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今日の10分日記「田舎ってどこから?」

能登の地震をきっかけに、地方の復興ではなく移住が話題になっています。それと同時に、被災時に孤立する中山間地域からの移住を訴えるような声が多くなっていると感じます。
しかし、中山間地域出身の自分としては、そういった声に違和感を感じてしまいます。

「田舎にいると老ける」
「田舎は金がかかる」
「田舎は交通の便が悪い」
これらは都会から移住したけど逃げ出した人間の言い訳ではないでしょうか?
私からすれば都会こそストレス多すぎて老けるし、何をするにも金がかかるし、車も電車も混みすぎて不便この上ないです。

田舎の一番の強みはコミュニティ、つまり社会資本ですが、これは外から来た人が簡単に入れるようなものではありません。
小学校、保育園、何なら生まれた病院まで同じというのが当たり前の世界
自分の血縁以外の地縁と呼ばれるものの存在を、お隣さんとのコミュニケーションもほとんど取らない都会の人が理解することは難しいでしょう。

都会では紙ペラ一枚で住めますが地方はそうは行きません。言わば創立100年を超える老舗企業に入社するようなものです。
そんな会社に行って、馴染めなかったから「ブラック企業だ」って、そりゃリサーチ不足ってものですよ。
私の家族は県内での移住組でしたが、それでも地域の寄り合いに呼んでもらえるようになるまで3年はかかりました。

そんな最強の社会資本を捨てて移住するなんてなかなかできるものではありません。人との繋がりの価値はそんな軽いものではないのです。
もちろん、夕張市のようなコンパクトシティ化も重要ですし、インフラの見直しも必要です。しかし、土地を放棄するということはそれだけ資源を失うということでもあります。

日本は広い国です。
安易に移住論を唱えるのではなく、どうしたら解決できるか考えてみてはどうでしょうか?

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