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目標のXP達成した後、次の目標はハードルを下げるのが大事

目標を達成したら、次の目標はハードルを下げる。それが大事だなぁって最近思う。

Xマッチをプレイするスプラプレイヤーのほとんどは、より高いXPを目指していると思う。
XP○○を達成したら、次はそのXP+100を目指す。といった具合。

それを全否定するつもりはないのだが、さらなる高みを目指す前に『当たり前の事を忘れていないか?』自分を見つめ直すことの方が大事。

なぜなら、人はよく目的と手段を履き違えてしまうからだ。

「ゲームを楽しむ」のが目的なはずなのに、「XP○○」という目標を掲げて、勝ち負けに固執するうちに、ゲームを楽しむ余裕をなくしてしまう。

目標達成のあと、次の目標のハードルを高くするのは、"楽しむ"という「本来の目的を忘れた状態で、設定した目標」の可能性が高い。

一方、目標達成のあとに次の目標のハードルを低くするのは、「新たな楽しみを発見する」可能性が高い。

あなたも初心者だった頃は、XP○○なんて考えもしないにも関わらず、心の底からスプラトゥーンを楽しんでいたはず。

わざわざ自ら高いハードルを課して、楽しみにくい環境にしていないだろうか?

『Xマッチは楽しくない。辛いけど、XP○○という目標を達成した瞬間に、努力が報われ、
今まで経験した苦労・苦悩がチャラになり、人生が豊かになって"楽しむ"という目的を果たせる!』・・なんて事は無い。

なぜなら、そもそも高いハードルを越えることは目的ではないからだ。

僕も経験があるのだが、勝つことばかり考えてゲームすら楽しめない人間は、人生を楽しむのにめっちゃ苦労する。
なぜなら、正しい努力が出来ていない(=目的と手段が入れ替わっている)から。

努力する人は、楽しむ人に勝てない

孔子の格言に「天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない」という言葉がある。

 「苦しい、嫌だ」と思いながらやるより、楽しんでやる方が成果が出る。その方が吸収が良く、上達スピードが速いからだ。

イチローもこう言っている

「努力を努力だと思っている時点で、好きでやってるやつには勝てないよ」

現役時代のイチローはストイックに練習やトレーニングをしていたが、プロ引退後も変わらずトレーニングを継続し、なんと引退直後よりも球速がアップした。

言葉のとおり、イチローにとって野球の練習は「努力」ではなく「好き」でやっている部分も大きかったのだろう。

自分を痛めつけることと、努力することは違う

努力というと、「将来の成功や活躍のために、苦労をいとわず、つらい経験をじっと耐え忍ぶこと」

石の上にも三年のような印象を持っている人も多いと思う。

確かに、人生ではそのような我慢が必要な時期もあるが、ゲームにおいて「我慢を伴う努力」は全く必要ない。

なぜなら、ゲームは楽しいものだからだ。
努力をした時点で、楽しんでいるプレイヤーには勝てないと言っても過言ではない。

ギネスにも認定された世界一の記録を持っているプロゲーマー・ウメハラはこう言っている。

練習していない時間があると不安になったり、練習していない自分を責めてしまったりするものだけど、不安を埋めるために長時間練習を続けていても、苦しいだけで結局何も身に付かない(中略)

自分を痛めつけることと努力することは違うということですね。

結果だけを追いかけていると、壁にぶつかるたびにどんどんモチベーションは低下してしまうんです。

勝ち続けるためには、「自分自身が楽しむ工夫をすること」が一番大事だと思っています。

僕も20年前に格闘ゲームをやっていて、闘劇という全国大会に出たことがあるが、
どれだけ努力しても、現在プロゲーマーとして活躍しているプレイヤー達には勝てなかった。

正直、「努力の量」ならけっこう自信があったのだが、実力差は明白だった。

努力では埋められない実力差を生んだ決定的な違いは、「ゲームを楽しんでいるかどうか」だった。
僕は結果だけを追い求めて、そのゲームを楽しんでいなかったのだ。

目標のハードルを下げるべき理由

スプラではエンジョイ勢とガチ勢で分けられがちだが、

・目標のハードルが低い=エンジョイ勢
・目標のハードルが高い=ガチ勢
という傾向があるかもしれない。

スプラトゥーンは勝つことを目指すゲームなのだが、勝つことは手段であり、楽しむ事が目的。

目標のハードルを高くすることが、目的と手段が入れ替わってしまう原因のように思う。

高いハードルを越えるために、試合結果を優先する。そうなると・・
普段の取り組みが「楽しみではなく、目標を達成するための我慢」になってしまう。

過去の僕と同じように、多くのプレイヤーが楽しむことを忘れて、自分が勝手に高いハードルを目標に設定し、越えようともがいているように感じる。

その状態を脱却する方法が「目標のハードルを下げる」こと。

20年前に格ゲーで「努力の量には自信があった」と書いたか、そもそも当時の僕がやっていたのは、我慢であり努力ですらなかった気がする。

ゲームの目的が「楽しむ」ことならば、「楽しむための工夫(努力)」をしなければならない。
エンジョイ勢こそが"真のガチ勢"だ。

努力が必要のない目標も設定する

とは言うものの、『急にハードルを下げてもつまならい』
『エンジョイもしつつ、Xマッチでより高みも目指したい』と思うプレイヤーが多いだろう。

目標を設定する際は、2つのハードルを設定するのが大事
・努力が必要な高いハードル
・努力が不要な低いハードル

高いハードルの目標を越えられれば、低いハードルも自動的に越えられる。なんて事はない。

野球のスローカーブのようなもので、160kmの速い球を打ち返そうとすると、80kmの遅い球が打ちづらくなってしまう。

努力が必要な目標とは別に、「楽しみながら越えられる目標」を設定するのがおすすめ。
なぜなら、高みを目指すうちに「ゲームを楽しむ」という当たり前の事を忘れてしまうからだ。

