北村浩子

フリーアナウンサー、ライター、日本語教師 FMヨコハマでニュースを担当したほか、本紹介番組「books A to Z」のパーソナリティを14年間務める。これまでに紹介した作品は2千作以上。放送時の音声はこちらから→https://lnns.co/BaQ6AdGx-mX
    • 「花をもらう日」
      「花をもらう日」
      • 24本

      失業していた27歳のときの、約1年のこと。連載のように書いていきます。フィクションですが、ほぼノンフィクションです。

『花をもらう日』第四章 花をもらう日⑦(最終回)

 3月はまだ、冬だ。セーターにロングジャケット、マフラー姿でわたしは通勤している。去年の冬にも着ていたものだ。  1年前の自分は朝4時に起き、星を見ながら自転車…

『花をもらう日』第四章 花をもらう日⑥

 昔何をしていたか、は、その人の価値を高める要素にはならない。肝心なのは今何をしているか、だ。  わたしは今、家庭教師センターの、アルバイトだ。少し前までアナウ…

『花をもらう日』第一章 無職、はじまる①

「またいつかどこかでお会いしましょう。さようなら」  言い終えるとわたしはカフ(マイクのスイッチ)を下げ、残りのBGMを聞き、ヘッドホンを外してお茶を一口飲んだ…

日本語学校エッセイ・番外編

これは、集英社文庫のサイトに全5回で連載した「今日も、日本語学校で」の番外編です。 「日本に外国人が来ること」「日本に外国人がいること」について、毎日のようにい…

『花をもらう日』第四章 花をもらう日⑤

 桜木町駅を降りて、目の前にどっしりとそびえている、反ったフォルムのタワーを見上げる。この、日本で一番高いビルの10階に、FM横浜、いや、ハマラジは入っているら…

『花をもらう日』第四章 花をもらう日④

  受付には蝋梅のアレンジメントが置かれている。が、今年に入って一度も上田くんに会っていない。 「この間、午前のシフトに入ってたけど、たぶんもうそんなに来ないと思…