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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年3月12日~3月18日)

不調で眠くて仕方ありません。
アタマが半分どころか1パーセントしか働いてない雰囲気です。
季節が通り過ぎれば必ず治る毎年お決まりの症状ですが、日記は書けない、自炊本はたまる、データの整理は手がつかない、家計簿もとりあえずレシートとってあるだけでもう2カ月未着手…身の回りの記録がごちゃごちゃになっていきます。そのうち生活崩壊が起こりそう。

22年3月12日

来た来た来た来た、春が来た。
一緒に春の不調もついてきた。
身体が火照ったり汗をかいたりといった自律神経系と、落ち込みや不眠、逆に過眠などの春の症状がぶわっと出る。
いわゆる「木の芽どき」だ。

今週は少し日記の中身が少ないかもしれない。
行動自体が少ないうえ、アタマがものすごく悪くなっている。
反射的でwittyで回転の速い私はどこかへ消え失せ、鈍重で反応の鈍い、寝起き悪い時の5乗ぐらいの状態の私がいる。

息子が訪ねて来た。
2年制演劇学校の1学年で落とされ、進級できなかったのでかなりフクザツらしくソファで丸まっている。
「すごく自分のためにはなったから、1年間でも行けてよかった。最後のオーディションでは『がさつだ』と言われた。自分のことしか考えられなくて、人と協調できないからだと思う」としきりと自省していた。

これだけ反省のタネができればいい経験だったと言えるだろう。
来年は何をするのか、なんなら別の演劇学校に行ってみるかい?という問いかけには、
「来年は働く1年にしたい。生活を安定させて、今コントやらせてもらってるイベント会でもバイト料もらえてるからもっと充実させたい」とのこと。
ちょうどカノジョとの同棲が晴れて始まるところだ。
いい区切りと言えるだろう。

学校が終わったのでパトロン的バイトの雇い主もやめる。
来年度は1時間1万円なんて法外な値段は必要ないって。
「それに、バイトなくてもちょくちょく来るよ。顔見たいもん」
Gくんが「だまされとるだまされとる」と笑っているのが見えるようなセリフだ。
ありがたく受け取っておこう。

引っ越しは4月頭、軽トラを借りて自分たちでやるそうだ。
せいうちくんが完全に親と袂を分って、入社したばかりの社宅に自宅から荷物を移動させた日を思い出す。
前日に美空ひばりが亡くなったので、手伝いに来てくれた友人もその話で持ちきりだった。
ほとんど家出の手伝いというようなずいぶん気まずい仕事をよく手伝ってくれたものだ。やはり持つべきものは友達。

息子にも、冷蔵庫や洗濯機もあるんだから、1人ぐらい男手の助けを確保しておきなさいよ、と言っておいた。
それでサイゼとかラーメン屋で腹いっぱいおごるのが若者の引っ越しだ。

ダイニングの壁を使っての100インチシネマルーム第二弾は「ジョーカー」。
今の息子にはとっても沁みるものがあるらしい。
「素晴らしいよね。美しい」を連発しながら身を乗り出して観ていた。
「今やってるジョーカー」がバットマン、ブルース・ウェインとの関係もあって非常に面白そうなんだって。
サブスクに出たら100インチ映写で観よっと。
息子はもうじき絶対映画館で観る~と叫んでいる。

文書名 _[磯見仁月] 傾国の仕立屋 ローズ・ベルタン 第01巻

今日のマンガは磯見仁月の「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」既刊6巻。
「ベルばら」にちょっとだけ出てきて「ノミの腹色のドレス」などの新モードを次々発表していた王妃の衣装担当のローズ・ベルタンとはひと味違い、腕一本で下層の身分から成りあがって王妃に近づき、そのモード係になろうという物語。
女性の野心と華やかなパリがよく描けていて、先が楽しみだ。

22年3月13日

朝、みんなゆっくり寝て、相変わらず「あと10分」「あと3分」と言って布団にくるまってる息子は煮込みラーメンの完成で何とか起こした。
息子がいると煮込みラーメン4人用パックがひとつ空く。
こないだせいうちくんと食べようとした時にいきなり4人前作ろうとしたので、
「ちょ、ちょ、ちょっと、何考えてんのよ」
「あれ、いつも2人で4人分食べなかったっけ?もう忘れちゃったなぁ」
「息子が一緒の時だけ4人前だよ。そいで彼が2.5人前ぐらい食べて、私らが残りを半分こするの」

今回もそのとおりの配分だった。
満足した様子の息子は、
「でもオレんちで2人で食べる時も4人前作るよ。オレが2.5人前ぐらいでカノジョが1.5人前ぐらい食べる」と言う、
うーん、細くておとなしそうなカノジョだが、やはり若いと言うのはものすごいことなんだろうか。
鼻血が出ちゃいそうに甘酸っぱくお腹の張る話だった。

