鳥――批評と創造の試み

現代日本の文学と思想についてつぶやきます。

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「無印良品」は消費社会打開の切り札になり得るか? 堤清二・三浦展『無印ニッポン』

~~辻井喬=堤清二を読む~~ 「無印良品」は消費社会打開の切り札になり得るか? 堤清二・三浦展『無印ニッポン』 ■堤清二・三浦展『無印ニッポン――20世紀消費社会の終焉』2009年7月25日・中公新書。 ■対談(消費社会・現代史)。 ■210頁。 ■2024年5月15日読了。 ■採点 ★★★☆☆。 目次 1 「無印良品」の思想... 2 2 「ファスト風土化」... 6 3 ノン・ブランドというブランド化... 9 4 「消費」という闇... 1

    • 三浦雅士――人間の遠い彼方へ その3第2章 人間の方へ――『この本がいい』を読む

      三浦雅士――人間の遠い彼方へ その3 鳥の事務所 第2章 人間の方へ――『この本がいい』を読む                                      1 前置き その①――いささか苦言を……  それでは第2章です。  本章では、相当以前に、1993年ですね、わたしが書きました書評のようなものをお読み頂きます。  『この本がいい』、これですね。やたら分厚いですね。こちらは1989年から92年まで、足掛け4年

      • 鈴あらば 鈴鳴らせ りん凛と――再び評価の火を 辻井喬『叙情と闘争』

        ~~辻井喬=堤清二を読む~~ 鈴あらば 鈴鳴らせ りん凛と――再び評価の火を 辻井喬『叙情と闘争』 ■辻井喬『叙情と闘争――辻井喬+堤清二回顧録』2009年5月25日・中央公論新社。 ■回顧録(自伝)。 ■352頁。 ■2024年5月12日読了。 ■採点 ★★★☆☆。  今は亡き、詩人・小説家辻井喬、実業家堤清二の、――本人は否定しています*[1]が、「自叙伝」、それの苦肉(?)の言い換えの――「回顧録」です。 辻井さんが亡くなったのが、2013

        • 三浦雅士――人間の遠い彼方へ その1、その2

          三浦雅士――人間の遠い彼方へ その1 鳥の事務所 三浦雅士――人間の遠い彼方へ 鳥の事務所 第Ⅰ部 批評家としての三浦雅士 α篇 三浦雅士 ――批評的散文詩の発明 そもそものはじめに 本稿は以前、突発的に、前の会社を辞めて、次の仕事が全く見つからなかったときに、半年ほどかけて書いた、一種の殴り書きです。テーマとなっている三浦さんには全く申し訳ないが、自らの能力的な

        「無印良品」は消費社会打開の切り札になり得るか? 堤清二・三浦展『無印ニッポン』

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        • 読書ノート
          62本
        • 辻井喬/堤清二を読む
          4本
        • 遍歴
          54本
        • BOOKOFF巡礼記
          21本
        • 加藤典洋を読む
          4本
        • 村上春樹を読む
          15本

        記事

          『ティファニー』旅立つ!

          🐤鳥の事務所PASSAGE店通信🐤 ◎総特集=叶えられなかった祈り――トルーマン・カポーティ歿後40年 『ティファニー』旅立つ! 皆さん、お元気ですか? 今日は。鳥の事務所です。 いよいよGWも終わりですが皆様、いかがお過ごしですか? 本日、早速1冊お買い上げ頂きました。誠に有難う御座いました。 これで開棚以来48冊お買い上げいただいたことになります。誠に有難う御座いました。 お買い上げ頂いたのはこちらです。 ◎トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』村上春樹訳・

          『ティファニー』旅立つ!

          およそ半年振りの復活です(笑)!

          🐤鳥の事務所PASSAGE店通信🐤 ◎総特集=叶えられなかった祈り――トルーマン・カポーティ歿後40年 およそ半年振りの復活です(笑)! 皆さん、お元気ですか? 今日は。鳥の事務所です。 いやー、前回の更新が9月でしたから、およそ半年ぶりの更新です。どうも仕事柄、秋から冬にかけては繁忙期となり、休みもへったくれもなくなってしまうので、やむを得ない仕儀とはなりますが、あったかい時期に頑張るしかないようです。 という訳で、先日、ジェイムズ・ジョイス『さまよえる人たち』を最後に

          およそ半年振りの復活です(笑)!

          カズオ・イシグロ、羊文学、ヒグチアイなど

          遍 歴 カズオ・イシグロ、羊文学、ヒグチアイなど 2023年11月19日(日曜日) 晴れ☀ 休み  イスラエル軍のガザ地区への攻撃の停止を心より祈ります。   本日休み。 先月の終わりぐらいから、SGで妙なPJを任されて、なおかつ我が意に染まず苦しい局面になって来た。そもそも時間がないのに、更に謎のSGが増えて困る。 SGが間に合わないので、出社時間も大体2時間ぐらい早く行くが、全くどうにもこうにもだ。 そのためか、疲労が蓄積して、休みはとにかく眠い。とりあえず朝起きるの

          カズオ・イシグロ、羊文学、ヒグチアイなど

          「死の家の記録」――『ダブリナーズ』「エヴリン」を読む

          Jジェイムズ・ジョイスを読むJ 4 Eveline 謎々『ダブリナーズ』その4「死の家の記録」――『ダブリナーズ』「エヴリン」を読む 【凡例】 ・『ダブリナーズ』からの引用は原則として新潮文庫版を使用し、適宜他の訳書も参考にした。また、英語原文はwebサイト『Project Gutenberg(プロジェクト・グーテンベルク)』(Dubliners by James Joyce - Free Ebook (gutenberg.org))によった。 ・『新英和中辞典

