スクリーンショット_2020-02-08_21

もし自分が大塚食品のCMOだったら/#16 マーケティングトレース

2020年は #マーケティングトレース を24本書こうと目標を立てており、今回は3/24本目となります。

今回のテーマは何にしようか?と考えた時に、 #マーケティングトレース でもあまり取り上げられなさそうなジャンルの食品を扱っている「大塚食品」にしました(そんなこともないか)

今回テーマにしたいのがゼロミートハンバーグです。

これをテーマにした背景は、ビヨンドミートが盛り上がってきそうな予感がするのと、自分が情報収集しているからかヴィーガン対応のお店や商品がチラホラ出てきていることが理由です。

例えばこちら。

浅草なので、訪日客を狙ってのことだと思いますがチラホラできています。今年はオリンピックイヤーなので、ヴィーガンの訪日客を視野に入れてなのではないかと思っています。

日本ではありませんが、大手ファーストフード企業も出し始めています。

ヴィーガンといっても、色々な考えの方がいらっしゃるので、モスバーガーのソイパテも原材料に動物性が使われていることがあるとNGな方もいるため厳密に対応しているとは言い難いです。

KFCも他企業も対応し始めていますし、個人店の出店もチラホラ見かけたりするので、海外始め今後国内でも対応が進んでくることも想定されるので、ヴィーガン対応(厳密にはフェイクミート対応が正しいかもしれません)は注目です。

昨年末は中国でも豚コレラ危機の救世主として期待!といった記事で話題になりましたね。

「人造肉」という表現だとなんだか近寄り難いですが笑

世界市場規模も拡大する予想です。

画像1

世界で見た時の市場規模拡大の背景は欧米を中心にヴィーガン人口増加が急速に進んでいることが背景にある様です。

アメリカではここ数年でヴィーガン人口が6倍増加(推定人口2000万人)で、その半数が35歳未満。

日本では540万人(ベジタリアン含む)ほどいる様です。

そもそもヴィーガンて?

少しだけ解説すると、ベジタリアン(菜食主義者)とはことなり、肉や魚を食べないことに加えて卵・乳製品・はちみつも口にしません。

食だけでなく、身の回りからも動物由来のものを避ける方もいらっしゃいます。

ヴィーガンにも色んな思想の方がおり、その思想で細かく定義されている呼び方?が異なっておりますので、以下リンクを見てみてください。

前置きが長くなりましたが、大塚食品もヴィーガン対応としてフェイクミート(偽装肉)を使ったゼロミートハンバーグを出しているので(お店で見たことがないため食べたことないです)CMOとして出せる打ち手について考察していきます。

会社概要:大塚食品を知る

会社名 :大塚食品株式会社
所在地 :大阪市中央区大手通3-2-27
会社設立:1955年5月19日
事業内容:食品・飲料の製造、販売、および輸入販売
資本金 :10億
従業員 :461名

大塚食品といえば。。。

スクリーンショット 2020-02-02 10.31.45

完全個人的な「大塚食品といえば!」のイメージ想起した商品たちです。
懐かしいですね、今となってはどれも口にしていませんが。。。笑
(久しぶりにみたい方はどうぞ↓)

業績推移

スクリーンショット 2020-02-05 6.33.56

業績推移をみてみましたが、あまりよくないですね。直近の2019年に至っては経常利益率が1%を下回っています。

スクリーンショット 2020-02-05 6.34.03

経常利益率のグラフと相反する形で推移しています。販管費比率の増加が収益を圧迫しています。

販管費の何が影響しているのかまで調べれませんでしたので、業績について言及するのはここで留めておきます。

PEST:外部環境を整理する

スクリーンショット 2020-02-05 6.34.13

今年はオリンピックの影響で、ヴィーガン人口が多い訪日外国人の増加による「ベジインフラ」整備の課題が浮上していると言われてきていることもあり、対応する企業が徐々に出始めてきています。


4P分析:マーケティングミックスを整理する

スクリーンショット 2020-02-05 6.44.30

販売している商品は2種類でそれぞれ価格設定されています。
販売場所はコンビニ、スーパーがメインでTwitterで告知している以外にpromotionはしていない模様。

Twitterでは他の商品と一緒にfollow&RTキャンペーンを行ってました。

公式Twitter運用開始半年くらいで2.6万人フォロワーなので、このキャンペーンの効果は大きかったと推察。

しかし、まだまだ日本ではヴィーガン人口が少ないからか、大きくCMなどを打っても消費行動に繋がりにくいと判断している可能性がありますね。

To Bでは広がりにくいと思ったのか、To B向けの業務用を販売することにしたそうです。

STP分析:ターゲット、ポジショニング整理

それでは次にターゲットとポジショニングについて整理します。

ターゲットは、食の拘りと健康意識が高いユーザーに絞られてくる。
これ以上絞っても絞りすぎてマーケットサイズが小さくなってしまう。
(色の濃いユーザーをメインに捉えつつ、薄くなっているユーザー層も取り込んでいきたいイメージ)