昼頃、息子が用があるから帰る、と言うので、図書館まで一緒に歩いた。
裏通りを歩いたので面白い喫茶店などもいくつかあった。
そのうち彼と来てみてたい。
駅の真ん前で相変わらず恥ずかしげもなくハグをし、せいうちくんは握手で無事を祈り合う。

来週は車を借りて日帰りドライブに行こうと思うので、帰りに息子のアパートに寄って彼を拾い、うちまで運転させて教習するつもり。
引っ越しを控えて軽トラ運転するなら、少し車に慣れておいた方がいいだろうからね。

息子が帰ると寂しいなぁ。
でも遠くや外国に住んだらこんなにしょっちゅう会えないのが当たり前だよね。
結婚しそうな勢いだから、もう実家にもそれほどは寄りつくまい。
たまにZOOM会話でもできれば、と思っている。

チェーザレ1
チェーザレ2

今日のマンガはイタリアがヴァチカンを内包しながらも周りのヨーロッパ国と戦争やもめごとが絶えなかった頃、美麗衆目な大学生だったチェーザレ・ボルジアの物語、惣領冬実の「チェーザレ CESARE 破壊の創造者」全13巻。
16歳の身であっても大学きっての切れ者として有名な彼はスペイン団に属し、イタリアを代表するフィオレンテーナ団やフランスを代表するフランス団ら学生グループといつももめている。
そんな彼の本当の望みはフィレンツェの街を変えること、そして父親のロドリーゴ・ボルジアをいつか教皇にすること。
丁寧に描き込まれた美しい描線と端正な主人公らの顔、ドラマティックなストーリーなど、ベテラン惣領冬実ならではの作品だ。
ものすごく勉強したんだろうな。
表紙が地味な装丁なので、中身も見ていただくおまけをつけましょう。

22年3月14日

1日気力なく寝ていた。
夕方から整形外科のリハビリがあるので出かけ、ついでに循環器内科に先に診察券を出しておく。
こないだよろけて側頭部を打ったところがこぶになっているので、内出血及びワーファリンへの影響が心配なのだ。

リハビリは順調で、あんまり難しいこと言わない担当さんなので助かっている。
こちらがもはや老女の域と認めてくれたか。
シップと塗り薬もらって循環器内科に戻ると、数人患者さんがいたがほぼ待たずに診療室に入れた。

実はここと、先日心エコー撮ってもらった循環器内科と、もう一軒家の真向かいにある循環器内科の間で決めあぐねているのだ。
ここ以外は両方ともワーファリンの検査を外注に出すため、その日には数値がわからない。
2、3日のうちに、電話で聞いて足したり引いたりの指示を受け、適正な量をのんでくれ、と言う2番目と、やはりワーファリン値の検査は院内ではしていないので結果を聞くのが数日遅れる、それをもとに処方箋書くからまた取りに来て薬を調剤してもらってくれ、と言うのが3番目。
どちらも「時々は大学病院できちんとした検査を。うちはサブということで」と尻込みすると言うか責任取りたくなさそうなの丸わかりだから、最初からエコーがきちんと撮れないので大学病院に行ってくれないかと言った正直さを買って最初のとこにしました!

ここだけが女医さんで何でもしゃべれそうだし、江口のりこに似ていて可愛い。
ちょっとツンデレで、けっこうおっちょこちょいな30代ぐらいのドクターだ。
何だか気風もよくて、
「大学病院と併用なら、条件は一緒ですからうちでも診られますよ。うちきます?」ってあっさり言ったのが好感持てた。
どうしてどこの土地に行ってもお気に入りの女性ができてしまうんだろう。
住む土地住む土地に女アリ。

とりあえず今日のワーファリン値は「1.6」(こんな簡単な検査をなぜよそではやらんのだ!?)。少し低めだが、今増やすと内出血の部分が出血し始めるのが怖いから、2週間このままでいきましょう、と言われた。

畑の多いのんびりした裏道をのしのしと歩きながら、だんだんこちらの土地になじんでいくなぁ、と嬉しくなった。

文書名 _[ひさうちみちお] 山本家の場合に於るアソコの不幸に就て
文書名 _[ひさうちみちお] 山本さん家の場合に於るアソコの不幸に就て

今日のマンガはかなり古い。ひさうちみちお「山本さん家の場合に於るアソコの不幸に就て」。
1982年2月1日初版発行なので、もう40年も前のマンガだってことだ。
この短編集の「アソコの大冒険」って作品に、「書を書きすぎたあまり、風景画を描いてみようと思っても全部文字になってしまう書家」なる人物が出てくるのだが、常々私は自分の頭の中がこうなっていると感じている。
いや、個人的にはそれだけのことだけど、なかなか面白い、時代の風を感じる作品集。

