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歴史という重箱の隅

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歴史ライターの立場から、一般に知られていない意外な歴史を紹介します。
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記事一覧

ちょっと面倒な西洋人名の「=(ハイフン)」の話

 先日紹介した書籍ですが、ページをめくっていたところ「誤植」を発見しました。 「グリオン…

「388対1」~ある女性政治家の闘い

 1941年12月8日(アメリカ時間7日)、日本の連合艦隊がハワイの真珠湾を奇襲攻撃しました。翌…

南北戦争とヨドバシカメラの歌

 ヨドバシカメラの店内に流れる歌は、「権兵衛さんの赤ちゃん」のメロディーを使っています。…

赤穂浪士と茨城県の意外な関係

「仮名手本忠臣蔵」を始め、多くの創作の題材となった赤穂浪士の討ち入り(赤穂事件)。歴史上…

日本の最先端地域としての佐賀県

 佐賀県といえば、「何もない」「特徴がない」といった自虐ネタに走りがちな県です。都道府県…

呉の皇帝が我が子に珍名をつけた理由

 現代でも、親が子に名をつけるときは特別な意味を込めます。前近代の中国(あるいは漢字文化…

異国に消えた皇族の数奇な生涯

 言うまでもなく、皇族は日本で最も高貴な血筋です。実は、天皇の子として生まれながら、遠い異国の地に渡って生涯を終えた人物がいます。平安時代初期の天皇・平城天皇の皇子であった高岳(たかおか)親王がその人です。  高岳親王は、平城天皇の弟・嵯峨天皇の代に皇太子に立てられました。しかし、譲位した平城太上天皇は嵯峨天皇との政争に敗れ(薬子の変)、高岳親王も皇太子を廃されました。大同5(810)年のことです。  その後、高岳親王は空海の弟子として出家し、真如法親王となります。斉衡2

世界史と英語を同時に学べる問題をつくってみた

 私の専門は歴史ですが、暗記ばかりではなく柔軟に教えられたらいいな…と常々思っています。…

ドイツ史を動かした「11月9日」

 日本の歴史上、最も重大な日付とは何でしょうか。終戦記念日かもしれませんし、建国記念日か…

奈良時代に"世界"を見た日本人

 交通の便が悪かった古代にも、人々は現代人の想像以上に地域を越えて交流していました。しか…

「承和の変」は藤原氏による他氏排斥なのか

 平安時代といえば、貴族たちが陰謀をめぐらせているイメージがないでしょうか。灰原薬の漫画…

暴力事件で読む百人一首(後編)

前回はこちらです。  百人一首に選ばれている歌人たちが、(被害者にせよ加害者にせよ)意外…

暴力事件で読む百人一首(前編)

 最近読んだ本の中でも、かなりインパクトがあったのが、繁田信一著「殴り合う貴族たち」でし…

大日本帝国の甲子園

現在、熱闘が繰り広げられている夏の全国高校野球(甲子園)。言うまでもなく、全国の代表校が頂点を競う大会です。 第1回の大会は1915年で、甲子園球場で行われるようになったのが1924年。長い歴史を持つ大会であり、戦前には今と異なった風景がありました。 日本は日清戦争により台湾を(1895)、韓国併合により朝鮮を植民地としました(1910)。また、日露戦争後に旅順・大連などをふくむ関東州を中国から租借し、事実上の植民地としていました(1905)。