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265日の妊娠生活、そして出産を振り返って

妊娠265日目に計画無痛分娩で出産を終えました。
産後入院中の今、妊娠から出産を経て、どんな変化があったか、(出産直後の気持ちを)記しておきたいと思います。
もちろんこれから先、振り返るとまた、違う感情が芽生えるんでしょうけど…


「計画無痛分娩」でも「痛くない」なんてことはない

「無痛」だからって「楽」なわけでも「ダメージ」がないわけではない

こちら、どちらかというと周囲の方にお伝えしたいことですが(特に親世代や、経産婦さん)、「無痛」分娩を選択したからといって、するっと魔法のように子どもが産める訳ではありません。
出産予定日の前日に入院し、硬膜外にカテーテルを入れるというのは局所麻酔をするとはいえ、やはり不安なものです。
そして翌日、計画的であっても、陣痛促進剤を開始すれば、痛みはありますし、その痛みの頻度やレベルは「経験をしたことがない」ことなので、判断が難しく、神経質になるし、緊張するし…そしてやはり猛烈に不安です。

分娩に至るまでの過程や、時間は人によって差があるみたいですが、分娩自体は想像よりも「無痛」ではありませんでした。笑
例えるならば、

これまでに経験したことないレベルの【生理痛+下痢痛】なのに便秘
  → 絶対出ないレベルのもの(胎児)が詰まってる
     → でもこれを出さないと永遠に終わらない(助けて〜涙)

もう少し、マシな表現ができないか考えたんですが、浮かんでこなかった…汗
「無痛分娩」なので、もちろん痛みは麻酔で緩和されています。
しかし、陣痛のタイミングは痛みを感じるし、胎児が産道を通る圧迫感は痛みにも近いものがあります。
そして、分娩で胎児を押し出すのは、私自身であり、全身の力を振り絞るのは、無痛分娩も同じです。
どこに力を入れればいいのかよくわからない、けれどとにかく「いきむ」。
立ち会った夫は「分娩台壊れるんじゃないかと思った」そうです。笑

(↓出産日のエピソードはこちら↓)

無痛分娩の翌日の痛み

私の場合、出産による傷も小さく、縫合は少しで済みました。
出産後しばらくは麻酔が効いているので、とくに痛みは感じず(アドレナリンが出ていることもあるらしい)、出産を終えた安堵感が全てに勝りました。
4時間後ぐらいにトイレに行きましたが、無事、排尿もでき、患部が痛むなぁ、ぐらいの気持ちでした。

翌日…
全身筋肉痛で、起き上がれない!
起き上がって座ると、患部が痛んで座ってられない!!
そりゃ、全身の力を総動員して分娩室したので、筋肉痛になるわなぁ。
色んな種類の痛みで全ての動きがスローに。
骨盤が開いていることもあり、なんだか歩行もユーラユラ。

そんな中、喜び勇んで家族が押し寄せ、私は気も心も休まりませんでした(出産当日も押し寄せたんですが…)。
そんな時に「無痛だったから、やっぱり楽?」とか聞かれてみてくださいよ…
無痛しか経験してないんだから、知らんがな!
ですよ。
と、いうことで、ご家族・ご友人の皆さま、嬉しいのはわかりますが、そっとしておいてあげてください。(ちょっと愚痴になってしまいました)

切迫早産が妊娠生活の始まりだったかもしれない

noteを書き始めたのも、切迫早産がきっかけだったのですが、それまで仕事中心、妊婦健診をめんどくさいとすら感じていたような人間でした。

(↓noteをはじめたきっかけはこちらから↓)

妊娠したら妊婦としての自覚が生まれる訳ではない

元々のパーソナリティによりますが、私は比較的「母性」的なものの持ち合わせが少ない気がしています。
(※そもそも”母性”がなんたるか、をきちんと定義できていませんが…汗)
人のことを気にかけたり、ケアしたり、どちらかというと苦手で、「自分のことは自分で」と自分自身にも、時には人に対しても求めていたと思います。

安定期に入ってから、夫に「お願いだから妊婦マークを付けて」と言われ、言い合いになったことがありました。
妊婦だけど、べつに動けるし」「妊婦だって触れ回って歩いてるみたいで嫌だ」というのが私の言い分でしたが、夫からすると「妊婦なんだから、妊婦として接してもらえばいい」「何かあった時に、妊婦であることに気がついて貰えないと大変なことになる!」という思いだったようです。

夫と口論までした妊婦マーク。
妊婦になってからと、それ以前と、このマークをつける人への共感度が確実に変化したと思う。

今になって、もっと妊婦らしくしておけばよかった、と思わなくもないですが、その時はどうしても嫌だった!
妊婦であることを理由に、自分を甘やかしたくなかった、とでも言いましょうか。
これは私自身がそう言う性格なのか、それとも仕事や社会環境からくる妙なプレッシャーなのか。
恐らくどちらもなんだと思います。

