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娯楽映画研究所ダイアリー 2022年9月19日(月)〜9月25日(日)

9月19日(月)『刑事物語 部長刑事を追え!』(1961年・日活・小杉勇)

久々のスタジオワーク。来年リリースの音楽ソフトの編集。あっという間に20時過ぎに。帰宅後『刑事物語 部長刑事を追え!』ディズニー+「ジェシカ・ジョーンズ」s1 ep1を再見。「デアデビル」からの流れで順番に。そのうち新作が始まるでしょう。

昨夜はシリーズ最終作『刑事物語 部長刑事を追え!』(1961年)をスクリーン投影。佐藤保郎部長刑事(青山恭二)が辞表を出し、芸能プロモーターの右腕に。しかし、保郎は闇ドル金融商殺害で指名手配に。父の老刑事・源造(益田喜頓)は息子を疑い苦悩する。クライマックスは丸の内日活でロケ!

日活「刑事物語」シリーズ。割と下町、浅草、向島界隈を舞台にしたエピソードが多いけど、劇中の地名やロケが曖昧。東映「警視庁物語」シリーズのロケ地設計の緻密さを改めて。長谷川公之原作第5作「前科なき拳銃」だけが手元にないので、検証したくなるのが人情^_^

9月20日(火)『刑事物語 知り過ぎた奴は殺す』(1960年・日活・小杉勇)・『刑事物語 銃声に浮かぶ顔』(1960年・日活・小杉勇)

宮沢章夫さんの訃報。NHK「すっぴん クレイジーキャッツ特集」で二度もお世話になり、メールでもやり取りをさせて頂いてました。僕より6歳上ですが、同世代の目線で語り合える方でした。本当にショックです。心より、ご冥福をお祈りします。

2019年 宮沢章夫さんと

浅草の歯科医→両国での二時間半の打合せ→銀座で小学校の友人たちとの会食。充実の日々ではありますが。明日はYouTube収録、そして夜はコンサート。忙しいけど健康であることに感謝。

浅草の歯科医から、打合せで両国へ。徒歩だと程よい距離なのだが、雨の移動はなかなか大変。都営浅草線で浅草橋で降りても、さらに歩かないと、なので。ちゃっちゃと歩いて柳橋へ。風情があるが雨風も吹いている。江戸雨情…

台東区・柳橋

東京ロケが味わえる第7作「刑事物語 知り過ぎた奴は殺す」(1960年・日活・小杉勇)。表参道交差点の銀行で大金を下ろした野口(長尾敏三郎)のクルマに乗り込んだ強盗・須田(上野山功一)は、神宮ガード下で野口を殺害。いまの富士銀行前で、靴磨きをしている田中(土方弘)が須田を目撃。
新橋駅前の場外車券売場で、須田と再会した田中は、事件を見ていたと強請る。上野山功一さんのワルぶりもなかなか。

一味のボス的存在の森塚敏さんは、リチャード・ウィドマークが演じてきたような、イっちゃったワルの狂気を好演。森塚敏さんのサイコな悪役がイイ。香月美奈子さんが、上野山功一さんの愛人で襲撃の手引きをしたファムファタール。まあ、美しいのなんの!

本当に香月美奈子さんが美しく、二子玉川園のジェットコースターでの殺人など、ヴィジュアルやシチュエーションもシリーズ屈指。メリハリがあって面白い。

ロケーションも充実。表参道→世田谷→ 倉澤鍾乳洞→奥多摩湖→新橋駅前→木場→二子玉川園など「いつ・どこで・誰が・何を」も明確。クライマックスは首謀者・森塚敏さんと、捜査チームの水上チェイス! 越前堀から隅田川、東京湾、そしてなぜか荒川!これがなかなか、手に汗握るボートアクション!

9月21日(水)東京芸術劇場「渡辺俊幸ガラ・コンサート」

東京芸術劇場「渡辺俊幸シンフォニック・ガラ・コンサート ~音楽家活動50周年の祝典~」に行ってきました。渡辺俊幸さんと50年来の付き合いがある、さだまさしさんがプロデュース。バラエティに富んだ楽しいプログラムでした。

さださんのグレープ時代、渡辺俊幸さんは「赤い鳥」のドラマー。グレープ解散コンサートのサポートメンバーとして一緒にツアーを共にした音楽仲間。その時代の話から、渡辺俊幸さんがバークレイに留学、音楽家となっていったエピソードなどを交えての二人のトークは楽しく、例によってさださんの世界に(笑)

演奏楽曲の豊かさは、渡辺さんの音楽人生そのもの。大河ドラマから朝の連ドラ、そしてお父様・渡辺宙明先生へのリスペクトを込めて、新たな編曲で「マジンガーZ」〜「秘密戦隊ゴレンジャー」〜「宇宙刑事ギャバン」をフルオーケストラで!

