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よく聞かれる質問に答える

会う人会う人に学生時代にバックパッカーをしていたと言うと、必ず「今まで訪れた国の中で一番良かった国はどこですか?」と聞かれる。いい国というのも定義は様々で一概には言えないと思いつつ、何かしらの国名を答えるようにはしている。

余談だが、私は学生時代から「〇〇まじでめっちゃいい奴」とやたら言う人のことをあまり好きになれなかった。「いい奴」という表現はあまりにも主観的であり、傲慢であり、具体性に欠けており、当事者にとって都合の「いい奴」でしかないのではないかと、捻くれた事ばかり考えていた。故に26歳になった今でも、極力「いい奴」という表現は使わないように気をつけている。

そのせいか、私はいい国を答えるのに少し難儀することがある。いい国と言えども、その国を訪れた時の天気や情勢、また訪れたタイミングが平日か休日かなど、様々な要素に左右されて、最終的にその国がいい国であったかどうかが決まるような気がする。

特に、一番の決め手はその国で出会った人々である。なんでもない国でも、面白い人たちに出会うことができたら滞在が一日、また一日と伸びていくことは多々ある。つまり、いい国と言うのはあまりにも主観的で、タイミングに左右されるただの感想でしかない。

と言うわけで前置きが長くなったが、質問回答集として私の思う客観的にいい国を記しておこうと思う。転職等で時間ができた際に、機会があれば訪れてみて欲しい。

イラン

何かもが日本とは違う。しかし、それでいい。イランは言わずもがな、イスラム教の国である。イスラム教の国であればマレーシアやインドネシアも該当するが故、大した差もないように思うかもしれない。しかし、イランは少しユニークで、そもそもの土台はペルシア文明であり、イスラム教の中でもシーア派を信仰する数少ない国である。文明の土台がしっかりしているため、何となく文化的で落ち着いた人々が多かった印象を受ける。

イランは地域大国である。一方でアメリカとの対立のせいで各種制裁が課せられており、基本的に外資の飲食チェーンなどは国内に一つも見当たらない。外から見る限りではありとあらゆる産業が国内で賄われており、慣れ親しんだマクドナルドやスターバックスといった飲食店が一切見られないのは新鮮そのものである。

イランの街中。
会う人会う人が「welcode to Iran」と言ってくれる。

もちろん、観光客もあまり多くはない。そして何となく危険な中東の国といったイメージがある。しかしそれは勘違いで、実際は夜中に一人で出歩けるほど治安は良く、街中も非常に清潔に保たれている。また、意外と英語を話せる人が多く、更にはある一定の年代以上になると日本語を少し理解できる人もかなり多い。日本とイランはかつて相互ビザ免除をしていたそうで、多くのイラン人が日本に働きに来ていたようである。私もイランの街中で、かつて日本で働いていたと言う方にお会いしたことがある。

とにかく、イランは見所が多く物価も安い割には安全で、更に街歩きをしているだけで何もかもが日本と異なるから、いるだけで楽しい国、いい国であったように思う。訪問するハードルは少し高いが、機会があればぜひ挑戦してほしい。

台湾

近さ故に多くの人が訪れたことのある国かと思うが、台湾は特別である。日本人が過ぎ去りし時代を懐かしむように、台湾人が懐かしむ時代ももちろんある。私は台湾人ではないから迂闊なことは言えないが、歴史的な経緯もあり、日本人と台湾人はある種の同じ懐かしさを共有している。台湾人が台湾人の感性で保存をしてきた懐かしさは、そのまま日本人に通じるところもある。

こんな体験をできる国は、もちろん台湾だけである。海の向こうに位置しており、話される言葉も違うのに、そこに残されている懐かしさの空気は間違いなく日本国内に通じるものがある。日本人の感性に直接訴えかけてくるものがある。この感覚は、どんな絶景よりも強烈である。ぜひとも歴史について学んでから、台湾を訪れて欲しい。当時の懐かしい空気を保存し、次世代へと受け継いでいる台湾の方々には感謝でしかない。

台湾の嘉義にある日本統治時代の神社を
リノベーションした施設。

本当は3カ国くらい書きたかったが、考えているうちに面倒になってきたのでこの辺で。

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