「努力する者は、楽しむ者に勝てない」
つまり、努力で得た成果は、楽しんで得た成果よりもはるかに小さい物だということ。

低いハードルの目標、いわば当たり前の事をきちんとやるのは、高みを目指す上でとっても大事。
楽しむための目標を設定すると、努力が必要な目標に到達した時の達成感が倍増する。

「当たり前のことをやる」のを目標にする

じゃあ、楽しむ為に設定する低いハードルは、どこまでハードルを下げるか?

とにかく低ければ低いほど良い。
僕はいま、「当たり前の事」をやるのを目標にしている。

あたり前のこと。それは、誰にでもできるかん単なことだと思います。(中略)

しかし、安易な気持ちで、これらの行いをなまけてしまうことで、事件や事故、トラブルが起こり、人を不快な気持ちにさせてしまいます。(中略)

あたり前のことは、実は、かん単そうで意外と難しいことなのかも知れません。

これは、小学4年生が書いた作文だが、本当に素晴らしい作品なので読んでほしい。

ゲームを楽しむなんて、初心者すらできる「当たり前」のこと。

最高XPの更新という高い目標に対応しようとすると、初心者すら出来るそんな「当たり前の事」がおろそかになってしまう。

年齢や経験を重ねて、高いハードルを越えられるようになるのと引き替えに、「自分がされて嫌なことは、家族にでもしない」「ありがとうやごめんなさいを言葉で伝える」といった低いハードルを越えられなくなってしまっている大人も多い。

XP○○という高いハードルを越えたにも関わらず、他人が「弱い」という理由で人権侵害する人だっている。

当たり前は、簡単そうで実は難しい。
だから、おろそかにしてはいけないと最近意識している。

資格をイカすなら、合格よりも大事なことがある

目標を達成後、次の目標のハードルを下げるのは、ゲーム以外でも大事である。

たとえば、資格の勉強。
合格と引き換えにその分野が嫌いになるのは、本末転倒。

「資格をイカした仕事に就きたい」のが目的なら、高難度の資格合格より「その分野が好き」の方が大事。

僕は様々な資格を取ったが、その中で簿記だけは勉強自体が楽しいし、明らかに自分に向いている手応えがあった。

そして2級を合格後、「簿記という資格を活かした仕事に就きたい」と思うようになった。

就職をより有利にするために、難関資格である簿記1級の勉強をスタート。
800時間くらい勉強したのは人生初だった。

そもそもの動機である「自分の好きな分野で、仕事がしたい」目的がかなり明確だったので、合格の事はあまり意識していなかった

合格することより、「自分がこれからも簿記を好きで居続けること」の方が僕にとって遥かに大事。
試験は何度でも受けられるのだから、簿記を好きで居続ける限り合格出来ると確信していた。

だから、努力や根性で無理矢理合格するのは僕にとって意味がないから、絶対に避けようと思っていた。

資格試験において「合格は手段であり目的ではない」という考えに至ったのは、もしかするとゲームで間違った努力をした経験(反省)が生きたのかもしれない。

世界一のプロゲーマーは、日々の小さな積み重ねを大事にする

世界一のプロゲーマー・ウメハラさんは「成長のループ」を継続することが強くなる秘訣と言っている。その秘訣を、著書でこう綴っている。

そもそも高いハードルを越えることは目的ではない。目的は成長のループを安定して継続することにある。低いハードルはそのための手段だ。(中略)

「慣れてきても、おいそれとハードルは上げないぞ」くらいの気持ちが大切 (中略)

低いハードルではいつまで経っても大きな成果は得られないと感じるかもしれない。しかし、誰の目にも見えるような大きな成果というのは、小さな成果の積み重ねの先にあるものだ。
いきなり大きな成果を目指すと、むしろ目の前のやるべきことがおろそかになってしまう危険がある。

「1日ひとつだけ、強くなる。 世界一プロ・ゲーマーの勝ち続ける64の流儀」梅原 大吾

小さな成果は自分にしか分からないから、誰よりも自分がその小さな成果を高く評価するのが大事。
その小さな成長のループが、「世界大会で優勝」「ギネス記録樹立」といった大きな成果を得る秘訣なのだという印象を受けた。

『確かな一歩の積み重ねでしか、遠くへは行けない。』というイチローの言葉にも通ずるモノがあると思う。

低いハードルの目標を設定すれば、目的を見失う事はない

大事なのは変わってくこと、変わらずにいること

槇原敬之 遠く遠く (YouTube)

話をスプラトゥーンに戻すと、
ゲームを上達するうえで大事なのは、操作が上手くなる事、変わらずに楽しむこと。

念願の「XP○○」という目標を達成したら、もう一度「ゲームを楽しむ」という本来の目的を見つめ直すのが大事。

それが出来たら、『ゲームで遊ぶのが上手くなった』と言える。
しかし、それは簡単なようで実は難しい。

高みを目指す人ほど、やはり足元がおろそかになってしまうものだ。
だから「楽しむ」という低いハードルを、無くさないように頑張ろう。

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