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ハチミツ嫌いの私が推すハチミツ

この記事は、私が受講している「京都ライター塾アドバンスコース」の課題「500字以内で推しを紹介する」で書いたものです。

ハチミツ嫌いの私が唯一愛せているハチミツがある。
菅野養蜂場さんの「ぼだいじゅ」だ。

ハチミツの名前はミツバチが採った花の名前であり、「菩提樹」は北海道でのみ採取できる花。

私の記憶にあるハチミツの味は祖母の家で食べたもの。蜂の口内を感じる独特の匂いと舌にまとわりつく味に、吐き気すら蘇る。菅野養蜂場さんの「ぼだいじゅ」は、そんな記憶を書き換えてくれた。

ハチミツなのに、花畑が現れたような華やかな香り。口に入れると、花の蜜を食べてる、と思うほどの甘みが広がるが、さっと消えていく軽やかさもある。この上品さは、どんな食品と合わせても消えず、むしろ格上げさえしてくれる。スーパーの特売牛乳で作ったホットミルクでも、優雅な気持ちになるほどだ。

気温が下がると、ハチミツが結晶化して、白い層が出来るのも魅力のひとつ。シャリシャリと削り取れるハチミツは便利で、トーストに塗るとシュガートーストのようにもなり、ちょっとした楽しみ。

物は試しと、別の養蜂場さんの「菩提樹」に浮気したことがある。蓋を開けて悔いた。過去の記憶が蘇ってしまったのだ。私は菅野養蜂場さんの「ぼだいじゅ」でなければ、ハチミツを食べられなくなっていた。

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