霊感商法や還付金詐欺や

私が高校生の時のこと。

母親が、高級羽毛布団をローンで買った。60万円だったそうだ。

当時、うちの母の友達に、息子のことで悩んでいて色々なセミナーやら怪しい宗教に出入りしている人がいて、その人と一緒によく行動をしていた。

件の羽毛布団も、その友達と一緒にどこかへ行って、勧められて買ったようだ。

うちには余裕なんてないくせに。

バカじゃないのかな?

「月賦で少しづつ払えばいいから」と、私に言っていた。

てっきり、その高級羽毛布団は父か母かお客さんが使うものなのかと思っていたが、なんと、私がその布団に寝られていたのだ。

意味がわからなかった。

私は、もしかしたら自分は大事にされているのかも?くらいに思っていた、という記憶がある。

とにかく。私はおめでたい思考でもって、このことを深くは考えていなかった。

ただ、同時期に大学受験機を迎えた私に対して、お金がないから家から通える国立の文系しか許さない、と言い放った母親に殺意を抱いたのはよく覚えている。

高級羽毛布団を買ったくせに、理系を希望していた私の学費は出せないだと!?!?と。

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この羽毛布団事件を思い出すたびに、ムカムカしていたのだが、最近、違う側面があることに気づいた。

その羽毛布団に寝かされていたのは、私だった。

きっと、変な宗教団体のことだ。「この布団に娘さんが寝れば、娘にいいことが起こる(志望校に合格する)」とでも吹聴されて買ったのだろう。

私は、家に金がないからと志望校を変更させられ、意に沿わない進学先を選んだ。

果たして、60万円もする高級布団を月賦で買い、娘をそれに寝かせ、

意に沿わないけれども大学に進学した私の気持ちなど微塵も考えたことのない高卒の母親は、自分の娘が大学に入ったことを自分の手柄のように自慢していたのを思い出すだけでムカムカするのだが、

あろうことか、

後年、変な水も購入していた。

1リットルで5000円ほどする、ミネラルが豊富だという水であった。

私も、私の夫もこの水を飲まされた。

どこで購入しているかというと、街の電気屋だった。電気屋の看板を出してはいるけれど実はこれら健康水を売っている店なのだ、医者も自分の親や子供が癌になって手に負えなくなると、この水を買いにくる、と店の人が言っている、と母親が言っていた。

誘ったのは、羽毛布団の友達だろう。この人の息子は、この後自己破産し、その人は阿呆になってしまって、公園で鳩に餌をあげる婆さんになってしまったそうだ。

家にお金がないというのに、バカではないのだろうか。

私は、社会人になって家を出てからも実家に戻った時にはその高級羽毛布団で寝ていた。本当のことを考えないように、感情を無にして寝ていたのだ。

このバカな母親は、数年前、還付金詐欺の被害を受けた。

目先の金に釣られたのだ。

馬鹿も休み休みにしてもらいたい。

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