          「死の家の記録」――『ダブリナーズ』「エヴリン」を読む

          現代の「白痴」――献身と姥捨て――カズオ・イシグロ『クララとお日さま』

          Ⅸ ~~過渡期の人間――カズオ・イシグロを読む そのⅨ~~ 現代の「白痴」――献身と姥捨て――カズオ・イシグロ『クララとお日さま』 ■Kazuo Ishiguro, Klara And The Sun,2021, Faber & Faber, Knopf, Hayakawa Publishing/カズオ・イシグロ『クララとお日さま』2021年3月15日・英Faber & Faber社、米Knopf社、土屋政雄訳・早川書房。 ■長篇小説。 ■2023年10月8日読了

          現代の「白痴」――献身と姥捨て――カズオ・イシグロ『クララとお日さま』

          「過渡期の人間――カズオ・イシグロを読む」進行表 20231021

          「過渡期の人間――カズオ・イシグロを読む」進行表 20231021

          現在の状況

          遍 歴 現在の状況 2023年10月20日(金曜日) 晴れ☀ 休み  イスラエル・パレスティナ紛争の早期停戦を心より祈ります。    本日休み。 矢鱈とSGが忙しくなってきた。困ったものだ。面白いからいいんだけど。 現在の状況。 ① 「トルーマン・カポーティ――叶えられなかった祈り」……中断中、早期の再開を期す。 ② 『恋するアダム』感想……途中 ③ 『ダブリナーズ』「イーヴリン」感想……途中 ④ 『クララとお日さま』感想……途中 ⑤ 『遠い山なみの

          ハンス・ガブラー氏講演に成城大学に行く

          遍 歴 ハンス・ガブラー氏講演に成城大学に行く 2023年10月15日(日曜日) 雨☔後曇り⛅ 休み  イスラエル・パレスティナ紛争の早期停戦を祈る。    本日休み。 13時から、成城大学国際編集文献学研究センター主催による、ハンス・ヴァルター・ガブラー氏講演「愛の復活、そのゆくえ―今、ガブラー版『ユリシーズ』の意義を語る」に参加するために、成城学園前まで行く。早めに行って蕎麦でも食べようと思ったら、ハイソな街なので、そんなものはなかった。仕方なく、何も食わずに、会

          ハンス・ガブラー氏講演に成城大学に行く

          何だか疲労→『クララとお日さま』読了→忙しくなる予感

          遍 歴 何だか疲労→『クララとお日さま』読了→忙しくなる予感 2023年10月13日(金曜日) 晴れ 休み  イスラエル・パレスティナ戦争? 紛争? に心を痛める。経緯を考えると部外者が口を挟むべきではないのであろうが、一刻も早く戦いを終結するように心より祈る。  何もしていないのに、何だか、疲れているようだ。往復の通勤で疲労しているのか。仕事は大したことはしていないのに。相方も調子がよくないようだ。困った。 そんな訳で、休みの金・日に頑張らなければいけないのに、なか

          何だか疲労→『クララとお日さま』読了→忙しくなる予感

          『ダブリナーズ』読書会、初参戦!→村上ライブラリー講演会!!→『SPY×FAMILY』2本・『ゴールデン・カムイ』半本にて自沈!!!!

          遍 歴 『ダブリナーズ』読書会、初参戦!→村上ライブラリー講演会!!→『SPY×FAMILY』2本・『ゴールデン・カムイ』半本にて自沈!!!! 2023年10月6日(金曜日) 晴れ☀だったと思う 休み   20時から小林広直さん主催のon line読書会『Deep Dubliners』初参加。ジェイムズ・ジョイスの短篇連作『ダブリナーズ』を3年かけて読む企画。登録はしていたが金曜が休みではなかったので、聴講できていなかった。今回は第5回で第4話に当たる「Eveline」。

          『ダブリナーズ』読書会、初参戦!→村上ライブラリー講演会!!→『SPY×FAMILY』2本・『ゴールデン・カムイ』半本にて自沈!!!!

          カズオ・イシグロ 著作一覧

          カズオ・イシグロ 著作一覧 サー・カズオ・イシグロ(Sir Kazuo Ishiguro・石黒 一雄、1954年11月8日 - )は、イギリスの小説家、脚本家。1989年に長編小説『日の名残り』でイギリス最高の文学賞とされるブッカー賞を、2017年にノウベル文学賞を受賞した。日本の長崎県で生まれ、1960年に両親と共にイギリスに移住した。 ■長篇小説 * 以下 邦題 原題 出版年 翻訳者 翻訳出版年の順。邦訳は全て早川書房。全てハヤカワepi文庫に収録されて

          カズオ・イシグロ 著作一覧

          『最後の大君』、『心は孤独な狩人』ゲット!→超久し振りの読書会!!→久しぶりの刺身で呑む!!!

          遍 歴 『最後の大君』、『心は孤独な狩人』ゲット!→超久し振りの読書会!!→久しぶりの刺身で呑む!!! 2023年9月29日(金曜日) 曇り⛅ 休み    今日、俺休み。 金曜日が休みになったので、超久し振りにon lineの読書会(公開講義)に参加できることになった。一年振りぐらいだ。テキストはイアン・マキューアンの『恋するアダム』。ところが予習が終わっていない。朝の段階で後180頁ぐらい残っている。已む無く一切の家事を放棄して、読書。 やっとのことで3時ごろ読み

          『最後の大君』、『心は孤独な狩人』ゲット!→超久し振りの読書会!!→久しぶりの刺身で呑む!!!