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旬を味わう!果物狩りと訪日タイ人について

スーパーの店頭にキラキラと輝くサクランボが並ぶ季節となりました。

少々値段が張るので、私はお財布の中身とよく相談してから買い物かごへ運ぶようにしています。一年のうちで今だけ、貴重な旬のフルーツは日々の生活に彩りを与えてくれます。

そんな旬の味覚を最も贅沢な方法で味わえるのが果物狩り体験。ちょうど今の時期はサクランボが主役です。畑の真ん中で、丸く赤く熟した食べ頃のサクランボの実を探し当てたら、木から採ってその場でパクリ!甘酸っぱさと瑞々しさが口いっぱいに広がるところを想像するだけで涎が出そうです。

さて、そんな旬を味わう果物狩り体験は今や日本人だけのお楽しみにとどまらず、アジア圏を中心にインバウンドのお客様にも人気のアクティビティーとなっていますもちろんタイ人のお客様も例外ではありません。特に、冬から春にかけてのイチゴ。夏から初秋にかけては桃、ブドウ(タイ人にはシャインマスカットが人気)。そして、秋から冬は柿、リンゴと、旬が入れ替わっていき日本の季節を体感できるのが魅力です。

そうした果物狩りがタイ人に人気な理由として考えられるのが、まず、日本の果物がタイ人に与える「高級感」です。首都バンコクのスーパーやデパートでは、丁寧にパックされた日本産のイチゴやブドウなどが日本の約2~3倍の価格で販売されています。食べたくても一部の限られた層の方でないと手が出せない。そうした高級なイメージの強い日本の果物が、日本での果物狩り体験においては、1000円~2000円前後とタイでの価格に比べたら「割安」に、しかもたいていの場合は「食べ放題」ができる。それに加えて、日本で果物狩りをしている様子がSNS上で「映える」という点も人気の理由と考えられます。

ただ、サクランボに関しては、果物狩り体験できるのが5月下旬~7月初旬頃 (※産地による)と他の果物に比べて期間が短いこと。またこの時期はタイで祝日が少なく、4月の旧正月(ソンクラーン)後でまとまった休みをとりにづらく、さらに日本は梅雨ということもあり、訪日タイ人数がガクッと減る時期でもあります。そのため、サクランボ狩りに興味はあっても実際に体験したことがあるタイ人はまだ少ないように見受けられます。

私は以前、訪日タイ人のツアーで、山形、群馬、北海道のサクランボ農園にガイドとしてご案内する機会がありました。お客様は休暇でいらした個人の方々ではなく、日系企業がオーガナイザーとして企画されたインセンティブツアーの方々でした。そうしたツアーの場合、日本に慣れたリピーターの方が参加されることがほとんどで、たいていのことは経験されている。オーガナイザー側としては、何か日本で珍しい体験を提供して、お客様を喜ばせたいという思いがあったようです。

そこで、ツアーの目玉となったのがサクランボ狩り体験でした。ツアー終了後に行ったアンケートには「日本のチェリーがとても美味しかった!」というコメントが多く寄せられ、お客様とオーガナイザー双方が喜んでいただけたことが分かりました。かつ、日本の産地の方にも喜んでいただければ最高ですね。

旬が短いというネックはありますが、だからこそ価値が増すというもの。他の果物同様にもっと多くのインバウンドのお客様に日本の美味しいサクランボを味わっていただきたい。そんなことを思いながら、ひとつ、またひとつとサクランボを楽しんでいます。

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