「街の上で」をみて

4/10に「街の上で」を観たのでその感想です。同じく今泉監督の「愛がなんだ」が結構よかったので、マンディンゴを観た武蔵野館でチラシがあるのをみかけて即行くことに決めました。映画好きな人はこうやって情報を連鎖させるんだね。場所は横浜ジャックアンドベティを選びました。ソープヘルスちょんの間などの風俗街からドヤ街、中華街、コリアンタウンの中心に位置する最高に渋い映画館です。

下北沢の古着屋の店員(20代後半)が4人のヒロインと下北という街で関わりあっていく映画です。映画の中で出てくる景色にリアリティーを感じるあたり、俺も東京で暮らす人間になりました。THREEのライブシーンとか「おぉ!」って前のめりになったりして。その街で展開される物語には大きな変化もなにもないんだけど、その日常の中に住んでいる登場人物全員がうらやましいです。

その日常、コロナ禍の前に撮影していたこともあり、やはり今とは違う景色が映し出されます。なんといっても飲み会。撮影なり上映会なり、何かのイベントの後に当たり前のように「この後行くでしょ?」「うん、あとでね」なんて交わされる会話、80年代からみた50年代のアメリカのような、もはや輝かしい過去の時代という感じがある。20~30人で飲んで、気まぐれにほかのテーブルに移ったり、逆に1人で飲んでいる横に女の子がきて同じ酒を飲んだりしたい。俺は自分の欲を満たすためならそれなりに正当化できるような論理ややり口で行動するほうではあるが、大勢の飲み会はそうはいかない。早くそういう日常が戻ってきてほしいですね。

そしてなんといっても会話劇。この作品の要でもありますが、これがまた日常、かつ今自分では手に入れられないようなあこがれの存在でもあり、もどかしさがある。

特にイハとの17分ワンカットシーンは圧巻。個人的には関西弁の女の子と酒を入れて淡い会話をする感じ、それが飲み会というガヤガヤした中でも、家という2人だけの空間であっても、大学生活を大阪で過ごした地方出身の俺としてはまさにあの時代の象徴でもあって、どちらも心をしめつけるリアリティーに「ああ」と声が出てしまって、映画館から出て京急の駅に向かうまでの横浜の景色をみながら対比させてしまった。次の日には4:30に家を出て山を登りました。あの頃と、今と。

5chの専スレが意外と盛り上がっているのですが、やはりイハは"男が好きそうな女"と言われています。俺も4人のヒロインの中なら圧倒的にイハ派です。皆さんは誰派でしょうか。早く映画を観て俺に教えてください。

関西弁で意味ある会話をして、今関西弁メインじゃないところに住んでいる人には刺さる映画だと思います。そんなやつ意外といないのかな。俺は俺の世界しか知らないからみんながみんなそうだと思ってるんだけど。みんなそうでしょ?

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