今日のために編曲したホルストの「惑星」〜平原綾香さんの”Jupiter”は圧巻。あのブレスからの歌い出しに、観客の皆さんが息を呑んでいました。
第二部は、さだまさしさんが「主人公」、極め付き「風に立つライオン」をフルオーケストラ演奏で歌い、気持ちの良い空間に!

そして渡辺俊幸さんのアニメ「宇宙兄弟」「新幹線変形 シンカリオン」メドレーで盛り上がり、さらには「ローマ帝国」組曲へ。

アンコールは、さだまさしさんと平原綾香さんのハミングによる「北の国から」で盛り上がってのフィナーレでありました。

<演奏曲>
NHK大河ドラマ「利家とまつ」 ~まつのテーマ
NHK大河ドラマ「利家とまつ」 ~颯流(メインテーマ)
NHK連続テレビ小説「おひさま」 ~メドレー
おひさま~大切なあなたへ(平原綾香)
Jupiter(平原綾香)
マジンガーZ INFINITY version
秘密戦隊ゴレンジャー
宇宙刑事ギャバン
NHKドラマ「大地の子」 ~メインテーマ
主人公(さだまさし)
風に立つライオン(さだまさし)
テレビアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」 ~メドレー
テレビアニメ「宇宙兄弟」 ~メドレー
NHKスペシャル「ローマ帝国」 ~組曲「ローマ帝国」
北の国から

9月22日(木)「ジェシカ・ジョーンズ」

今日は終日、25日(日)阿佐ヶ谷ネオ書房「娯楽映画の昭和VOL.9 東京物語」(完売御礼)の素材作成。戦前の東京風景から1966年のエレキ旋風、怪獣ブームまで、さまざまな事象を時層探検します。2時間強のイベント準備に3〜4日、手間暇かかりますが色んな発見があり、これもまたかけがえのない時間です。

9月23日(金) 追悼・澤田幸弘監督

今朝、澤田幸弘監督の訃報を知りました。
6月5日(日)ラピュタ阿佐ヶ谷で「斬り込み」トークでご一緒したばかりです。本当にお世話になりました。

この十数年間、日活の取材、映画秘宝のインタビュー、川崎市民ミュージアムでの佐藤蛾次郎さんと澤田幸弘監督とのトーク、裕次郎本の取材、朝日新聞出版「石原裕次郎シアター」のインタビューで何度もお世話になってきました。

この4月に、久しぶりに電話をして、ラピュタ阿佐ヶ谷「はじめの一歩」特集でのトークをご快諾いただいて、6月5日に「斬り込み」トークにご登壇頂きました。

この日、サプライズで「斬り込み」のチーフ助監督だった蔵原惟二監督もいらしてくださり、控え室で懇談しました。

澤田監督から伺った話の数々が、次々と甦ります。石原裕次郎さんのこと、渡哲也さんのこと、日活撮影所の助監督時代のこと。「太陽にほえろ!」タイトルバック演出の秘話など…

つらいです。悲しいです。

澤田幸弘監督、本当にお世話になりました。ありがとうございます。心よりご冥福をお祈りします。

ラピュタ阿佐ヶ谷「斬り込み」トーク

9月24日(土)『刑事物語 殺人者を挙げろ』(1960年・日活・小杉勇)・『刑事物語 灰色の暴走』(1960年・日活・小杉勇)

いつものように、ピーター・バラカンさんの「ウィークエンドサンシャイン」から時代を作った名曲が流れる土曜日です。

今週は宮沢章夫さん、澤田幸弘監督、そして「石原裕次郎ファン」の大先輩・村瀬敏さんの訃報が相次ぎました。悲しいです。つらいです。

それぞれの方と交わした言葉のひとつひとつが、鮮やかに甦ってきます。僕にできることは、そのことば、想い、遺してくれたものを、皆さんに伝えていくことしかありませんが、その功績、仕事が、次の世代に繋がっていけば、なによりのことだと思います。

星由里子さんに、最後にお目にかかったとき、星さんから別れ際に仰った「あたしたちの時代のこと、いつまでも皆さんに伝えてくださいね」のことばが去来します。

9月25日(日) 阿佐ヶ谷ネオ書房「娯楽映画の昭和VOL.9 東京物語」

本日、阿佐ヶ谷ネオ書房「娯楽映画の昭和VOL.9 東京物語」準備万端です。「1935 TOKYO」「昭和20年代東京風景 パノラマカーでご一緒に」「1966年のエレキブーム」「刑事物語の東京」など盛りだくさん!ご参加の皆様、お楽しみに!

次回は10月23日(日)開催です!


よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。