見出し画像

右利き、左利きの面白い話〜左利きの人の体は難しい〜

右利きと左利きの違いについて個人的に興味を持っているのですが、一度ここでまとめてみたいと思ったので書きます。
結構面白い話だと思っています。

しかし、書き終えてみるとメチャややこしくて難しい。おまけに長くなってしまいました。
ほぼ自分用のメモみたいになってます。
全て読むのは根気がいるかもしれませんが、興味があれば是非お付き合いください。

1.利き手について考え始めたきっかけは仙腸関節セミナー。

利き手について考えるようになったきっかけは、昨年受講した仙腸関節のセミナーです。
仙腸関節の構造には左右差があり、それ故に機能の差があります。その機能差が利き手と関係しているのではないか、というのがそのセミナーの仮説でした。

この仮説に至るまでに仙腸関節の構造について理解する必要があります。しかしそれを書き出すとキリがないので、この記事では必要最低限の情報だけ書きます。

1-1.「利き手」と利き手を生み出す「左脳と右脳の違い」について

まず利き手について確認しましょう。そもそも利き手とは何でしょうか。

割合としては右利きの人が90%以上であり、それは世界的に共通していると言われています。なぜ右利きの人が大半なのかと言うと、優位脳が左脳になるからです。そして優位脳を決めるのは言語野だとも言われています。

大抵の場合、左脳に言語野が形成されるので、多くの人は右利きになります。左利きの人では、60%くらいが左脳に言語野がありますが、それ以外の人は左右に偏在していたりするそうです。

よく左脳は意志で、右脳は感情だと言われます。
意志は言語によって形成されるもので、左脳の働きだと言えます。そして、意志ゆえに能動的な性質を持っています。
一方、右脳の働きは意志に対して感情になります。感情というのは自然と呼び起こされるものですので、能動の反対で受動的な性質を持っています。

左脳は能動的、右脳は受動的な性質があるということを覚えておきましょう。
そして、ここが重要なポイントなのですが、能動的な左脳に支配される右半身も能動的であり、右脳に支配されている左半身は逆に受動的であるということも言えるでしょう。

利き手も意志を表現するために、能動的な右半身に現れるということが言えます。

1-2.仙腸関節の機能差について

「利き手」と「左脳と右脳の違い」について確認したところで、人の体のパターンと仙腸関節の機能差について紹介します。

まず、90%以上の人が右利きです。右利きの人は通常は右足が利き足となります。右足が利き足なのに対して左足を軸足とします。

したがって、人の体は多くの場合「右利き手+右利き足+左軸足」というパターンになります。
このパターンに沿って、仙腸関節の機能差を考えていきます。

利き足と軸足の仙腸関節の機能差は、荷重時に現れます。
(※機能差が現れる理由は左右の仙腸関節の構造の差にあるのですが、構造の差についてはここでは割愛します。理解しにくいところもあるかと思いますが、そういうものだと思って読んでください)

右利き足に荷重した際、右の仙腸関節は起き上がり運動を起こし左寛骨は下がります。
一方、左軸足に荷重した際は、左の仙腸関節がうなずき右寛骨は持ち上がります。

右利き足に荷重したとき左寛骨が下がるのですが、例えば歩行中にこのようなことが起こると、左足を地面に引きずってしまいます。そうならないように、右利き足荷重時には右の中殿筋や左の腹斜筋などを収縮させて左寛骨を持ち上げる必要があります。

一方、左軸足に荷重したときは仙腸関節の構造上勝手に右寛骨が上がるので、筋力を使ってこれを持ち上げる必要はありません。

この右利き足と左軸足の機能の差は仙腸関節の構造の差から生じるのですが、面白いことに先程紹介した左脳と右脳の性質の違いに対応しています。

右利き足は左脳に支配されています。左脳は能動的な性質を持っていますので、右利き足に荷重した際は能動的に筋を収縮させて左寛骨を持ち上げているのです。

左軸足は右脳に支配されています。右脳は受動的な性質です。これは左軸足に荷重したときに右寛骨が受動的に持ち上げられるということと対応しています。

2.「左が下がる」+「右が上がる」のが人の体の法則

一度整理しましょう。

右利き足荷重時には左寛骨が下がるので、能動的に左寛骨を持ち上げる必要があります。能動的な左脳の働きです。
左軸足荷重時には右寛骨が勝手に上がります。右脳の受動的な性質に対応しています。

左寛骨は能動的に持ち上げてられていますので、それが無い限り左寛骨は下に下がります。左は下に下がるのが自然なのです。
一方右寛骨は勝手に上がりますので、右は上に上がるのが自然です。

この「左が下がる」+「右が上がる」というのが人の体の法則だと言えます。

なぜこれが法則だと言えるのか。それは血液や飲食物の流れにもこの法則が共通しているからです。
血液は左側にある大動脈を下って全身に回ります。全身を回った血液は、大静脈に集められ右側を上に上っていきます。
食べたものは大腸で便になります。便は右半身にある上行結腸を上に上っていきます。そして左半身にある下行結腸を下って肛門の方へ運ばれます。
血液や飲食物も、左が下がり右が上がるのです。

ということは、右利き足と左軸足の機能の差はこの人の体の法則に対応しているということが言えます。

「左が下がる」のが法則ですが、下がったものは持ち上げないといけません(持ち上げないと歩けません)。持ち上げるためには意志が必要であり、意志を持っているのは言語野のある左脳であり、その意志を体現するのは左脳に制御されている右利き足です。