2ヶ月の安静生活で考えたこと

まさにnoteで書いたことを考えていたわけですが、それ以外にも、夫とはこれからの生活のこと、家族のこと、仕事のことなど本当によく話をしました。
安静中、他に話す人がほとんどいなかったことも大きいですが、「このパートナーと、生まれてくる子どもを育てるんだ」という認識がより強くなりました。
日本はまだまだ、男性の育児への関与が低い、なんてニュースもありますが、みなさん、お互いの考え・想いを話し合えてますか?
生活を共にするパートナーといえど、所詮は他人。
話してみると、驚くほど物事の捉え方が違ったり、はたまた同じだったり、これから共に子どもを育てる上で、合意形成までする必要はないけれど、お互いの考えを共有しておくことは非常に有意義だったと思います。

出産は新たな「知らない世界」の入り口

まだ産んでまもない子を見ていると、自分から出てきたこと自体が不思議に思えます。
同時に、「こんなにか弱い状態で生まれてきて、よく人類はここまで長らえたな」と感じずにはいられません。
それほどにまで産まれて間もない子は「ふにゃふにゃ」としていて、何を考えているのか分からない存在。

抱き上げ方も、おむつの替え方も、おっぱいのあげ方も…全てが「これで果たしてあっているだろうか?」の繰り返し。
入院中の今は、困ったことがあればなんでもナースコールで質問できるけれど、退院すればこのホットラインはないわけで、いきなり知らない世界に放り出される気分です。

この命を見守らねばならぬ

先に書いたように、妊娠したからといって母性が生じるわけではなく、そして出産したからといって、いきなり親としての自覚が芽生える訳でもないんだな、というのが今の実感です。
昨日から、子どもと同室で過ごしていますが(1日目・2日目は新生児室で預かってもらいました)、まだ未知の生命体を「観察」している気分。
とにかく「見守る」。
それが今私にできることであり、これを続けていくことが子育てなのかもしれない、と思い始めたところです。

appでの管理も考えましたが、育児記録はノート(アナログ)ですることにしました。
「続くかわからないけど、やってみよう」と。
入院前にノートに貼るカレンダーなどをちまちま印刷してペタペタしました。

もし、子どもを持つことを迷っているなら

子どもができたら(妊娠がわかった時点から)、今までと生活スタイルが変わる…それは間違いのないことだと思います。

  • 妊婦になると大変? → 人によってまちまちだけど、なんらかの制約は必ずある

  • 出産は大変? → 出産方法によって程度は違えど、身体にダメージがある

  • 子育ては大変? → まだまだこれからですが、「ふにゃふにゃ」とした我が子を目の前に「心配ないさ〜」とはならない。必ず「不安」「心配」が付きまとう(と容易に想像できる)。

つまり、子どもを持つか否か悩んでいた時の「大変そう」という大方の予想は当たっています。
そして、私が切迫早産で予定より早く産休に入ったように、予期できないことが起こることも決して珍しくありません。

じゃあ、その不安や心配、そして予測不能な出来事を凌駕するほどの「喜び」が待ち受けているか、と聞かれれば、まだわかりません。
ただ、確実に言えることは、これまでに経験をしたことのない「感情」が生まれる、ということ。
それは、単純に「喜怒哀楽」で表現できる感情というよりも、複数の感情が入り混じった、なんとも説明のできないものです。

感情のジェットコースターに乗車

ホルモンバランスの変化の影響もありますが、妊娠中も出産後も、感情の起伏が激しいなぁ、と自分でも驚きます。
これまで35年間生きてきて、様々なことを経験してきましたが、ここまでぐるぐると感情の波に飲まれているのは、はじめて。
10代や20代の頃、失恋をして「もう一生、明るい気分になれないんじゃないか」って思ったことや、留学中にどうしようもなく辛いことを経験したりもしましたが、そのどれとも違う。
その感情は、家族や友人に話をして、容易に共感をしてもらったり、「話せてスッキリ!」となるようなものではなく、自分自身で折り合いをつけていくことのような気がしています。

子どもを持つということは、これまでと全く違う、言葉では説明しづらい肉体的・精神的な経験をする、ということなんだと思います。
(※決して「説明できない」とは思いませんが、似たような経験がないと難しい…と感じます)
そしてこれ、何年続くのか…今はただ、無限に、未来永劫続くように思えます。

この感情のジェットコースターを乗りこなせるのか、しばらくは乗り物酔いが凄そうですが、
いざ、子育てステージに参らん!

これからは、子育てと私自身(と家族)の生き方の模索が始まります。
そちらもnoteに綴っていこうと思います。

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