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流行りのブレスラチェインを徹底分析!(オリジナルレギュ)


はじめに

 ととです。今年4/2に書かせていただいたブレスラチェインの記事https://note.com/toto0121/n/n5ec7637cd337 を読んでか、ブレスラチェインというデッキタイプがじわじわと復活し始めました。4/21のDMGP2024-1st day2 ではブレスラチェインを使用したチームがベスト16になりました。https://note.com/bright_bonobo315/n/nac72ead350af?sub_rt=share_pb 大躍進ですね!

 それを経て今週。数多くのブレスラチェインが見事CS入賞を果たしたようです。今かなり熱いデッキタイプなんじゃないでしょうか。
 しかしデッキを組もうと思っても世の中のブレスラチェインは多種多様、テンプレはまだ研究中と言っていい段階でしょう。デッキを組むにも何を参考にしたらいいか分からない、そんな悩めるブレスラーの一助になればと、本記事をご用意させていただきました。

原型

4/2時点

 細かい動き方は割愛します。記事を読んでください。https://note.com/toto0121/n/n5ec7637cd337  (再掲)
 根幹を説明すると
1.ディスアイチョイスまたは場にデドダムがいる状態でブレスラを打つ。
2.ブレスラの効果でサイクリカを出すと、ブレスラを回収しながらもう一発撃てる。
3.ブレスラの効果でマークロを出すと、手札のブレスラを含むS・トリガーが打ち放題。
4.めちゃめちゃブレスラを打てるので、適当なフィニッシャーで勝ち

 という流れです。マークロでインパルスを打つことで場のサイクリカとマークロを回収し、連鎖をより安定して継続可能になります。

そもそもなぜ今ブレスラチェインが勝てるのか

 各入賞リストの分析の前に、まずブレスラチェインの性質そのものの強みを理解していきましょう。
 よくブレスラチェインのことを「受けループ」と称する方がいます。それは半分は正解ですが、本質かと言われると少し違和感を覚えます。受けて勝つだけのデッキでは、今の環境マジックにすべてをケアされてボコボコにされます。

そんなに簡単にすべてをケアしないでくれ~

 しかし、今のブレスラチェインは「走り」のデッキです。既存のループ系アーキタイプであるマトリクスループとアナカラーグラスパーを比較対象に考えると、
速度 : 遅←グラスパー<マトリクス≒ブレスラ→速
受け : 柔←マトリクス<グラスパー≒ブレスラ→固
 といった力関係に感じます。
 マトリクスではループは速いが、殴られたら受けの要求値はかなり高い(基本的にコブラ→アーテル要求)。
 グラスパーにはテック団のような単騎を貫通してターンをもらえる受け札が搭載できるが、ループが遅くターンをもらっても勝てない。
 しかしブレスラチェインならばそれらの強みを併せ持つため、貰ったターンでちゃんと勝ち切ることができる。
 これにより受けループの性質を持ちながらマジックと互角に勝負することができます。(ブルーインパルスの多投が条件)

それでも五分なんかい!

 速度的にループデッキの中では最速クラスですので、他のループデッキに対して不利がつくこともなく、
 恐らく環境トップの黒緑アビスに対しては「4Tにループして勝つ」「ハンデスされてもトップで勝つ」「殴られても盾で勝つ」のいずれかを達成できれば勝てるため有利が付きます。
 さらに巨大天門のフィニッシャーとなるゲンムエンペラーや、5c蒼龍の着地が速い大型獣であるドルファディロムがほぼ刺さらないのも、このデッキの大きな強みの一つです。
 苦手なのはメタクリ、特に青黒コンプレックスのシャッフには手を焼きますが、最悪VTを無理やり積んで勝つことができます。積むだけのスロットの余裕があります。

 以上の要因で、もともと環境への通りがいいデッキタイプではありました。それがじわじわと認知されて今に至る、という形だと考えています。

入賞リストのデッキ分析

フィニッシャー

フィニッシャーは大きく分けて2種類。アレフティナかアシッドです。

アレフティナ型

アレフティナ型スターターセット

1.マーシャルクロウラーの効果でブレインスラッシュを2発撃ち、マーシャルクロウラーとアレフティナを蘇生。
2.マーシャルクロウラーの効果で手札を盾に埋めた瞬間、アレフティナの効果で勝ち

 という至極シンプルなフィニッシュルートです。ただし、アレフティナのマナ落ちやボトム落ちに対してシビアになる必要があります。(手順1でマークロもアレフティナも手札にいる場合、山を6枚も消費するため注意)
 ブラックビッグバンとダンディライフを採用するのが初期の型でしたが、他の手段でマナ、ボトムを操作するデッキの入賞も見られます。

第86回 アドフェイズCS(2024/4/28)優勝。ポジトロンサインでボトム落ちケア。
ネバー+オドユニワでメガラストバーストを打ってマナ落ちケア。(おそらく)