22年3月15日

どうにも調子が悪く、1日ベッドにいた。
精神医学用語では「好褥(こうじょく)」と呼ぶそうだ。昔はよくこんなふうだった。
寝床にくるまって出られないってことね。
この頃少なくなってきて日中はリビングで本を読んだりすることも増えてきたのだが、やはり私のベースはベッドだ。
寝室が狭いためダブルベッドひとつになってしまったから厳密には私だけのものではないんだけど、せいうちくんはどうせ書斎でテレワークか出社のどちらかだから、いいの。
夜さえ半分明け渡せば。

この家に来てからもうひと月半も経つのだが、まだいろいろ慣れない。
しょっちゅう洗濯物入れに入れる服を持ってトイレに入ろうとしてしまう。
どうせ2人暮らしだからとトイレの扉を開けっぱなしにしておくのがいけないのかもしれない。
人感センサーで前を通るだけで電気がついてしまうので電気代もったいないし。
あー、そもそも引き戸だから開け閉めがめんどくさいんだな。

ちなみにこんなカッコいい部分品がついているので、息子に、
「素敵じゃない?ロンギヌスの槍、とかいう感じで」と自慢したら、
「うん、確かにカッコいいけど、これ、何のためにあるの?」と真顔で聞かれた。
若い人には老人が洋式トイレから立ち上がる時に手すりがあると心丈夫だなんてわからないと知って衝撃を受けた。
きっとあと30年も経てばわかるようになって「よっこらしょ」って言ってるから。
自らの身で知るがよい。

あと、朝、薄暗い部屋の中で目を覚ました時、どっちに向かって行っていいか全然わからない。
自分が降りる方向は常に左側でそれはいいんだけど、そのあとベッドの頭方向だっけ、それとも足元方向だっけ、とものすごく混乱するのだ。
正解は足元方向。
千駄木で起きるとせいうちくんが仕事してるLDKに入るため頭方向の扉を開けていたせいだろうか。

あと、書斎が私のものにならない。
昔のマンション時代はむしろ私の方が留守中によく使ってたぐらいなんだが、テレワークのせいもあって、私は寝室、せいうちくんが書斎、という棲み分けができてしまった。
そうすると日記も書けないし自炊もできない。

私のノートPCを食卓に持って行って作業しようと試みたこともあるけど、わりとローテーブルにローチェアなので、あっという間に腰が痛くなった。
PCは正しいサイズの作業台で正しい姿勢で使いましょう。
1LDKの時はどうしようもないからその前と同じように私が机の短辺を、せいうちくんが長辺を使って2つの事務椅子に活躍してもらっていたが、こっちに来てからどうも調子が狂ったままだ。

今度、新しい机が来るからそれが収まってから考えようかな。
使用中のは45年物の食卓で、たぶん私の持ち物で一番古い。
もうお役御免にしてあげようと思う。
新しく、短辺が10センチ短く長辺が20センチ長い、ほとんど会議机のようなやつが来る。
私のスペースがより小さくなるわけだ。
しかし今はせいうちくんの前の空間が広すぎて不便をしているから、少しモニタまでの距離が短くなってキーボートも手元に引き寄せられたら便利なんだろう。

家を替わるということは、生活が変わると言うことだ。
それが妻の春の不調と重なって日記が書けなくなっても、「そーゆーこともある!」と開き直るしかないのかも。

文書名 _[田村由美] ミステリと言う勿れ 第08巻


今、ドラマでも評判の田村由美「ミステリと言う勿れ」既刊10巻。
原作をよく生かして、そのうえでより良いものを作っている。すごい。
菅田将暉と久能整(くのう・ととのう)くんではずいぶんイメージの違いがあるが、菅田将暉なりの整くんが立派に出現していた。
「僕、いつも考えることがあるんですけど」にあふれた整くん、これからも警察の人を混乱させたりヒントをあげたりしてほしい。
ライカさんと桜を見るシーンは夢のように美しかった。いいぞ、門脇麦。

22年3月16日

せいうちくんは在宅だったが、やはり何もしたくない気分止み難く、1日かかって田村由美の「7seeds」を読んでいた。
疲れたので早く寝室に行こう、と22時近くに歯を磨き、ベッドで本を読んでいたら突然の地震。かなり大きい。
「地震だね」「揺れてるね。かなり長いね」と言いながらとりあえず一番安全と思われたベッドの上に座り込んで様子を見ていた。
かなり長く感じたがそれでも何とかおさまり、互いにテレビをつけたり書斎の本棚を点検しに行ったりした。
無被害。よかった。

