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SIGMA愛を語る Xマウント編 前編

SIGMAレンズとの出会い

ある時期、レンズにいろいろ悩んでいた私は(基本常に悩んでいる気がするが)プロフィール写真の仕事で使える機材を探していた。
この仕事ではX-Pro3とX-Pro2のカメラ2台、標準画角をメインにサブで中望遠か広角を使うという体制だったので、似たような描写をしてくれるレンズが2本必要だった。
なおかつポートレートで使えるようにF値に余裕があり、AFもちゃんとしていて、多少の天候の変化に対応出来るというのが理想。
初めはXF35mm F1.4を買い直す事を考えたが、個人的には神レンズと思えなかった上に中古で6万ぐらいに値上がりしていたので「それならもうちょっと新しいレンズを買うよ…」となり見送り。F2シリーズにするか?とも思ったが描写が固くて好きじゃなかったので見送り。(50mm F2は好きだった。)XF33mmも使っていたがこれも優等生過ぎる上にデザインもいまいちだった事から使う面白さを感じられず結局手放した。(今思うとちょっと勿体なかった気もする)

となるともうサードパーティーにいくしかないのかとなっていて、そんな折にちょうど「Xマウントはじめました」というSIGMAのアナウンスが出始めた。
カメラ界隈ではこの出来事はなかなか盛り上がってたらしく、従来のSIGMAファンの方からも歓迎された様子。
なるほど、個人的にSIGMAはfpのイメージが強かったけど昔からのカメラ好きにとってはやはりレンズメーカーとしての立場が強いんだなと認識。
今回発売されるレンズもソニーのEマウントなどで既に評価されているレンズなのでサードパーティだからといって特に心配はないだろうという事で、30mm F1.4を購入、そして56mm F1.4を一ヶ月程レンタルで使ってみることにした。


SIGMA 30mm F1.4

まず届いた30mmを手に取ってみてまず「めちゃくちゃ質感がいいじゃないか」と驚く。ネットで「総金属製じゃないのが残念だ」という評価があったが、いやいやこの金属部分とTSC(SIGMAが採用している特殊なポリカーボネート)のまとまりを見たら何も文句はないだろうと思う。デザインも良いし、このTSCを採用する事でより高い精度で各パーツを組み上げられるらしい。良いところばかりじゃないか。

マウント部分とレンズの中間ぐらいの部分以外はほぼTSC。絞り羽もTSCで出来ている。


フードは…個人的にはあまり好みではないので30mmはフードなしで使う事が多かった。X-Proシリーズとはフードなしの方がデザイン上はマッチしていると思う。

フードあり
フードなし


そして56mmも無事に届き、さぁ仕事で使ってみようと2本とも持ち出してみる。X-Pro3に30mm、X-Pro2に56mmを付けると全体的なまとまりはパーフェクトと言って良い気がする。2台持ちでも全く苦にならない重量だし、コンパクトなので威圧感もない。


そうして使ってみると、「あれ、写りもなかなかいいんじゃないか?」となる。最初は30mmを使う機会が多かったので30mmをまずじっくり見てみると、(サードパーティー故仕方がないのかもしれないが)色収差が残っているのが気になったが、他は全く気にならない。解像度はXF35mm F1.4よりも若干劣るか同じかぐらいと感じる。しかしXF35mm F2のような不自然な硬さはなく、艶もあるがキレもあるという感じ。30mmはお安い価格なので実力はどうなんだろうと思っていたが、これは価格設定が狂ってるだけなんじゃないか?となる。

X-Pro3 + SIGMA 30mm F1.4 
X-Pro3 + SIGMA 30mm F1.4 


そして56mmを使い込む事でさらに感動する。
これまた写りがかなり好みだったのだ。
30mmでも感じたような艶や色気をより感じる事が出来、キレもあるが硬すぎる訳でもなく非常に良い描写をしてくれる。他にもカメラ側での補正を上手く利用している為かなりコンパクトだし、AFも無音かつ速い!
以前XF56mm F1.2 Rも持っていたが、これを使っていた時よりもSIGMAの56mmの方が写りの好みやコンパクトさも相まって圧倒的に使っていて楽しく感じる。


X-Pro3 + SIGMA 56mm F1.4 
X-Pro3 + SIGMA 56mm F1.4 

やはりSIGMAのレンズは価格設定が狂っていると確信する。この価格にしてこの作り、サイズ、F値、描写!コストパフォーマンスの高さに驚かされる。という事で56mmのレンタル品は早々に返却し、購入して自分の物としてお迎えし直した。

X-Pro3 + SIGMA56mm


そしてSIGMAレンズの良さに感動した私はSIGMAについてもっと知りたいと思いホームページや公式YouTubeを未漁るようになる。
SIGMAのブランドフィロソフィー、そこから定義された三つのライン。国内一貫生産によるクオリティの高さと手に取りやすい価格の両立。ブランドムービーや中の人が出てくる動画では働いている方々が誇りを持って仕事をされているのが伝わってくる。
めちゃくちゃ良い企業じゃないか。
市場の流れに惑わされることなく、自分たちが作りたいものや現場のアイディアから生まれたものをしっかり製品にしているのも良い。超大手のメーカーになると市場の声や株主の声など気にしないといけない事があり過ぎて色々どうしようもない事があるのだろうが、SIGMAは会社の筋を一本通し続けているのが凄いと思う。未上場なのもそういった面の為に敢えてなのかもしれない。

そんなこんなですっかりSIGMAというブランドの虜になってしまった私は、Apple信者がとりあえずApple製品が欲しくなってしまうのと同じようにSIGMA製品を使いたいと思うようになってしまった。

その結果。

その当時発売されていたSIGMAのXマウント単焦点を揃えてしまいましたとさ。

左から16mm,30mm,56mm


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