アシッド型

アシッド型スターターセット

初期盤面
場にマークロ(効果待機)、アシッド
手札にサイクリカ、ネバー、アゲイン
1.マークロ効果でネバー、アゲインを宣言。ネバーでサイクリカ。アゲイン対象マークロ。
2.サイクリカ効果でネバー。ネバーでサイクリカ。
3.サイクリカ効果でアゲイン、アゲイン対象アシッド。
この手順を繰り返すと無限にアシッドのストックがたまるので、相手のLOで勝つことができます。

パーツがすべてS・トリガーなのでDisアイチョイスで触れ、マナ落ちケアが不要です。

はっちcs in 竜星の嵐新宿店(2024/4/29)準優勝。レイクポーチャーでボトム落ちケア。

優劣関係

 フィニッシャーはフィニッシャー以外の役割をどれだけ持てるかで評価が変わります。完全に主観ですが、役割の多さを5段階評価(SABCD)でつけると

アレフティナ型
アレフティナ : D 出すことは絶対ない。光単色マナは偉い
ブラックビッグバン : C たまに蘇生してエンドすると、殴るデッキは困る
ダンディライフ : B 手打ちも圏内、トリガーしてリーサルが縮むことも
ポジトロンサイン : A 色ヨシ、受けとしてもそこそこ。最悪チョイスポジトロンで運ゲーも?
オドユニワ : S 全然初動
ネバー : C 色が弱い。トリガーしても出して受けになるカードは多くない。ループの補助みたいな顔をしているが、マークロ効果でネバー打ちながらサイクリカ出してブレスラ打てる状況ならネバーなくても勝ってそう。

アシッド型
アシッド : C 一面止めるトリガーだが、色が弱い
ネバー : C アレフティナ型と同じ説明なので省略
アゲイン : C マークロ効果で打つとマークロを出し直せるのは少し偉いが、マークロの次に出したいのはサイクリカ。

 受け性能という観点ではパーツに一応S・トリガーがついているアシッド型に分がありますが、色が弱いのが難点です。個人的には色が強くデッキを回しやすくなるアレフティナ型を推奨しています。マナ落ちボトム落ちのケア手段は様々なアプローチがあるので、今後の研究では新しい型が出るかもしれませんね。

ライブラシールド型 (4/30追記)

ブラックビッグバンとライブラシールドの組み合わせでも、相手をLOさせて勝つことができます。ループ手順は以下になります。

初期盤面 場 ブラックビッグバン (山0枚達成) 手札 サイクリカ×2、マークロ、ブレスラ×2、インパルス、ライブラ マークロ効果ストック中

  1. マークロでブレスラ×2、インパルス下面、ライブラを宣言。

  2. ライブラ解決

  3. ブレスラ①でドローの代わりにライブラ上面を出しながら手札のサイクリカを捨てて出し。

  4. ブレスラ②で2枚目のサイクリカも出し。

  5. インパルスでサイクリカ×2とライブラ上面回収。

  6. サイクリカ効果1回目で墓地からブレスラ、マークロ捨て出し。

  7. 2回目でブレスラ、サイクリカ捨て出し。

  8. さっき出したサイクリカでインパルス下面、サイクリカとマークロ回収。

参考リスト (kiroさんのX(twitter)にて発見)

役割の薄いカードが少ない、いいリストだと思います。

 アレフティナの代わりにライブラシールドを採用でき、単純にトリガー枚数が増えるためデッキパワーは上がります。ただし、アレフティナ型と異なり呪文ループで勝つ必要があるため、ペルフェクトやパルテノンを出されると勝てなくなることには注意が必要です。

初動

2→4→6軸と3→5軸の2種類に分類されます。

2→4→6型

第23回ZweiLanceリモート杯(2024/4/27)優勝。

 初動に2コスブーストを8~9枚ほど採用することで、4ターン目に6マナ到達しブレスラもしくはチョイスを出せるようにする構築。速度が速いが、リライフやライフには山を掘る性能が無いため、手札が詰まると何もできないターンが続くのが難点。

3→5型

ダリアCS inプレイズ堀田店(2024/4/28)準優勝。マナにアレフティナを置いたら回収できない…?

 2コスブーストを採用せず、3コスブーストとしてデドダムのほかに豊潤フォーチュン、神秘の宝箱、神秘の宝剣、神秘の石柱、オドユニワなどを採用した構築。
 4キルするためにはディスタスゲート始動のルートしかないため速度は落ちるが、ブーストに枠を割く代わりに受けや除去やリソース札に枠を割けるのが特徴。手札が詰まって何もできないターンが発生しにくい。

優劣関係

 速度の246か、対応力の35か。
 これまた主観的な意見ですが。僕は速度に振った方がいいと考えています。
 最も大きい理由は、デドダム以外の3コスブースト弱いためです。
 豊潤フォーチュンは3ターン目以外は弱いライフで、非常に腐りやすいカードです。
 神秘の宝箱(宝剣)はブレスラに触れるため一見優秀ですが、Disアイチョイスが公開領域に無いと何の意味も無いのが欠点です。
 神秘の石柱(オドユニワ)は間接的に手札のサイクリカやマークロを墓地に置けるため、手札キープを少し楽にします。が、手札は減るため結局Disアイチョイスが無いと詰まります。
 ブーストターンを1ターン遅らせてこの程度のリターンしか得られないなら、事故のリスクを多少負ってでも2ブを入れた方がマシに感じます。

…でも、それにしても246型は事故りやすい。

 地龍神はブレスラを探せるうえ回収択も取れる器用なカードですが、ライフやリライフはあまりにも前のめり過ぎる。というかこれ打って4キルできるとき、初手が強いときだけなんだよな…。

そんなあなたへのおススメがこちらになります!

