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魔女狩り時代を生き抜け!前を向く強さに痺れる!辺獄のシュヴェスタ!!

こんにちは!とらぎつねです!

今回は知る人ぞ知るマンガ、「辺獄のシュヴェスタ」をご紹介です!

<オススメしたい対象者>
中学生以上(男女問わず)

<あらすじ>
時は魔女狩りが行われていた中世。ヨーロッパのある国には、魔女狩りで親を失った子供たちが集められる施設「分水嶺(ぶんすいれい)」があった。主人公のエラもその一人。彼女の目的はただ一つ、親を殺した教会のボスを務める女・総長エーデルガルト。その命を奪うこと。彼女が自分の親にしたように、復讐でも憎しみでもなく。ただ、殺す。その為だけに修道女として3年間を生き抜こうとするエラのサバイバルライフが幕を開ける・・・。

<辺獄のシュヴェスタ、ここが魅力!>
主人公のエラが前しか向かない強靭な精神力を持っており、それが彼女にカリスマ性を持たせています。「前進」「不屈」「不敗」ということがどういうことか、このマンガを読むとよくわかると思います。数々の名言を残す本作ですが、以下のような一場面があります。

エラが同級生たちと一悶着起こし、翌日上からゴミ箱を落とされる嫌がらせを受けます。
ゴミまみれで歩くエラに向かって、後ろから泥を投げつける者まで出てきます。
しかしエラは正面だけを見据えてこう言い放ちます。
「誰だか知らないけど、そうやって後ろから投げつけている限り、一生かかっても、前を向いている人間の顔は汚せないわよ。」

エラにとっては見えないところからゴミを落とすザコも、後ろから泥を投げつけるザコも、眼中にないんでしょうね。

また、集団でのいじめに対しても持論を展開します。
「標的を作ることで結束を生む。虐める側っていうのは、その便利な方法に真っ先に屈服したってことでしょ。虐げられている人間の方が、虐げる人間よりもよほどタフなのよ。」

一人で総長の暗殺という目標に向かって突き進むエラにとって、愚かな集団というのは取るに足らない存在なんでしょうね。まぁ、大体いじめに夢中になったりネット上で悪口言ってるような奴は、そんなことしてしまうくらい他にやることないんでしょうが。

また、ここからは少しだけネタバレになってしまいますが、第20話にも名シーンがあるんです!エラはとある理由から食料を集めていました。半年かけて森から木の実や果物などなど、冬になる前にその冬を越せるくらいの食料をこっそり集めていたのです。しかしそれが大雨で川が増水し、流されそうになります。エラは数人の仲間と急いで食料を運び出そうとしますが、仲間の一人(カーヤ)がなかなかチェスの勝負を諦め切れず、出発が遅れてしまいます。結果、目の前で食料は鉄砲水に持っていかれ、流されてしまいました。。。半年かけて集めたものを流され、ついに仲間の一人は「やっぱり私たちが間違っていたのかもしれない。これは神様が与えた罰なのかもしれない。」と弱気なことを言い出します。しかしそこは我らがエラ。流石の切り返しを行います。
「そう。神が私達の敵ってわけ・・・。なら、こう言うことも出来るわ。カーヤがもう少し早く諦めていたら、私達は隠れ家の中で生き埋めになって死んでいた。神だか運命だか知らないけど、そいつは私達を殺し損ねた。私に言わせりゃ腰抜けよ。」

鋼のメンタルで落ち込んでも1秒で立ち直り、状況を冷静に観察する。ほんとにこの前しか向かねぇ主人公、かっこよすぎです。

ところでこのマンガの作者さん、作品を通して「これを伝えたい」という内容を表現する力がものすごく高いと思います。というのも、こういうセリフをキャラクターに喋らせることもしながら、時折詩のような表現も使うのです。それがまたすごく絵とマッチしていて力強く伝わってきます。読んでいてどんどん物語とキャラクターたちに引き込まれる辺獄のシュヴェスタ、コミックスは全6巻です!

<辺獄のシュヴェスタの欠点>
中世の魔女狩りは残酷でした。このマンガではあまり出てきませんが、それでも触れないわけにはいきません。「生きながら腕を切り落とす」など、ちょっと子供には注意した方がいい表現もあります。そういった点から、中学生以上をオススメ対象としました。残酷描写が怖いから読まない!というのはあまりにももったいないと思うからです。その点さえクリアできれば、問題ないと思いますよ。

<まとめ>
コミックス全6巻と短く纏まっていて、とても読みやすいマンガだと思います。
全巻大人買いしても、大した金額にはなりません。
一つの目的のために、知恵を絞って全力で生き抜いた少女のお話。きっと勇気をもらえると思います。
そして現在、作者の竹良 実さんはバトルグラウンドワーカーズというマンガを書いているようです。こちらもセリフ回しがうまい!SF作品ですが、やはり同じ作者が描く作品。舞台が違えど、主人公の心情表現などはやはり巧みです。こちらはブラック企業を退職し、傭兵として正体不明のモンスターと戦う主人公が活躍するのですが・・・社会人が主人公ということで、物語は序盤も序盤なんですが共感の嵐です、ほんと(笑)それではまた次回!

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