【夕張】高速ゆうばり号廃止後の夕張市へのアクセスを調べてみた
現行(2024年9月30日まで)
9月30日までは、札幌から高速ゆうばり号を利用することで、直接夕張市内までアクセスできる。
ゆうばり号は現在、1日3往復運行されているが、札幌方面から日帰りで訪れる場合、札幌駅前9時10分発の便を利用することになる。
高速ゆうばり号廃止後の市外からのアクセス方法
2024年10月1日以降は、JRの特急「おおぞら」「とかち」や普通列車を利用するか、夕張市のデマンド交通を利用することによって、市外から夕張市にアクセスできる。
特急おおぞら・とかちを利用する場合
特急列車を利用すると、札幌から片道約1時間で夕張市内まで移動することができるが、運賃に加えて特急料金を支払う必要も出てくるため、料金は「ゆうばり号」(片道2070円)と比べ約2倍になる。
新夕張が目的地である場合でも、出費の増加は避けられない。
所要時間について見ても、夕張市本町(レースイリゾート付近)へ行く場合は大して早くはならない。
普通列車を使って新夕張駅までアクセスする場合
本数は極めて少ないが、札幌から千歳経由で新夕張まで普通列車だけでアクセスすることもでき、交通費を節約できる。
(それでも、高速ゆうばり号よりは高い)
千歳から新夕張に向かう普通列車は夕方にもあるが、これは札幌方面からの日帰りには活用できないので、今回は割愛している。
この方法を採る場合、新夕張であれば6時間ほど滞在できるが、夕張市本町(レースイリゾート付近)の場合はバスの接続が悪く、2時間程度しか滞在できない。
従って、新夕張が目的地であればまだ良いが、そうでない場合にはおすすめできない方法だと言える。
夕張市市外線デマンド交通(行きは1便、帰りは4便の場合)
次に、夕張市によるデマンド交通を利用する場合を考える。
夕張市のウェブサイトによると、長沼町から栗山町を経由して、夕張市内各地を通り、紅葉山(新夕張駅前)に至るデマンドバスが、2024年4月から運行されているという。
https://www.city.yubari.lg.jp/uploaded/attachment/5679.pdf
先ほどと同様、札幌方面から日帰りで訪れることを考えた場合、栗山を9時40分(1便)に、紅葉山を16時45分に出発する便(4便:栗山18時5分着)が便利そうだ。
しかし、ここで重要な問題が浮上してくる。
もし現行の高速バスダイヤが今秋以降もそのまま引き継がれると仮定すると、高速バスで札幌から9時40分までに栗山駅前に到着することが不可能であるという点だ。
高速くりやま号の始発が栗山駅に到着するのは10時15分であり、35分遅い。
この問題を解決するには、
・大谷地や北広島から路線バスを利用して、9時15分(デマンドバスの発車時刻)より早く長沼町役場に辿り着く
・JR線を利用して栗山駅に行く
という2つの方法が考えられる。
1つ目のやり方(長沼経由)については、(2024年春ダイヤ)大谷地ターミナル7時50分発(平日のみ運行)、もしくは北広島駅7時45分発(土休日は8時16分発)を利用すれば、9時15分より前に長沼町に辿り着けそうだ。
2つ目のやり方(JR)を採用する場合、(こちらも2024年ダイヤ)札幌駅を8時2分に出る岩見沢行きで岩見沢に向かい、そこから苫小牧行きの室蘭本線に乗り継げば、栗山駅に9時25分に到着する。
どちらも極めて面倒なルートだが、利便性や出発時間を考えると、札幌駅からJR線で栗山に向かい、そこからデマンドバスに乗り継ぐ方がまだましだと言える。
なお、帰りの札幌行きバスに関しても、終バスが17時30分栗山駅発であるため、高速バスで札幌に帰ることができない。(この場合も、JR線で札幌まで帰ることになる。)
以上の情報をまとめると、次のようになる。
この場合、夕張市本町で約7時間、新夕張で約6時間ほど滞在することが可能だが、乗り換えが2回必要であるうえ、札幌出発が朝8時、帰着が夜の8時となり、しんどいスケジュールになる。
ハードスケジュールを回避したいならば、前述の特急おおぞら・とかちを利用するか、デマンド交通の別の便を利用しなければならない。
夕張市市外線デマンド交通(行きは2便、帰りは3便の場合)
2便(栗山11時35分発)、3便(栗山14時30分着)を利用する場合、当然ながら夕張に滞在できる時間は短くなる。
なんと、紅葉山ではたったの15分、本町でも1時間40分しか滞在できない。
これでは、実用性がないと言わざるを得ないだろう。
夕張市市外線デマンド交通(行きは1便、帰りは3便の場合)
間を取って、行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは3便(栗山14時30分着)を利用した場合を考える。
この場合、夕張市本町で約3時間半、新夕張で約2時間滞在することができる。
夕張市市外線デマンド交通(行きは2便、帰りは4便の場合)
さらに、行きは2便(栗山11時35分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用した場合を考える。
この場合、夕張市本町では約5時間、新夕張では約4時間滞在できる。
夕張市市外線デマンド交通を利用する場合の最適解
以上の例から考えてみると、夕張市市外線を利用する場合の最適解は以下のように結論付けられる。
高速ゆうばり号廃止後の市外からのアクセスをまとめる
パターン①新夕張(紅葉山)が目的地である場合
普通列車を用いる:千歳と新夕張を結ぶ普通列車を利用すると、運賃を節約できる。
且つ「一日散歩きっぷ」が使える時期であれば、さらに節約可能。
普通列車でも、新夕張で6時間滞在可。
特急列車を用いる:特急「おおぞら」「とかち」を使えば、札幌から片道1時間でアクセス可能。
料金は往復約7000円かかるため、お金に余裕がある人向けと言える。
パターン②夕張市本町(レースイリゾート)などが目的地である場合
お金に余裕がある場合:新夕張までJR特急で移動し、そこから夕鉄バスを利用するのが最適解になる。(往復約8600円)
そうでない場合:好みに応じて以下の方法を選択する。
①夕張市内にできるだけ長く滞在したい場合:行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用する
②乗り換え回数を減らしたい場合:行きは2便(栗山11時35分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用する
③日が暮れる前に帰りたい場合:行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは3便(栗山14時30分着)を利用する
極限まで交通費を節約したい場合は、「一日散歩きっぷ」が使える時期を選ぶのが良い。(往復約4000円)
なお、北海道新聞によれば、高速ゆうばり号の廃止発表を受け、夕張市はデマンドバスの運行ダイヤ改善に取り組むようなので、今後の動向を注視したていきたい。
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