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小さな展覧会#3|最終回

【講義】インタラクションをスケッチする研究


Introduction

グラフィック研究(大阪芸術大学デザイン学科デジタルアーツコース)の授業内で実施する展覧会もこれで3回目。今週水曜までの開催なので、みなさんぜひ実機で体験をしてみてください。
さすがに3回目なので、作業時間を多めに取る授業進行がうまく行ったのか、今回はアニメーションを使った力作や形状に工夫が凝らされた作品が多く、ただ見るだけでも楽しいですね。
ユーザーからの働きかけに起因してボタンが変化する。この変化がユーザーに与える印象を内観し、繰り返し調整する。こうして良いインタラクションを実現するための観察力と制作力を鍛えるというのがこの演習の目的です。単なる自身の好みでなく、対象ユーザーを想定した客観的な視点での作り込み。これはなかなかデザイナーに伝わりにくい概念なんですが、実際に手を動かしたり、他の学生の作品を触ることで、色々な気づきがあればいいなと思います。先生のリフレクションも読んでね。

Button operation

「キーボードのカーソルキー(矢印キー)を使った操作」を希望する学生が今回は珍しくおりました。キー入力による操作は、フォーカス型といって、現在自分がどこにいるかというカレント感を上手に表現する必要があります。これは車載UI、スマートTVなど幅広い産業系のUIに応用が効く重要な技術になるので選んでもらって嬉しかったですね~
ちなみに前回までのは2回はdefault, hover, active, disabeledの4種類のステートを作成しましたが、今回はfocusを追加して5種類作ってもらいました。
hoverで代用するのも良いんですが、やっぱり専用にfocusをデザインした方が操作性は良くなります。

Game pad operation

トグルスイッチに注目した学生の作品です。
トグルスイッチとゲームパッドのアナログレバーは形状が似ているのでわかりやすいUIになっています。ただ、hoverやfocusなどのカレント感を表現する点が今後の課題になります。

Mouse operation

マウスを使用したGUIは、学生にとってなじみ深いのか、希望を募ると多くなるんですよね。今回はボタンの形状がユニークなものが多く触っているだけで楽しいものになりました。
アニメーションに凝った作品もあるのでぜひ触ってみてください。

Toutch operation

モバイルファーストになってはや10余年の2024年ですが、希望を募るとタッチインタフェースはあんまり人気ないんですよね。手元で小さくコチョコチョするのってやりがいが薄いんですかね?
構造的にhoverが存在しないため、focusとactiveを効果的に設計する必要があってけっこう繊細なんですよね。
一方でフリックやスワイプなどこれでしかできない楽しい操作もあるので学生にはぜひ研究して欲しいところです。

まとめ

動的なインタフェースの基礎として、ボタンのステーツを作り分ける授業を1年間行いました。私自身は実務も長かったし教員として理屈はわかっているつもりなんですが、実際1年間に3回繰り返し学生とわちゃわちゃやる事で、私も随分学びの機会がありました。面白かった~
グラフィック研究の授業自体についてですが、来年はUnityでゲームを作るという内容で、年に2回実施を予定しているため、このボタンインタラクション自体はいったんは終わりになります。
残念ではありますが、ボタンインタラクション自体はDynamic UIの基礎として、さまざまな機会に手と目を動かして学んでもらおうと思っております。
ワークショップ形式の実施も可能ですので興味のある方はご相談ください。


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