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寺嶋由芙さん12/16発売「みんな迷子」


スケジュールの都合もあり詩先で作ったこの曲はプロデュースの加茂さんと松井くんとわたし3人の打ち合わせで10/9、完パケは月内と言われる。なかなかなスケジュール!翌週歌詞が送られて来た。1日でも完パケを伸ばして貰いたいとお願いしながらも、アレンジまでとなると曲OKを1週間後には取りたい。汗

詩先での曲作りは深読みせず先ずは全体の雰囲気をザックリ、その次に構成を見て直ちに書き始める!言葉の響きで感覚的に進めていく。「読む」より「見る」が近い。歌詞は全体を眺めながら、部分的にとでも言うのだろうか、単語やセンテンスごと細部の微調整をかなりやりつつ前進。途中で挫折して早々に方向を変えることもまあまあある。傷は浅い方がいいので「違うか?」と思ったら作戦は変更だ。「みんな迷子」に関してはそれはなかったけど、書き始める前はサビの歌詞を見て歌い上げるような切ないもの、も思い浮かべてもいたけどテンポが遅いのはどうかなぁと。

加茂さんからの歌詞が添付されてるメールには、リファレンスを送りますと書かれていたがそれを待たずして進めざるを得なかった。数日後に送られて来たときには粗方書いていたので、電話でそのことをお話しして勝手に進めたことをご了承頂いた。バラードよりは少しテンポがあってもいいかな、マイナーキーですかね、と聞かれた時には少しだけ裏切ることが出来たかも...とも思ったけどこれが果たしてどう出るかはわからない。テンポは128です。構成によりますがフルコーラスで3分代かと思います。など...お伝えした。

一概に数字だけでは決めれないけど寺嶋さんには決して速いテンポではなく、むしろもっと上のものでもよかったと思うくらいだけどそれは「みんな迷子」の景色でそうなった。

さて、松井五郎の歌詞には色々とチャンスが秘められてる。ちょっとした宝探し、と言えば楽しい。

最初に述べたように字面を読むよりデザインを見る、で音(オン)の持つノリを逃さないようにするのがセルフ上げのコツかも知れない。

デモは簡単なオケで良い、と時折言われるが今はそうは行かないでしょ、と思う。ましてやアレンジもとなるとのちの苦労は自分で被る事にもなるのでここは出来るだけ頑張っておく。

雑な部分もあるのだけどウワモノまで一通り入れ、アイドルに不可欠と言っても過言でない字ハモもやる。

曲が出来たら作詞松井くんには毎度申し訳ないと思うも時間の都合で完成まで程遠い段階の半端なトラックに仮歌を入れたデモを送って読み間違えがないかどうかとハマり具合を確認してもらって問題なければ完成形へと進める。今回は若干の歌詞の変更箇所があったのだが、トラックの未完成具合も松井くんは心得てくれているのは誠に有り難い!

よほどのことがない限り初回の歌詞通り一字一句変えないで作るのをモットーにしてます。

かつて阿久悠さんの詩先で岡本舞子さんのアルバム全曲を作編曲したときに鍛えられたのもあり、阿久先生は一字一句直さないからそのつもりで、と制作から宣告されたものだった。また、歌詞というキツい制約があるので行く先が定まるというメリットがある。あれこれ優柔不断に迷わなくて済むというものだ。

歌詞とメロディーとの関係、あり方は阿久悠さんと仕事をした80年代とは相当変わった。日本語の1文字に1母音、音もこの頃は律儀に1音、と言うのが掟のようになってたと思う。仮歌を録るときには作詞家から上がってきた歌詞を見ながら音符ひとつずつに割り当てて譜面に書き込んだものだった。一番二番が合わなかったり、文字数が合わないことはまずなく、仮にそんな事態の折にはいくつ足りないとか多いとかで作詞者は直していたと思う。それに比べて今は自由度が高い。歌詞先行のときのポイント(?)としてはどこをどこまで纏められるかというのもそのうちの一つだと思う。自分で歌詞を書く人はその辺り更に幅があり応用の効く作り方だろう。

作詞家と確認が取れたところで制作サイドへデモ出し。良いと言われた時は本当に嬉しい!いつでも新人。そして新作だから足枷がない仕事。

こうして打ち合わせから2週目で予定どおりコマを進められトラッキングをしてスタジオ作業となりギターダビングから同日ボーカルダビング。

歌のディレクションは加茂さんにお任せして音が間違っている箇所だけは指摘させて頂いたりした。

寺嶋さんとはこの日が初対面、歌の細かな事もとっても真面目に取り組んで頂き、ほわっとしているけれどへこたれなさそうな人だな!と感じた。(そんなにキツいいい方はしませんよw)

こうしてオケとウタが揃いこの日のエンジニア伊永拓郎さんがDATAを持ち帰り、やり取りでテイクをセレクトしたのち、MIXはクロスロードスタジオオーナーの井上さん。

こちらも度々のやり取りに応えて頂いて11/4のmixcheckに伺い、翌日マスタリングされた模様。

寺嶋由芙さんの「みんな迷子」はこんな手順で出来ました。

あたらしい寺嶋由芙さん

同EP収録「あたらしいわたし」はテンポもありこれぞアイドル!という素晴らしい仕上がり。

そんなわたしも大抵はあたらしい私を目指してます!









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