見出し画像

ドルコスト平均方の有効性をsine関数を利用して評価してみる

新NISAの影響もあるのか日経平均も4万円を超える勢いです。そこで投資効率を上げるために有名な「ドルコスト平均」投資がどれくらい有効かを具体的にシミュレーションしてみました。

投資信託を前提に基準価格を1万円(1円=1口)として5年間(12回分データ/年)で以下の条件で購入した場合の基準価格の値で比較してみます。

購入のタイミング
 ①最初に1回で全部購入
 ②年1回購入(5回購入)
 ③月1回購入(60回購入)

購入金額の決め方
 ④口数を決めて購入(購入時で金額が変動)
 ⑤金額を決めて購入(ドルコスト平均)

基準価格の変動式はエクセルで以下のような式を使用しました。

基準価格=(1+Gain・sin(2π・number/Freq)+Slope・number)*10000
       ( 0 =< numbr =< 59の整数 )

A)Freq=32、Gain=0、Slope=0
   トレンドも周期性変動もなし

トレンド傾向無し


B)Freq=32、Gain=0、Slope=0   
   上昇トレンドで周期性変動なし

単純な上昇トレンド


C)Freq=32、Gain=0、Slope=0   
   下降トレンドで周期性変動なし

単純な下降トレンド

D)Freq=0、Gain=0、Slope=0      
   トレンドなしで周期性変動あり

トレンドのない周期性変動


D)Freq=0、Gain=0、Slope=0   
   上昇トレンドで周期性変動あり

上昇トレンドがある周期性変動


E)Freq=0、Gain=0、Slope=0   
   下降トレンドで周期性変動あり

下降トレンドのある周期性変動


周期性変動がある場合はランダム関数を使っているので周期がいろいろ変わるので10回平均の計算結果を表にまとめてあります。

シミュレーションの結果

数値だけだとイメージが湧かないのでグラフ化してみましょう。一番左は最初にすべて購入してしまうので当たり前ですが、差は出ません。

但し、ドルコスト平均は「1回/年(12万円)」「1回/月(1万円)」の項目

ドルコスト平均比

当たり前ですが、上昇トレンドではできるだけ早く購入し、下落トレンドではできるだけ後で購入すれば購入基準価格が低く抑えられます。

積立の場合、購入口数一定より、購入金額一定のドルコスト平均が優れているのがわかります。

トレンド傾向がない場合、周期変動があれば差は大きくはない、少なくともドルコスト平均は低コストになり、一番有利です。

下落トレンドでは明らかにドルコスト平均が一番有利で効率よく投資信託を購入できることがわかります。

流石に上昇トレンドの場合はドルコスト平均は、まとめ買いよりは不利になりますが単純に一定額の口数を購入するよりはコストが安くなります。

今回は5年間をイメージしてシミュレーションしましたが、5年間連続で単純上昇トレンドが続くこと自体、確率的には小さいのでドルコスト平均で投資信託を購入するのは、いつは購入を始めるかを迷う必要もなく有効な手段と言えることが実感できました。

より効率のいい方法として「バリュー平均」手法がある言われていますが、購入時に保有時価を評価してその都度、購入金額を変更しなければならない、評価額が大幅に下がった場合は、購入のための準備資金が大きくなりすぎるなど、意外と面倒な投資方法です。しかし、一番の問題は証券会社が自動積立で対応していないことです。

バリュー平均
「保有時価が段階的に一定額増加するよう、金融商品の価格が下がったら買い付け額を増加し、価格が上がったら買い付け額を減額するなど、目標とする投資額に応じて、その都度購入投資額を決める」

以下に今回使用したエクセルファイルを添付しておきます。F列の基準価格のデータを自分で入れ替えればいろいろな状況を再現できると思います。

最後まで読んでいただいて有難うございます。 コメントは今後の参考に、フォローやサポートは今後の励みになります。