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【翻訳部辞書:Z】Zootopia

こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。Zはなかなか思い浮かばずまたも動物ネタですが、お気に入りの映画のひとつである、ディズニー映画の『ズートピア』について書いてみたいと思います。

もともと、アニメは観るほうではなかったのですが、6歳と9歳の娘が2人いるもので、子どもが生まれてからはよく観るようになりました。最近は『SPY×FAMILY』の放送を毎週楽しみにしています。

『ズートピア』ってどんな映画?

『ズートピア』は、ウサギの新米女性警官、ジュディ・ホップスが「ズートピア」という肉食動物と草食動物が共存する大都会で、詐欺師のキツネ、ニック・ワイルドとともに連続行方不明事件を解決する、というのがおおまかな内容です。

映画にはさまざまなキャラクターが登場します。かわいいものが大好きなチーターの警官、ミスター・ビッグと呼ばれるネズミのマフィア、ヌーディストクラブのものすごい記憶力を持つヤク、免許センター職員のナマケモノたちなど、個性的な面々ばかりです。

今回これを書くにあたってはじめて知りましたが、ヤクは英語で”yak”といい、動物のヤク以外に、「おしゃべりをする、大笑いさせる」という動詞と、俗語として「長いおしゃべり」「ばか、あほ」という意味があるようです。確かに映画の中でのヤクは、間の抜けた話し方でダラダラとしゃべるという特徴がありました。作り手の遊び心が垣間見えて得した気分です。

大人の目で観たズートピア

子どもの視点で観たら、「小さくて弱い存在のウサギでも、夢をあきらめずに努力をしていけばみんなに認められる存在になるんだ!」という内容の映画という印象で終わるかもしれませんが、ウン十年以上生きているとそれ以上のメッセージを感じるわけであります。

たとえば、ヌーディストクラブには洋服を着ていない動物たちがいて、それを目の当たりにしたジュディは思わず目を覆うのですが、いや、そもそも動物は普通洋服なんて着ていないですから!と突っ込み、よくよく考えたら人間も大昔はそうだったはずで、初めのころは植物などで身体を隠していた人たちのほうが稀有に思われていたのだろうか...と想像するなどしました(大人の感想とは言えませんね)。

また、免許センターで働くナマケモノたち(職員が全員ナマケモノ!)、とにかく動きがスロー。急いで情報が欲しいジュディは「ムキーー!」となっているのですが、ニックは慣れた様子です。彼らの特性を認め、受け入れたうえで、仕事が与えられているという社会です(実際、免許センターの職員が全員ナマケモノだったら大変ですけどね)。このとき、ニックが窓口のナマケモノ、フラッシュの仕事の邪魔をしようとなぞかけをするのですが、その答えがわかったときのフラッシュの表情の動きがたまらなく好きです。この映画の中で一番のお気に入りのシーンで、疲れているときに観るととっても癒されます。

そして、キツネのニックは、子どものころにキツネというだけで悪者扱いをされていじめられた過去があり、その過去をひきずって生きています。いっぽうでジュディは、ウサギはかわいらしくて弱いというイメージから、警察官になっても小物扱いをされていることに不満を持っています。「キツネ=ずる賢い、ウサギ=役立たず」という偏見が描かれています。偏見は持つべきではない、とわかってはいるものの、誰かから聞いたり目にしたりするとどうしても意識してしまうのが人間の性ですよね。

むかしむかし、大学の授業で「異文化コミュニケーション概論」という授業を取っていたのですが、その授業で印象に残っていることのひとつが「偏見を持つのはやめましょう」という内容でした。何かフィルターを通して見るのではなく、自分の目で見て感じましょうということです。難しいことかもしれませんが、とても大切なことだと思います。

この映画では多種多様な動物が共存しているということで多様性について描かれていますが、人間社会も、この狭い日本ですらも十分多様だと思います。異文化とは、言葉や人種、国籍とは限らないからです。きれいごとかもしれませんが、偏見を持たず、自分の常識を人に押し付けずに「みんなちがってみんないい」(金子みすゞさん)の精神でありたいものですね。

という感じで、子どもたちと一緒に何度も何度もこの映画を観ているうちに、自分の人生経験や知識と照らし合わせるなどして、さまざまなメッセージを感じ取ったわけです。映画って本当にいいもんですね。

小学生のころ、読書感想文を書くのが苦手だったわたしが、映画の感想を書こうとしたのが無謀な試みでしたが、とにかくズートピアはかわいくて、軽快で痛快な映画です。

最後に、ディズニー・スタジオ公式のYouTubeにわたしのお気に入りのシーンがあったのでよかったら観てみてください。1分15秒あたりからのフラッシュの表情にご注目を!


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