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Vol.06勉強におけるガス欠アウトプットとノウハウコレクターを克服しよう

僕は個別指導(特に高学年の場合は)を行うとき、必ず授業を担当することになった生徒さんの現状分析を行います。
それによって指導の手順や方針が全く異なってくるからです。
勉強はそれぞれの生徒さんが何に(どこに)つまずいているのかによって対処法が全く異なってきます。
現状の自分がどこにいるのかを把握しておくことが非常に重要です。


現状がどこにいるのかを把握するツールとして、僕は横軸に知識量を、縦軸に思考力を置いた、下の図を用いて、担当の生徒さんが以下のどのカテゴリにいるのかを把握します。
①知識も思考力も足りている
②知識は足りているが思考力が足りていいない(ノウハウコレクター)
③思考力は足りているが知識は足りていない(ガス欠アウトプット)
④知識も思考力も足りていない
このうち①と④の場合は対策が簡単です。
①のように一定の知識も思考力も備わっている場合、実力相当の問題を解いてもらえば段階的に成績は上がりますし、反対に④のように知識も思考力も足りていない場合は、そもそも行動していない(何をしたら良いのか分からない)場合が多いので、そもそも基礎知識を教えることと、基本の演習で対応することができるからです。
難しいのは②と③の場合です。
(どの症状に陥っているかを見抜くのは簡単なのですが、いざ改善していくのに時間がかかるのです)
知識は足りているが思考力が足りていいないという②の人を、僕はノウハウコレクターと呼んでいます。
普段の授業はまじめに取り組み、ノートまとめも丁寧に行っている。普段の勉強ではしっかりと正解もできるのに、いざ定期テストや模擬試験になるとイマイチ結果が良くはない。
こんな風に思っている人には、ノウハウコレクターが多いように思います。
ここに該当する人は、決して知識が足りていないわけではありません。
むしろ、知識そのものは平均的な受験生より多いくらい。
それなのになぜか点数に繋がらないということはあったら、ノウハウコレクターになっている可能性大です。
ここに該当する人の解決すべき課題は主に①深く・長く考える習慣をつけることや②出題者の意図を把握することです。
この辺を意識することで、ノウハウコレクターを卒業できます。
一方で、③の思考力は足りているが知識は足りていない状態のことを、僕はガス欠アウトプットと呼んでいます。
演習スピードが速い生徒さん(肌感覚では特に男の子?)に多い気がします。
よく言えば要領が良い、悪く言えば雑ということになるでしょう(笑)
ガス欠アウトプットになりがちな人は本来覚えなければならない知識が定着していないので、応用問題などで思考をしたときに毎回ワンパターンの思考しかできず途中で手が止まる、あるいは誤った結論にたどり着いてしまいがち。
また、同じ問題を繰り返すといった地味な勉強が若干苦手です。
ガス欠アウトプットの人たちは本来覚えなければならない知識を根気良く定着させようと繰り返しの勉強ができたり、常に細部に対する意識を受けておいたりすることでここを脱することができます。
自主学習は裁量権が多いために、知らず知らずの間に「自分の勉強のクセ」みたいなものが強化されやすくなってきます。
「自分が②や③に該当しているかも...」と思った人がいましたら、そちらに流されないように意識してみるとよいかもしれません。

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