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私にとってのライカ

LEICA

ライカ…

カメラを始めた当初から、ライカの存在にずっと憧れていた。
ブレッソン、木村伊兵衛、ハービー山口など、素晴らしい作品を残してきた方々が選んだカメラ。控えめな佇まいはスナップやドキュメントなどに最適で、他にもポートレートを撮る時にも相手に威圧感を与えないという利点もある。ドイツが産んだ歴史的なカメラ。

X-Proシリーズを使っていたのも、ライカのようなレンジファインダースタイルの利点が自分の求めるものじゃないか?と思い手にしたというのもある。実際、そうしてX-Pro1を手にしてからはぴったりだと思えた。これが初めに買ったのがセンターファインダースタイルだったら今とは違う写真を撮っていたことだろう。

しかし昨今のライカ事情を見ていると何だかなぁと思ってしまう自分もいる。とりあえず「報道や戦場で使われるタフなカメラ」ではなくなっているのは間違いないだろう。デジタルライカは壊れやすいらしいのと、純粋なカメラの性能で言えば国産カメラの方が高いだろうとは思う。そして「お金持ちが最初に買ってみるカメラ」というポジションにもなりつつあるらしい。まぁライカが高額なのは昔からで、それを考えると昔からそうだったのだろうとは思うが、そういった話を聞くと何だかなぁとなってしまう。(だが一方で、若い人が頑張ってライカを買って使っている、特にモノクロ機が多い。という話も聞いたりして、ちょっと希望があったりする)
とりあえずこの辺の話は所詮聞いたり調べたりしただけの話なので、実際の所どうなのかはわからない。佐藤健寿氏のようにライカをフィールドで使われている写真家もいるし、お金がある人がブランド物を買うのは普通だというのもわかっている。

とりあえず私がもしライカを使うなら道具としてガシガシ使っていこうと誓っていた。(持ってもないのに)
報道やドキュメントが好きな私にとっては、そうするのが普通だと思えた。

そんな中、ライカを手に入れた。
しかもフィルムライカであるLEICA M2。
シリアルナンバーからすると1960年に作られた個体で、スレやファインダーの劣化はあったが比較的綺麗な個体だと思う。まさかフィルムライカを買うとは思っていなかったが、今こうして考えると自分には合っているのではないだろうかとも思う。この頃のライカはまさしく戦場などでも活躍するようなカメラだった。広角系のレンズをライカに付け、望遠レンズをニコンのカメラに付けるというのが定番だったらしい。しかもM3やM2の時代は特にライツ社による造りも良い時代だという意見もある。発売から70年近くになるM3が未だに使われているのがその証拠という事だろうか。
私の求めるタフなカメラというのにはデジタルよりもフィルムライカの方が合っていたのだ。

荷物が届き、マップカメラさんの見慣れたダンボールから取り出した時はどきどきした。
このM2は当初は前ユーザーさんによってちょっと派手なグッタペルカが貼られていたので自分で張り替えを行なった。シルバーボディとブラックのグッタペルカのシンプルな装いにする。


これはこれで粋
見慣れた姿に


ボディはトッププレート天面と裏蓋にスレがあるが気になる程ではない。
それ以外は傷などほとんどないと言っていいと思う。クロームボディの方が傷などに強く、海外では新品のような輝きをずっと保つ方が嬉しい人が多い為クロームボディの方が人気で、逆に日本では使い込むほどに変化していくペイントボディが人気らしい。さすが侘び寂びの精神。ちなみに私もブラックペイントが好きで、リペイントをしようかちょっと迷っている。

手に持った感じはずっしりとして心地よい。そして金属感が強く「機械」を持っている感じがする。ライカだけに限らず他のフィルムカメラを持った時にも感じるのだが、この「物」としての存在感はデジタルとは全然違う。
そして巻き上げをした時の中で歯車がカチカチ動く音、スローシャッターを切った後の「スンスン…」という音など、メカ好きにはたまらない。

「ライカ」というネームバリューやロマンを前面には出さないようにしようとは思っているが、憧れや思い入れがあった事から最初はこんな記事を少し書かせてもらった。
よくあるライカ商法みたいなのはどうなのか〜(引っかかってた人間ではあるが)と思うので、あくまでフィルム写真を撮る人間として作品を作り記事を書いていきたい。しかもボディがライカでもフィルムカメラの場合は実際の写真を決めるのはレンズとフィルムだ。そういう意味ではライカレンズを買ってからが本当のライカ写真家なのかもしれない。


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