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言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~ 連載中

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市立善理高校に入学した和渡部 愛唯(わとべ めい)は、幽霊部員だらけの文学部に入部する。そこには、出徳 司(でとく つかさ)と言う女生徒がいて、時々ちょっとした推理や論理を展開し… もっと読む
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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #07

第三話 二  もう少し歩けば、駅が見えてくる。そんなときだった。  あたしは司の気分を変…

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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #06

第三話 一  市立善理高校には占い部と言う怪しげな部活があり、司はなぜか、占い部部長をや…

東西 七都
10日前
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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #05

第二話 二  駅で用事を思い出したと言う司と別れ、あたしは有頂天でアイスケーキを家まで持…

東西 七都
2週間前
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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #04

第二話 一  ゴールデンウイーク三日目に入り、あたしは、またしても司と遊ぶ約束を取り付け…

東西 七都
2週間前
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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #03

第一話 二  ゴールデンウイーク一日目になって、あたしと司は一緒に遊びに出かけることにな…

東西 七都
2週間前
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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #02

第一話 一  四月から時間が経ち、あと三日で五月になるという頃だった。  五月と言えばゴ…

東西 七都
2週間前
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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #01

プロローグ  学校の廊下を歩き、つきあたりの部屋の扉、一歩手前。  そこで、あたし——和渡部愛唯は立ち止まった。    図書室のそばにある小さな部屋。  ここは、市立善理高校文学部の部室で、部として定員数をやっとそろえたぐらいの文学部にはふさわしい、活動の場所だ。  あたしは、扉に二回、こぶしを軽くぶつけてノックをする。返事はない。  扉には中をのぞく窓があるものの、すりガラスが、ぼんやりとしか中の様子を見せてくれない。  あたしは意を決し、そうっと扉を押し開けた。