 180g 水     1L トマトはあまり大きすぎないものが適しているようです。とはいえ、トマトはトマト。いろんな大きさがありますが、気にしないでい

シジミの味噌汁の作り方

このレシピはcakes連載のお蔵だしです。(連載もいつまで続けさせてくれるのかわかりませんが、良かったら読んでください) 1個の記事を書くためにレシピを書いて、写真もとっていますが、掲載しきれないものが出てきます。これもその一つ。シジミのみそ汁です。 シジミの味噌汁 しじみ 250g 水   500cc 赤だし味噌 20g〜30g まずはシジミの砂抜きから。シジミは汽水域に生息する貝なので、塩水でも真水でもどちらでも砂抜きができそうですが、真水だと旨味が抜けてしまうので

茄子のキャビアの作り方

茄子は夏が旬。 茄子には様々な種類がありますが、どれも美味しい野菜です。下の長いのは大長なす。成長するともっと長くなり、最大で60cmほどになる茄子です。皮に張りがあるものを選び、多少の傷がついていても、その部分にはポリフェノールが多く含まれているので切り落とさずに食べたいところ。 今日、つくるレシピは『なすのキャビア』別名、貧者のキャビアと呼ばれる料理。 様々な作り方がありますが、どのようにつくってもおいしい。 アルミホイルで包んで高温(250度)のオーブンで1時間ほ

フレッシュトマトのパスタ

フレッシュトマトソースは夏の時期のパスタの定番。 フレッシュトマトのパスタ 1人前 フェデリーニ  80g トマト    小2個 にんにく    1片 オリーブオイル 大さじ1 フレッシュトマトを使ってパスタをつくる場合、大事なポイントはトマトの皮を剥くこと。 湯むきでもいいのですが、少量を使う場合はフォークで刺してガスコンロの火で炙るのが簡単。トマトが水っぽくならない、としてジョエル・ロブションも薦めている方法です。 こんな風に皮がペロリと剥けます。 トマトは櫛形

杏ジャムの作り方

ギリギリ間に合うかな、という感じのアンズを使ったジャムです。 アンズ 500g グラニュー糖 200g ジャムをつくるには3つの基本があります。一つは酸性にすること。pH2.8~3.0くらいが最適とされています。酸味の少ない果物を使う場合はレモン汁を足し、ペクチンが少ない場合はペクチンを添加することになります。アメリカやイギリスではジャム用の砂糖(ペクチン入り)が売っているので、それほど悩む必要はないのですが、日本の場合は製菓材料店に行かないとそうした砂糖は売ってないので

真鯛の塩煮

以前、cakesの連載で焼き魚について触れました。その話の続き。 とはいえ、焼き魚は部屋に匂いが漂うので嫌だ、という意見も。というわけで今日は(極力)匂いの出ない魚料理のご紹介です。 鯛のポシェ 鯛  切り身 2枚 塩  5g(0.5%) 水  1L 塩煮には脂分の少ない魚が向いています。 骨があると魚が嫌いになるので、ちゃんと骨抜きで抜きましょう。 皮がそるので、切り込みをいれます。包丁で切るのが難しい場合は…… 秘密兵器のカッターナイフを使います。もちろん、清

鶏胸肉活用法その1『薄く切る』

鶏胸肉は日本料理よりも洋食系の料理に向いていると思います。 日本の鶏肉事情はかなり変わっていまして、人気があるのは圧倒的にもも肉。日本は世界でも有数の鶏肉輸入大国ですが、その理由はもも肉が好きすぎで、国内産だけでは足りないから。昔から胸肉は売れない肉で、そのため価格が安いのです。とはいえ胸肉はサラダチキンのブームでもわかるように加工品原料としては人気で、品薄状態もあるというのだから歪さがわかります。欧米では逆で胸肉のほうが人気で高価です。このあたりは好みの違いですね。人気の

冷やし煎茶の入れ方と考察

昨日、アップした『狭山の的場園で茶の製造工程を見学してきました』という記事の続きです。 普段の暮らしにおいしいお茶があるとうれしいものですが、お茶を淹れるには急須と細かな温度管理が必要で、やや面倒な部分もあります。そこで今回、オススメするのは冷やし煎茶です。 今回は『的場園』の二番茶を使いました。 お茶はカレー用スプーン1杯、6gが目安。多少の誤差は問題ありません。 水1lに対して茶葉の量は15gが目安。 冷蔵庫で6〜8時間、あるいは一晩、抽出します。見落としがちな

レミーのおいしいラタトゥイユ

以前、本格的なラタトゥイユの作り方をご紹介しましたが、今回はピクサーの名作映画『レミーのおいしいレストラン』スタイルのラタトゥイユをご紹介します。 映画の説明は省略しますが、料理を監修したのはアメリカの三ツ星シェフ、トーマス・ケラー。映画をつくるためにプロデューサーは2日間彼の店、フレンチ・ランドリーに入って研修を経験したそうです。 余談ですが、トーマスケラー『フレンチ・ランドリークックブック』(『料理人誕生』などの著作で知られるマイケル・ルールマンの共著)はフランス料理

スズキのオイル焼きの作り方

cakesの連載で触れた「焼き魚」は塩鮭でしたが、こちらはスズキです。 連載でも魚は皮と身という2つの異なる組成のものに適切に加熱をする重要性に触れました。 おいしい焼き魚の隠れたポイントは皮。皮は生臭いので嫌いという人がいますが、それは火がきちんと通っていないからです。例えば今が旬の『すずき』は皮がおいしいのですが、食べづらく、火も入りづらいという難点があります。  スズキのオイル焼き  スズキ 切り身 1枚  サラダ油  小さじ1  塩     白胡椒 それを防ぐ

Cakesnoteフェスで提供したチリコンカーン

6/29、30に渋谷LOFT9で開かれたCakesnoteフェス。会場で販売するフード提供についてのお話を頂戴しまして、 「ビールが飲めるメニューがいいですね」 というヒントを頂き、決定しているメニューにスープがあって、カレーがあって……と考えた結果が、チリコンカンです。チリコンカンはテクスメクス(アメリカ風メキシコ料理)の料理で、「うちのかみさんがね……」でお馴染みの刑事コロンボの好物です。 チリコンカン(4人前)  豚肩ロース 250g〜300g  牛ひき肉  20