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ダ・カーポ「野に咲く花のように」 時には暗い人生も トンネル抜ければ夏の海

この曲を聴くと、自然と「裸の大将」が思い出される。
小さいころ、親子そろって家族全員で、テレビドラマ「裸の大将放浪記」をよく見ていた。実在の画家・山下清をモデルに描いたフィクションの人情コメディドラマとウィキペディアにはある。

前奏から「野に咲く~♪」という音楽が聞こえてくると、テレビに釘付けになった。作詞・杉山政美さん、作曲・小林亜星さん。ダ・カーポのきれいな歌声とハモりによって、ものすごく優しくて、心地よい曲というイメージが強い。

ドラマの「ぼ、ぼ、ぼ、僕は、お、お、おにぎりが好きなんだなあ」という芦屋雁之助さんの演技は、なんだか不思議な感覚にとらわれながら見ていたなあ。
うまく言葉を話せない様子を演技するって、どうなのかしら?と今の感覚では思いますが、純粋そうな「山下清」像をうまく演じていて・・・。結構、人気も高かったのではないかしら?
最近は塚地武雅さんバージョンもあるんですよね。そちらは、見たことないんですが。

歌詞を見ていく。
「野に咲く花のように 風に吹かれて
野に咲く花のように 人をさわやかにして」

サビは
「そんな風に僕たちも 生きていけたら素晴らしい
時には暗い人生も トンネル抜ければ 夏の海
そんなときこそ 野の花のけなげな心を知るのです」
「そんな風に僕たちも 生きていけたら素晴らしい
時にはつらい人生も 雨のち曇りでまた晴れる
そんなときこそ 野の花のけなげな心を知るのです」

ああ、毒気の全くないきれいな歌詞。
ここまで純粋な前向きさって、うさんくさく感じたり、「そんなわけないじゃん」って疑ってみたりしてしまいそうになりますが、この曲はドラマのトーンともぴったりで、心にスーッと入ってきた。歌を聴いているだけで、涙ぐみそうになることも。

なんでもスピッツを基準に考えるのは、私の悪いくせかもしれませんが・・・。

「時には暗い人生も トンネル抜ければ 夏の海」
「時にはつらい人生も 雨のち曇りでまた晴れる」

こういう歌は世の中に、たくさんありますが、スピッツで言えば「スピカ」なのではないかと。

「やたら真面目な夜 なぜだか泣きそうになる
幸せはとぎれながらも 続くのです」

最近、仕事であるたくさんの応募作品に講評を書かなければいけなくなってしまいまして。そこに大好きなスピッツのこの「幸せは途切れながらも 続くのです」を無断で使わせてもらって、最後を締めくくりました。

ダ・カーポも偉大ですが、この内容を「途切れながらも続く」と表現する草野さんはとんでも存在だと強く強く思うのです。

2022年11月6日 トラジロウ

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