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4/23のゆる〜く気になる記事 あるべき企業統治

4/23の日経新聞で早稲田大学のスズキ トモ教授の「あるべき企業統治」という記事がありました。とても分かりやすく、共感しましたので、ぜひお読みいただきたいと思います。

簡単に感じた事をお話しします。

付加価値の適正配分経営」の提言という事で、「企業が産む付加価値が株主優先で配分されており、新たな発展への好循環が起動出来ない」と書かれています。

この記事の記載データの「1960年を1として2022年にどれだけ増えたか」という指標から読み取ると、一番増えたの株主還元で約145、以下従業員への分配が約50、売上高が約30、設備投資が約15となっています。つまり売上の増加に伴い賃金も上がってはいるものの、株主還元が圧倒的に多いことになります。株主還元としての配当はもちろん、一株当たりの純利益(EPS)を上げる自社株買いは、株主から非常に期待されています。

今、企業は資本効率性を東証や株主から強く求められています。いわゆるPBR(株価純資産倍率)やROE(自己資本利益率)の向上です。これらの指標を向上させるためには、分子である利益を拡大する、また分母である資本を減らす政策を実行するのですが、その際に利益を上げるために給与や設備投資を圧縮し、資本の縮小のために自社株買いや減資を行うことにもつながります。

一方、株主も設備投資は非常に注目しますので、企業も利益を上げるためだけで将来の為の設備投資を簡単に削減はしません。また、給与についても一昨年までは殆ど賃金の上昇がない世界でしたので、持続的成長に向けて株主の視点は「従業員の賃上げ」が、評価の一つとなってきています

こうした環境の中、自社株買いをしたものを経営者や従業員への報酬として配分する、と言う考えが、付加価値の適正配分経営となります。これは、政策保有株式の縮減が進む中、同意なき買収や一部の利己的なアクティビストの対応として実行性の高いガバナンスが実現出来る、という事です。

ガバナンス面でも、従業員への株価を意識した取り組みの向上と実質賃金の向上の実現を考えると意義があるものと感じました。

ゆるい小話でした。




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