246と35の折衷型

第92回アドCS (2024/4/27) 3位。僕のリストです。エターナルトラップは使わなかったので抜いてください。

 2ブとして優秀な地龍神の魔陣のみ残した型。初動8本だと心もとないので、補助としてWO-ZEROを採用。

 WO-ZEROは3コストブーストの中では一番マシなカードだと考えています。山上4枚からブレスラにもチョイスにも触れ、封印されたサイクリカやマークロはチョイスを出したタイミングで自由に墓地に落とせます(墓地リセが効かない!)。一度は試してみてください。

というか効果知ってる?

Q. 結局自分の構築をお勧めするんかい!
A. いやそりゃ現時点で一番いいと思ってる構築でCS行くに決まってるでしょう!

サイクリカ、マークロ、ザーディクリカ、クイーンアマテラスの配分

 様々な構築がありますが、僕は断言します。
 サイクリカ > ザーディクリカだし、マークロ > クイーンアマテラス
です!

ザーディクリカについて

 墓地からも手札からも呪文を打てるため、サイクリカより少しだけ器用に立ち回れますが、ブレスラは山の下に行ってしまいます。
 墓地から打つサイクリカの役割を50%、手札から打つマークロの役割を30%くらいカバーできるバランスカードですが、合計100%行ってないので素直にサイクリカとマークロに枠を割きましょう。

クイーンアマテラスについて

 素引きしたときにマークロよりも圧倒的に使いやすく、チェインの補助になるという主張もできるカードです。
 ただチェインの補助という観点では、山にブレスラが無いとチェインが続かず、山を確認できていない状態ではあまり投げたくないカードです。
たまーに8マナ素引きが強いので、1枚くらい入れたいという主張は理解できなくもないですが、個人的にはサイクリカとマークロに枠を譲ってチェインの安定性を上げた方が勝ちやすいと感じています。
 採用するのであれば、必ずオリジナルフィナーレを採用し、8マナにリーチできるようにしましょう。素出しできないクイーンアマテラスは本当にマークロでいいです。

サイクリカとマークロの採用枚数

 どちらも3枚以上は採用してください。ブレスラをチョイスでマナから打つ場合、1マナ減ってしまいます。そのためそのターン中に決めきれないとマナが減った状態でターンを返すことになり、かなり苦しいゲーム展開になります。サイクリカとマークロの採用数を絞ると、これをケアして一度サイクリカやマークロを掘りに行くターンを作るプレイングを求められますが、どう考えてもさっさと勝った方が速いです。臆さず最速プランを通せるよう、サイクリカとマークロはどちらも3枚以上入れましょう。僕は4枚ずつ採用してます。

ブルーインパルスの採用枚数について

Oh! Expensive!

 可能な限り1枚でも多く入れてください。マジックへの勝率が1枚につき8%ずつくらい上がります。普通に強い受け札でありながらループの補助にもなるカードよりも優先すべきカードは、かなり限られてきます。特に、何か別の半端な受け札を採用するくらいならインパルスへの差し替えは検討した方がいいです。
 とはいえ、色の制約、初動の制約、メタクリ対策枠などをしっかり取ると、どうしても入れる余地がなくなっていくカードです。僕は3枚入れましたが、あまり入っていない構築もしばしば見受けられます。

 デッキリストを組み始める際には、とりあえず2枚入れておきましょう。

最近出てきたアーテルゴルギーニ入りについて

Wow! Expensive!

 1枚入れておくとループできたりします。ネバーやインパルスの対象をアーテルにすることで自分の場のカードを破壊できます。ただ、入賞リストを見る限りだとアーテルでループしなくても勝てる構築が多そうです。フィニッシュパーツをアーテルで圧縮できるなら採用価値があると考えています。

 上ではアレフティナ型を推奨しましたが、例えばアシッド型にアーテルを絡めることでフォースアゲインを使用しないフィニッシュループが組めます。(有料パート参照)

 先4で置けばマジックからターンをもらえますし、メタ除去の役割もこなせるスーパーカードですが、ブレスラに触ることはできないためメインの動きには関与してくれません。入れ得ではないと考えています。複数の役割をこなすことでデッキの自由枠を増やすことに強みを見出しましょう。

まとめ

 いろいろな構築を見ましたが、僕は自分の構築が一番好きだったので、主張そのものはめっちゃ主観的な記事になってしまいました。絶対にこれが正解!という構築は今の時点ではありませんが、とりあえずサイクリカとマークロの枚数はケチらないでください。
 回し方やカード1枚1枚の採用理由はここでは書きません。note出してる人ほかにもいるんで、自分の思想に近いやつを参考にしてください。

有料パート

 アーテルを使った、フォースアゲインを使わないアシッドループルートを置いておきます。投げ銭と思って見てください。

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