また「右が上がる」のが法則ですので、左軸足荷重時には特に何かする必要もなく、ただ受動的に「右が上がる」のを受け入れれば良いのです。

右利きの人はこの体の法則に最適な構造と関節運動を実現しているとも言えます。
だからこそ、右利きが圧倒的多数なのかもしれません。

3.「左利き」は不自然である。

ややこしい話で申し訳ありません。
もう少しだけ続きます。

これまでの話を一文でまとめると、「右利き」は「左が下がって、右が上がる」という身体の持つ法則に対する最適解である、という事になります。

しかし世の中には「左利き」の人も多数存在します。「左利き」の人の体のパターンは「左利き手+左利き足+右軸足」ということになります。

右利きと同様に考えれば、左利き足に荷重すると右寛骨が下に下がるので右寛骨を持ち上げる必要があります。
一方右軸足に荷重すると、左寛骨が自然と持ち上がってしまいます。

「左が下がって、右が上がる」のが体の法則でした。
しかし左利きでは右寛骨を能動的に持ち上げています。もともと上がる法則があるものをわざわざ余計に力を加えてさらに持ち上げているのです。
また右軸足だと左の寛骨は勝手に持ち上がってしまいます。本来下がるべきな左寛骨が持ち上がってしまうのは、体の法則に反する関節運動だと言えます。

左利きの人の仙腸関節では、本来体に備わっている法則に反する関節運動が展開されている可能性があります。
右利きが体の法則に最適化しているのに対して、左利きは余計なエネルギーを消費したり、スムーズな運動連鎖が遂行できていない可能性があります。

さらに厄介なのは、左利きの人は幼少期に右利きに矯正されている可能性があります。
矯正されたまま成長すると「右利き手+左利き足+右軸足」というパターンになってしまいます。
これは上半身と下半身の連動すら破綻しているかもしれません。

例えば、側弯症とまでは行かなくても体が大きく傾いている人は少なからずいます。ちょっと普通の人よりも傾きが強いなと思う人がいれば、是非利き手がどちらかを聞いてみてください。
私がおかしいなと思って尋ねた際は、体感ですが30〜50%くらいの確率で左利き、もしくは矯正された右利きであることがあります。
またそういう方の施術はなかなか難しいものがあります。施術をしていても手応えが少ないという感じです。

少ないですが例を上げると・・・
喘息気味で鬱症状もあり頭痛が頻繁に出る女性は、尋ねてみると矯正された右利きでした。
頻繁に鼻をすする癖があり首の緊張がなかなか改善しない女性も、尋ねてみると矯正された右利きでした。
彼女らは、施術をしても筋の緊張がなかなか解消しにくいという特徴がありました。

左利きは自然の法則に逆らった関節運動を遂行しているがために、筋緊張なども異様に亢進しており、整体施術の効果が出にくいということが言えるかも知れません。

4.心臓が左にあるのには理由がある。

これが最後です。
今回「一度まとめてみよう」と思い立ったのは、この話を聞いたからです。

皆さんは心臓が左にあるのにはちゃんとした理由があるというのはご存知でしょうか?
YouTubeで堀江貴文さんと対談していた岡田康志さんが、それを解明したというのです。

発生というのは最初は左右対称に進んでいくのですが、途中で非対称性を獲得して心臓が左に、肝臓が右にというように分化していきます。
非対称性を獲得するきっかけがノード流という水の流れであり、それを生み出しているのは「毛」であるということを突き止めたのです。
「毛」が動くことでノード流ができるのですが、この水の流れは必ず左に向かうようで、その結果心臓が左に形成されるそうです。

分子生物学の専門的なところは正直よくわからないのですが「水が左に流れる」というのは面白いです。水は必ず上から下に流れますので、左に流れきった後は下に落ちていくと考えられます。これは先程の「左が下がる」という法則と矛盾しません。

心臓が右にある方は、少ないですがゼロではないようです。そしてカルタゲナー症候群というのがあるのですが、これは心臓が右にあるのに加えて呼吸器疾患や男性不妊を患っている様子を言います。

先ほどノード流を決めるのは「毛」であると言いましたが、呼吸器疾患と男性不妊も「毛」と関係があります。
呼吸器には腺毛という毛がたくさん生えており、有害な物質を腺毛を使って気管から口の方へ掻き出しているのです。心臓が右にある人は、もともと「毛」の働きが弱いので、腺毛も機能せず呼吸器疾患を患いやすいということが言えます。

男性不妊についても、精子が泳げるのは鞭毛が動くことによるのですが、こちらも「毛」の働きが弱いので鞭毛がうまく機能できないのです。結果として精子が泳ぐことができず男性不妊につながるのです。

先ほど例に上げた2人の女性は、喘息があったり鼻をすする癖があったりとどちらも呼吸器に特徴的な症状・癖があります。
これは私の思いつきですが、面白い関連だと思いませんか?
もしかすると、左利きの方は「毛」の働きが制限されている可能性もありますよね?

ノード流と「毛」の話をYouTubeで聞いて、左利きの女性の症状・癖が思いがけず繋がったので今回まとめてみようと思い立ちました。
この辺の関係については自分なりに探求し、考えていこうと思います。
また面白いネタを仕入れたら書くかもしれません。

さて、とても長くなってしまったのですが、何とか書き終えました。
ここまで読んでくださった方は(あまりいないかもしれませんが)、ありがとうございました。
仙腸関節の構造や機能差について興味がある方は、是非『仙腸関節塾』でググってみてくださいね。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?