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#16 ゆめちゃんは おてんば娘

ゆめちゃんをお迎えして、約2年が過ぎた5月。

いくつもの面白エピソードの中でも、何度も思い出しては笑ってしまうエピソードがあります。今回はその中の一つです。


それは弟がバラ祭りに行って、お土産を買ってきたことから始まりました。
1本の鉢植えのバラです。最終日の閉園間際に安くなっていたとのことで。
専用の縦長の袋に入っていました。

真っ直ぐ伸びた茎はトゲを取ってあって、何枚かの葉がついて天辺に蕾が一つ。朱色とピンク色が混ざったような柔らかい赤色で、蕾の先が少し開きかけています。
これから毎日、少しずつ開いていく様子が見られるな、楽しみだ~♪

ですが気になることが一つ。

バラって食べても大丈夫だっけ? 

もちろん食べられたくはないのですが、猫が食べたら大変なことになる植物があるので急いで確認しました。当時の資料では、ユリ科は駄目ですがバラは問題なさそうでした。

弟はベランダに置くつもりだと言いました。日当たりもいいし、ゆめが食べることもないだろうと。
確かに。ですがゆめちゃんもたまにベランダに出るので、念のため確認したのです。

そんな話をしている間、バラは玄関の靴箱の上で、少しだけ袋が下がって蕾が見える状態だったようです。

弟がふとバラに目をやると、ゆめちゃんが既に靴箱に上がってバラの香りをスンスンと嗅いでいます! 

「ゆめ!」
突然の大声にびっくりしたゆめちゃんは靴箱から飛び降りて猛ダッシュ!
私が弟の声に驚いて振り返った時には、もうゆめちゃんの姿はありませんでした。

弟は、バラの袋もゆめちゃんと一緒に飛んで行ったように見えたと言います。

どういうこと? 袋をくわえたまま逃げたの・・・かな? 
でもバラだけじゃなくて、小さいけど鉢が入っているのだから重いはず。
それで飛び降りる?

土が床にこぼれて、玄関から一直線にのびていました。
鉢の欠片らしきものも落ちていました。 
ゆめちゃんがくわえたまま飛び降りたのだとしたら、割れてしまった可能性が高いです。

土の跡を追うと、私の部屋に続いています。部屋に入るとベッドの上にゆめちゃんが、バラの袋と共に座っていました。

片方の持ち手部分が首に・・・


「ゆめちゃん!」
つい大声になって、また逃げられてしまいましたが、袋を首に掛けているのは辛うじて見えました。

まずい! とにかく捕まえなくちゃ!
とはいえ、ゆめちゃんはすばしこいので簡単ではありません。

そこで、まず散らばった土や欠片を片付けることにしました。私たちと違ってゆめちゃんは裸足ですから、欠片で怪我をしないように。   

欠片を片付けている最中は少し離れた所で私たちを見ていましたが、片付けを終えていざ捕まえようと立ち上がると、気配を察してすぐに逃げてしまいます。

もしかしたら鬼ごっこをしている気分なのかな?

おにさんこちら、てのなるほうへ~

いやいやこちらは大変なんだけど! 💦

それでもなんとか挟み撃ちにして捕まえました。
ゆめちゃんは、持ち手の丸く輪になった部分に頭を通していました。外そうとしますが、とにかく頭も体もくねらせじっとしないので外せません。

なんとか袋の中のバラを取り出したところでまた逃げてしまいました。
何かの拍子に首が締まったらどうするの! もういいかげんにして!
・・・ようやく捕まえて袋を首から外すことに成功しました。もうぐったりです(泣)

それにしても、そもそもどうやって持ち手部分に頭を入れたの?
弟に大声で怒られてすぐ飛び降りたのだから、バラの香りを嗅いでいるところを見た時には既に入れてたんだよね? 

袋はビニール製だから柔らかくて、手でピンと張るとかしないと頭は入れられないと思うのだけど💧
ゆめちゃんは何も語ってくれないので、この謎は、永遠の謎になるかもしれません・・・


さて、バラはどうなったかと言うと。
蕾は思ったよりは傷んでいないようでしたが、茎が折れてしまっていて、新しい鉢を用意しても花開くかどうか・・・ということで諦めました(泣)

弟は、安かった、残っていたからちょっと気の毒で、なんて言っていました。が、それもあるだろうけれど、完全室内飼いのゆめちゃんに春を感じさせてあげたいという想いも、あったのかもしれないと私は思うのです。
今度バラを買ったら、絶対、すぐにベランダへ持って行こうね。

布団の上にも散らばった土を見て、私も肝に銘じました・・・トホホ・・・(泣)



ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


参考書籍:ねこのきもち (株)ベネッセコーポレーション






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