ティキィ小林 | TQY Kobayashi

ビデオゲーム(特に音楽ゲーム)の、 UI/UX設計、アートディレクション、映像制作の3…

ティキィ小林 | TQY Kobayashi

ビデオゲーム(特に音楽ゲーム)の、 UI/UX設計、アートディレクション、映像制作の3つのジャンルで、 「楽しく新しい体験」を長年世の中へ提供してきました。 このnoteでは、個人のデザイナーとして、日々の働きの中での気づきについて記します。

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インタラクションをスケッチすること

前置き(学生は飛ばし読みでOK) UI/UXデザインを学ぶ上で、ユーザー調査や情報の構造設計、ユーザー体験の構築、サービスとしてビジネスを牽引していくとか、そういうのの前に、ちゃんと人間のエモーションに働きかける魅力的な「図」と「動き」を自分の手で作れますか?訓練してる?という問題意識がずーっとありました。 メーカー系制作ではグラフィックの部門とUX部門が別とか言うのを聞くと、ゲーム系とは違うなぁ~と思う。なんで全部自分でやらせないんだろう。 私の体験では、ゲームの会社で

    • 私が目指す表現,そのための指導の備忘録

      今日2月11日より、大阪芸術大学の卒業制作展が始まっています。 学生にとっては4年間の集大成ですが、デザイン学科デジタルアーツコースにて「ティキィ小林ゼミ」を主宰し1年間指導してきた私にとって、自身の指導についての通信簿でもあります。 また、今回同じく卒展を開催している美大芸大やその他の芸術学部を巡る事でそれぞれの特徴や表現の幅、レベル感もわかってきました。 そうした状況で、私が目指す表現やゼミでの指導についてまとめておきます。 私が目指す表現 実はこれはすでに明確に

      • 腹をくくってRGO ALLYを買った

        HALに就任するまでは、ゲームUIの制作手法を中心に色々教えて、ゲームにこだわらず幅広くメーカーやデジタルなサービスの会社へ就職する手助けができれば良いよねって思ってた。ゲーム会社より数が多いしね。 でもゲームデザインのコースの学生って、ゲーム制作の会社しか考えてない。なんかこの事実がなかなか飲み込めなかったんだけど、最高学年の担任を1年やってあきらめました。まぁ、ゲームデザインのコースを選ぶくらいなんだし、ゲーム会社以外は範疇にない。当然といえばそうだよな。 という事を年

        • ボタンデザインのスケッチシート

          ボタンインタラクションの実習をさせる際に、まずスケッチを描かせています。A4・1枚のとても簡単なものではありますが、あったら便利かと思いますので公開しておきます。 当初はdefault, hover, active, disabeledの4種類のステートで作成させておりましたが、最終的にfocusを含めた5種類を描かせることにしました。 ちょっとややこしい気もしましたが、きちんと説明すれば学生のみなさんはすぐに分かってくれるようです。まぁ毎日使っている道具のことですからね。気

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        インタラクションをスケッチすること

          小さな展覧会#3|最終回

          【講義】インタラクションをスケッチする研究 Introduction グラフィック研究(大阪芸術大学デザイン学科デジタルアーツコース)の授業内で実施する展覧会もこれで3回目。今週水曜までの開催なので、みなさんぜひ実機で体験をしてみてください。 さすがに3回目なので、作業時間を多めに取る授業進行がうまく行ったのか、今回はアニメーションを使った力作や形状に工夫が凝らされた作品が多く、ただ見るだけでも楽しいですね。 ユーザーからの働きかけに起因してボタンが変化する。この変化がユ

          小さな展覧会#3|最終回

          4Kモニタでアプリのメニューの文字がちっさくて困るときの対策

          起動するアプリのexeファイルに対して、プロパティ経由で高DPIスケール設定の上書きを下記のように設定する。 昔、substance Painterのメニュー文字がちっさくて苦労したときに調べたがわからんかった。やっと解決。まとまった休みはありがたい。 今回はMotionBuilderの画面が見にくくて調べていたらAutodesk公式で下記があって助かった。 Windows 10で3ds Max、Maya、Motion Builder、またはMudboxを使用した4Kビ

          4Kモニタでアプリのメニューの文字がちっさくて困るときの対策

          アートディレクタビリティ

          より良いArtdirectionを実現するために 最近世の中がHoudini押しなので、忙しい中がんばってセミナーに参加したよ。 Houdiniのセミナー Bone Digital主催の「Houdini for GAME セミナーin 大阪」に参加するために、11月15日にECCコンピュータ専門学校に行ってきました。 最新のHoudini20のR&Dについて、Side FXシニアリードTAのMai Aoさんからの説明の中で、さかんにProject Dryadの目的や機能

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          スプライトについて忘備録

          スプライトとアトラス 複数のテクスチャを1つに並べてまとめると事をスプライトやアトラスと言うことがあります。(私はテクスチャをパックすると言ってました) これらは過去の経緯から来ているのでちょっとメモしておきます。 ゲームエンジン自体にテクスチャをパックする機能がついていたり、アドオンでモデルやマテリアルをマージする際にテクスチャもいい感じにパックされるなど現在はさまざまな環境があります。従って、今後必ずしも、ゲームのCGデザイナーにとってずーっと必要なの作業なのかはわか

          スプライトについて忘備録

          What killed the imagination?

