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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」

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2022年夏に起きた未解決事件を追ううちに、過去に消えてしまった、才能にあふれた人間ばかりを生み出す私立『マギ ルミネア』中学校が、なぜかその影を行く先々で落とす。 事件、霊視、… もっと読む
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記事一覧

「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #16

エピローグ  研究室からは、時折、波音がしていて耳を傾けると、海の中にいるような気がして…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #15

第五章 一  樋口は事件のあらましを真木に語った。 「そう。彼女は実は生きていた。学校か…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #14

第五章 一  真木は突然、目を覚ました。  外はまだ太陽が上がりかけた早朝で、部屋は薄暗…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #13

第四章 一  樋口探偵事務所の中、樋口と日奈は二人きりで部屋にいた。窓から見える天気は曇…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #12

第三章 五  中学二年生になり、真木は『マギ ルミネア』と寮生活にも随分慣れてきていた。…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #11

第三章 四  烏堂は、スタジオがあるビルの駐車場に車を停めた。  ドアを閉め、ロックをか…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #10

第三章 三  中部地方、自然豊かな山の奥深く。透き通るような美しい水の渓流が近くを流れている。  私立中学校『マギ ルミネア』は、世間の人気をよそに、外界とは隔絶された緑あふれる世界の中で、ひっそりとたたずんでいた。  校舎はちょうど、アラビア数字の3を左右反対にひっくり返した形をしていて、一番下の棟は職員棟と呼ばれ、一階に、職員室や校長室、会議室など。二階と三階には、教科に使用するための部屋があった。  ただし、この学校では各学年の総代と言う、いわば学級委員のような生徒が

「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #09

第三章 二  真木は周囲を見渡した。  四方の壁を見慣れない壁紙が覆っている。  炎が波打…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #08

第三章 一  樋口は隣町で車を借りると、山の奥深くにあるという私立中学校『マギ ルミネア…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #07

第二章 二  烏堂は、すでに二回、真木の携帯に電話をかけていた。  何度かけても、相手に…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」#06

第二章 一  真木はナイフには手をつけないまま、体を横にして路地に戻って来た。 「この事…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」#05

第二章 一  真木は澤小木から連絡を受けると、犯行現場近くの駅へと降り立った。  犯行現…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #04

第一章 三 「まだ、ついてきているか」  烏堂渡は路地の一つに隠れ、塀の影から、ちらっと…

東西 七都
1か月前
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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」 #03

第一章 二  昔ながらの喫茶店。  黒枠のドアを開けると、微かにドアベルが鳴った。焙煎したコーヒーの香りが鼻をくすぐる。  日奈勲は近づいてきたウェイターに待ち合わせをしていることを伝えた。店内を見渡して、目当ての人物の顔を探す。  間違いない。彼の顔。  スーツ姿に、短く髪を刈りこんだ、小ざっぱりした髪形の男。  年齢は三十代半ば。そう言えば、知り合いとは言え、今まで具体的な年を聞いたことはなかった。  会うのは久しぶりだが、様子は少しも変わっていない。 「久しぶりだね、