テレビによれば震源地は宮城で、福島の海岸は1メートルほどの津波警報が出ているようだ。
あの土地の人たちのご苦労はいつ終わるのだろうかと、胸が痛くなった。

落ち着いてから息子や友人知人に安否をmessengerで訊ねる。
自分自身も被害はないことをFBに上げる。
息子は「必死で本棚押さえてた」のだそうだ。
うちのとおんなじ本棚だが、こっちは微動だにしなかったぞ。本1冊落ちてこなかった。
やはり建物の堅牢さが違うのだろうと思う。
まあ引っ越し前に荷物が崩れてくるような悲劇が起こらなくてよかった。

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なんとなく胸騒ぎと言うか、落ち着かなさがあってあまり眠れなかった。
珍しく同じマンガ家さんの作品を2日続けて紹介する。
地震と「7seeds」とは相性が悪い。
田村由美の「7seeds」全35巻はSFで、胸キュン恋愛もので、国家的陰謀モノで、サバイバルで地球規模だった。
人間がやらかす戦争とかも怖いが、やはり天変地異はさらに怖い。止めようがないんだもの。

22年3月17日

今日も全く使い物にならなかった。
ぼやーっとして過ごし、時々くるみパンを食べ、ずっとマンガを読んでるだけ。
インプットが多すぎてアウトプットが少なすぎると良くない、とせいうちくんとかが言うけど、アウトプットするエネルギーがない人はどうすれはいいのだろう。
おまけに引きこもりをしてるとホントに何にも変わったことはない。

今日はマンガの紹介だけして終わりにしよう。
今年最大の不調が来てるので無理はしない。
眺めて行ってください。

文書名 _[アベツカサ] 葬送のフリーレン 第01巻

アベツカサの「葬送のフリーレン」既刊7巻。
千年を超える寿命を持つエルフの一族、魔法使いのフリーレンは大昔に人間の勇者たちと一緒に魔王を退治する旅に出た。
「長かったな。10年だぜ」と言う勇者に、「どこが長いの」と返したフリーレンが人間との時間の差の大切さに気がついたのはもう遅くなってしまってからだった。
RPG好きな人はみんなきっと好きだと思う。
年齢不詳のツンデレが好きな人もきっと好きだろう。
人間は、限られた短い時間で精いっぱい生きている。

22年3月18日

今週はレンタカー借りてその辺を走り回ってみようかと思ってるし、ついでに息子を乗っけて帰って運転の練習をさせるつもり。
引っ越しの軽トラの前にやっといて欲しい。しばらくハンドル握ってないだろうから。

あんまり毎週こっちに呼んだらカノジョが寂しくて気の毒かと思ったが、カノジョは今、実家の手伝いが忙しくてそっちに泊まりっぱなしなんだそうだ。
「もう20日も一緒に寝てないよ。寂しいなぁ」と親に言える息子は開いてんのかだだもれなだけか。
でもその寂しさのおかげで「親でもいいか」としょっちゅう顔を見せてくれてありがたい。
4月頭には引っ越して2人の生活が始まるようだから、もうちょっとの辛抱だね。

次の住まいが共同賃貸物件と聞いて(これまでは息子の転がり込み物件だった)、息子のおなかを枕にして寝転んで話しかけた。
「結婚、するんでしょ?」
「するよー」
「結婚式、するの?」
「したいねー」
「あなたの大好きな沖縄で家族だけの小さな式とか挙げなよ。青い海にガラスの教会、白いドレスのカノジョ」
「いいねー…」

これからもわかるように、結婚というイベントに対する熱量が全然違う。
そりゃ本人のことだから別のイメージを持っているとか、既成の形に縛られたくないとか意見があるのかもしれないが、答えが全部ふよんふよん。
真面目に相手してないの丸わかり。
こんなこと、親の立場で問い詰めたらこういう答えが返ってくるもんだ、って、私はまだ学習できてない。
でも結婚式見たいな。
中島みゆきの「糸」歌ってもいいって許可もらってるんだよ、息子から。
最後んとこ2人の名前に替えて。
ギターの練習でもするかな。
いや、まずおニューの弦を買ってこなくては!

文書名 _[山本和音] 生き残った6人によると 第01巻

本日のマンガは山本和音「生き残った6人によると」既刊2巻。
現代的な新しいタッチの絵で繰り広げる「ゾンビvs.生き残り人間合戦」。
いろんなタイプの若者の生態・行動パタンが描かれていて、面白い。
この人はこれからもっと売れてきそうだなぁ。










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