          Curiosity killed the cat. Curiosity killed the cat. という諺から命名されたアイドルっぽいバンドが昔イギリスにあった。結構流行った曲もあったがいつの間にか聞かなくなった。 好奇心猫を殺す。 7つの命を持つと言われるくらい不死身の猫ちゃんも、好奇心が過ぎて死んじゃった。ましてや人間なんてな。 わかるな。だからおまえさん、あんまり余計な事に首をつっこむんじゃないよ。身を滅ぼすよ。 と、まぁこんな感じのことわざ。 イギリスってい

          小さな展覧会#2

          Introduction ボタンのインタラクションをスケッチするクラスがもう2周めを終えようとしています。2回めなので前回の反省をいかして学生にじっくりとボタンのアニメーションを内観してもらおうと思っていたんだけれど、全然時間がなくZOOMで補講してLINEで作業指示するグダグダっぷりになりました。 ただ前回作ったものをフォーマットにしている限り着地点は見えているので気は楽です。 Button operation 前回は、ミニキーボード、カーソルキーとスペースバー、ゲ

          2023夏の読書おすすめ3冊目

          ゲーム制作のお作法を理屈込みで細かく教えてくれる稀有な本 この本は、ビデオゲーム制作で生まれたさまざまなノウハウは、ゲーム以外の産業でも役に立つよ、という立ち位置の本です。ゲーム業界以外なら関係ないじゃんっていうことはないんです。ゲームに詳しくないレベルのひとにも十分理解してもらうために、具体的に細かく書かれているので、ゲーム制作志望の学生にとても役に立つ本だ、と判断して学生のみなさんへ紹介しています。 この本のメリット 網羅的で細かいことです。これでもかというくらい

          2023夏の読書おすすめ3冊目

          2023夏の読書おすすめ2冊目

          今すぐ稼げる(かもの)スゴイ本を紹介 UI/UXと併記されることが多いのですが、この本では最初にUXの定義を明確にした上で、実装に向けた実用書として「UIにフォーカスする」と宣言しています。UI実装の専門家を育てたい私としても、初心の学生へ中途半端にUXの話を入られても困るのでこの判断には大賛成! さらに、2013年に出版された同名の本を元に、時代に合わせて2019年に全面的にリライトをされているため、読んでいて抜け漏れを感じさせずしっかりとした本だと思います。(PDCA

          2023夏の読書おすすめ2冊目

          2023夏の読書おすすめ1冊目

          楽しい図版を楽しみながら、デザイナーの本質に接する本 著者のブルーノ・ムナーリは、イタリア人のデザイナーです。25年前に亡くなっています。ゲーム専攻の学生はたぶんだれも知らないとは思いますが、大丈夫。じつは私も知ったのは40歳の頃だったんだよね。二十歳そこそこでムナーリさんに出会えるってうらやましいよ! ムナーリさんは教育者でもありデザインについての著書がたくさんでていて、私は15年くらい前にむさぼるように読みました。すごく魅力的な人ですよ。 この本をすすめるわけ

          2023夏の読書おすすめ1冊目

          夏休みの読書2023

          夏休みの終わりが近づいてきた。 台風は大阪直撃っぽいので、家で本でも読んで過ごしたらどうでしょうか。 まずは、去年紹介した本を再録しておきます。 この本はいまさらと思うけど、4つの基本ルールを骨身にしみるまでできてるかって言うとなかなか難しいんじゃないですかね? 読んだ事ない人ならなおさら読んでおいてほしい本です。 ゲームのUIは、WEBやアプリのUIとまた違っていて、その違いを明確に説明して、幅広いゲームジャンルに対応して、しかも実践まで書いてある本は今のところこの本だ

          戦後のベストポスター 100選

          紙というオールドメディアにのっかているポスターが一番輝いていた時代を今の若い学生に知って欲しいと願っている。 1945年から1990年の間に公開された作品から選ばれた100点のポスター。1990年に私は高校を卒業するくらいの歳だったから、このポスターのほとんどをリアルタイムに知ることはなかった。それでもグラフィックデザインを志す当時の学生にとって、これらの作品は神々の時代の残照として、当時のぼくたちの心を強く照らした。 その光は30年以上経っても残っていて、見るだけで体を少し

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          ソーシャルデザイン

          私は一応UI/UXのデザイン専門家という事で長い間ご飯を食べています。 まぁそれはそれで本当にありがたいし、ヒトとインタフェースの事を考えたり調べたり教えたりすることは楽しいです。 それとは別に、私には相当長い間関わっているデザイン分野があります。地域の情報を新聞まとめたり、イベントのTシャツを作ったり、図表をまとめたり、個々には様々なデザイン業務なんですが、最近はコミュニティデザインとかソーシャルデザインというような、全体を包括した言い方をしても良いかなと思ってます。