メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第204号 ─「よもぎ」のテーマ読み ─ 34「鍼灸法」(雜病篇・寒(下)・鍼灸法)

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆


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  第204号

    ○  新企画 ─「よもぎ」のテーマ読み ─ 34
       「鍼灸法」(雜病篇・寒(下)・鍼灸法)

       ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説 
      ◆ 編集後記

           

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 こんにちは。前号に引き続き「寒」の「鍼灸法」灸部分の続きです。


 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)


 (「鍼灸法」 p409 上段・雜病篇・寒(下)・鍼灸法)

  鍼灸法

               傷寒陰毒危極藥
   餌無功速灸臍中三百壯又灸氣海關元各二三
   百壯以手足温煖爲效本事


 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)


  傷寒陰毒危極、藥餌無功、速灸臍中三百壯、

  又灸氣海關元、各二三百壯、以手足煖爲效。『本事』


 ●語法・語(字)釈●(主要な、または難解な語(字)句の用法・意味)


  特になし


 ▲訓読▲(読み下し)

  
  傷寒陰毒(しょうかんいんどく)危極(ききょく)、

  藥餌(やくじ)功(こう)無(な)きには、

  速(すみやか)に臍中(せいちゅう)に

  三百壯(さんびゃくそう)を灸(きゅう)す、

  又(また)氣海(きかい)關元(かんげん)に

  灸(きゅう)すること、

  各(かく)二三百壯(にさんびゃくそう)、

  以(もっ)て手足(てあし)温煖(おんだん)を

  效(こう)と爲(な)す。『本事(ほんじ)』

 ■現代語訳■


  傷寒陰毒の極めて重篤で、薬餌の効果がない者には、

  速やかに臍中に三百壮を灸する。

  あるいは気海、関元に各二・三百壮を灸する。

  手足が温暖になったことをもって効果の指標とする。『本事』


 ★ 解説★

 「寒」章の鍼灸法の灸登場部分、前号に続く箇所、全体の11番めの項目です。

 前号では傷寒陰証でしたが、今度は「傷寒陰毒危極」という表現がなされています。引用元が違いますので、例によって配列に工夫を凝らして順番をうまく配置していることがわかります。

 臍のお灸というと健康法的な紹介のされ方が多いと思いますが、このように重篤の者にも用いる場合があり、そのような研究もなされてきたことがこの文でわかります。


 ◆ 編集後記

 「寒」からの灸登場箇所、今号も無理せず文章一つでお届けしました。
 できるだけ配信を止めず、短くても続けていく所存です。

                     (2017.02.11.第204号)
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