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僕たちはどう思うか?の返答を書いてみた

 TOHOシネマズ渋谷にて『君たちはどう生きるか?』を観てきました。

 内容は戦争の余波を受けるとある田舎に疎開してくる男の子と滞在する屋敷に住むちょっと小狡い鷺との交流を通して、この世界の本質的な要素が描かれる。

 話がちょっと逸れますが映画を観ていてある演出家のコトを思い出しました。その人とは小劇場で知合ったのですが別の仕事が忙しくなり演劇活動を続けられなくなっていきました。それでも忙しい合間を縫って新作や過去の作品をキャストを変えて上演したりしてたのですが、少しずつ内容に変化が出てくるようになりました。その人の舞台を追っかけているファンなら理解出来てもファンじゃない人にはフラストレーションが溜まるという内容に終始していきます。過去の作品にあったテイストは残っていても表面的な部分に終始しているというか。作り手のらしさを理解してる人は楽しめるけどそうじゃない人は乗り切れないというか。

 個人的な話題の前置きになりましたが『君たちはどう生きるか?』を観た時にその時の印象を思い出しました。アニメーション表現の面白さは相変わらず健在だったので宮崎アニメを観れてよかったなと思いつつ、過去作らしいシーンがそこかしこにあり、それをなぞる以上のコトがなかった気がしました。らしさはあるけど神話的な要素やいわゆる”セカイ”っぽいニュアンスを表現しただけという感じがして観終わった後の読後感は薄めだった。テイストは違うけどブニュエルの『銀河』ってぽい感じもしました。(あの作品も神話的な要素が多い作品でしたね。)

 勿論、カタルシスを解消させない作品も沢山あるのでコレも一つのやり方だと思うが過去作を期待してきた人には少し肩透かしな感じがするではと思ったのと宮崎アニメを見るファン層がこの映画に関連しそうな作品(上記の『銀河』やストーリーではなくイメージの羅列によって構成されている作品など)を見てるかで理解度や満足度も変わってきそうな気がしました。

 そんなこんなで『君たちはどう生きるか?』でした。
 色々思うところはありましたが、宮崎駿監督が現役を続行するならまた次回作も見たいなと思います。

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