スクリーンショット 2020-02-06 7.20.21

スクリーンショット 2020-02-06 7.47.04

マッピングすると、このように整理できます。
近所のスーパーなどでも代替肉は売っていますが、調理前提なので調理が必要かどうかで変わってきます。

ゼロミートハンバーグはボイルするだけなのでとても楽チン。これらと比べられるのは米国で話題のBeyond Meatでしょう。Beyond Meatのバーガーは焼くだけなので調理の手間は同じくらい。違う点はヴィーガンを意識して作られているかどうか。

スクリーンショット 2020-02-06 7.52.23

原材料で比較すると違いがわかります。
(Beyondが英語のままなので、わからないですよね、すいません笑)

ゼロミートは粉末とは言え卵白を使用しています。また、ヴィーガンの方はおそらく原材料や調味料まで見て商品を選別しています。(Instagramでウォッチしているとオーガニック系を好んでいる様に思えます)

最初はゼロミートハンバーグはヴィーガンを狙っているのかな?と思っていたのですが、商品や原材料を見ているとターゲットユーザーをもう少し広く捉えていそうです。

スクリーンショット 2020-02-06 7.23.42

HPに掲載されている情報ですが、通常のハンバーグとカロリーや脂質量にフォーカスした対比情報を掲載していることから、健康・ダイエット志向のユーザーをターゲットとしていることが推察されます。

では、一旦ここまでをまとめます。

・米国で話題(ビルゲイツも出資)Beyond meatが話題
・世界のヴィーガン人口が増加している
・大手ファーストフードも代替肉を採用し始めている
・代替肉を使用したフードやお店が出始めている
・大塚食品も乗じて?ゼロミートハンバーグを発売
・大塚食品の業績は低迷してきている
・健康志向の高いユーザーに対するポジショニング

でしょうか。

要するに

スクリーンショット 2020-02-08 11.25.14

と言えそうです。

実際に大塚がゼロミートハンバーグを出した背景としては

「海外における消費者の状況をみると、肉代替商品を食べているのは、ベジタリアンだけでなく、健康面を理由にしている人も多い。また、日本における糖質制限者の方の中には、肉類は好きだが食べるのを控えているという方が3割程度いる。『ゼロミート』の特長は、食肉のようなおいしさでありながら、大豆由来の植物性たん白質であること。味わいは、一般的なお肉のハンバーグのおいしさを比較対象に、香りや味づくりの開発を進めてきた。お肉を食べたいが我慢している人をターゲットに展開していく」と商品特長を説明した。

と述べていることから、ヴィーガン/ベジタリアンダイエットをしている健康意識の高いユーザーをターゲットにしていることがわかります。

これまでも存在していた代替肉、大豆ミートがオリンピックで訪日外国人が増える予想が容易に出来る今年、ヴィーガン対応のインフラ整備が必要とメディアで取り上げられ始めていることもあり、タイミングとしては非常に良いですね。

もし自分が大塚食品のCMOだったら?

自分がもし大塚食品のCMOであれば、業績回復を狙うためにゼロミートハンバーグ/ソーセージを使ってどの様に業績を回復させるか、について考察していきます。

売上は

売上=販売個数*販売単価*リピート率

で構成されていますが、まずは販売個数を増やすことが先決です。

では、4Pのマーケティングミックスのうちどれをいじるか?ですが
PlacementとPromotionの工夫を行います。

Place

スクリーンショット 2020-02-08 11.46.13

毎年主要都市で開催されているヴィーガンフェスティバルへの出店によりベジタリアン・ヴィーガンユーザーへのアプローチを行います。
(卵を食べないユーザーはターゲットとなりませんが。。。)

コアターゲットに関しては、各地で行われているイベントに積極的に出店していき、ダイエット、健康意識が高いユーザーへのアプローチは普段消費者が接点を持っている食とのコラボレーションを行います。

・マクドナルドを始めとするファーストフード店
・大戸屋などの定食屋
・セブンイレブンなどのコンビニ

で「ダイエットメニュー」を共同開発する。

スクリーンショット 2020-02-08 11.54.16

Placement&Product開発にもなりますね。

Promotion
は、SNSで話題性を取り上げてもらうために

ダイエット企画のフォロー&RTキャンペーン

を行う。

昨年10月に実施したフォロー&RTキャンペーンでは1万以上のRTが発生していたので、お金をかけずにプロモーション実施することが可能。

企画内容は

スクリーンショット 2020-02-08 12.02.13

とし、3ヶ月間ダイエットのために3食ゼロミートバーグ生活を行ってもらう。目標体重を達成したら賞金10万円上げるといった企画にして話題性を持たせる。

必要なコストはハンバーグ270食分+10万円。
原価率を30%とした場合100円*270個*10万円なので、12.7万円のコスト。
原価率がもう少し高くてもそんなに大した金額ではないですね。

これで結果発表も行えばダイエッターにも刺さる商品になるのではないでしょうか?

まとめ

もし自分が大塚食品のCMOなら

・ヴィーガンフェスティバルなどターゲットが来るイベントへ積極出店
・他フード企業とのコラボ商品発売
・SNSのフォロー&RTキャンペーンを行い話題性を作る

を行い、販売個数増加を狙います。

---

今回は以上です!


Twitterもよろしくお願いします! https://twitter.com/jyunia0110