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突然フリーランスが飽きて派遣社員になった話

2年ほど前、その日は突然来ました。
「あれ、フリーランス飽きた…」
また私が変なこと思い始めた。頭おかしくなった。きっと疲れているだけ。
そんな風に思い、浮かんだ思いを打ち消そうとしたのですが、日々その思いは強くなる。

WEBデザイナー・ディレクターとして7年企業で努め、突然うつ病になり退職。
1年半の療養を得てフリーランスに。
フリーランスになるつもりはなかったのですが、まだ企業で働けるような状態ではないし、何より他人と接するのが怖い。
他人と最低限関わり、自分のペースで自分の好きなことだけができる。
フリーランスを選んだのは、そんな消極的な理由でした。

フリーランスになって3年。生活するには困らない収入と、仕事を自分で選べるという自由。何時から仕事をしても良いし、何時間でも仕事をしても良い。眠くなったら昼寝をしても良いし、お菓子を食べながら仕事をしても良い。カフェで仕事をしたり、その帰りに海に寄ったり。
こんなに自由で自分で選べる仕事があったのか。最高じゃないか。
それでも、その日は突然来ました。

「あれ、フリーランス飽きた…」

自分の責任において何でも自由なのに、飽きた。何故?バカなのかな?
そんな思いに気づいてから1ヶ月。
「これは一旦働いてみないと気持ちが収まらない」

甘いものを食べたいと思うと、甘いものを食べるまで収まらないように、また組織に属して働かないと、この思いはきっと消えないのだろう。

さて、どうしたものか。とにかく他人と接するのが怖い。体力もない。
週1日とかで何か仕事ないかな…と選んだのがウォーターサーバーの売り子。
他人と接するのが怖いのに何故これを選んだのか、今になっても分からない。とりあえず働く。外に出る。週に1日。この条件に合ったのが、ウォーターサーバーの売り子でした。

1ヶ月くらい続けてみて外で働くのは以外といけるなと自信が出てきたのと、「私デスクワークしか向いてないわ」と気付き、ウォーターサーバーの売り子は辞めました。

「フリーランス飽きた」という気持ちが収まったかと思ったら、「私デスクワークしか向いてないわ」と次の仕事何にしようと考えている自分に気づき、
・週3日くらい
・時給が良い
・車通勤で20分以内
という条件で探したら、週5日フルタイムの派遣の仕事を見つけました。

3ヶ月ごとの更新…ということは、3ヶ月おきに辞められるチャンスがあるということか。なるほど。これならいけそう…と思い働き始めました。
イヤなら辞めれば良い。

3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月…あれ、1年経った。
気づけば1年が経った頃、気づいたことがありました。

「人と接するのはストレスだが、人と接しないのもストレス」

友達もほぼいない私は、取引先の人と打ち合わせで話すくらいで、他に誰とも話をしなかった。その打ち合わせも案件に慣れてくると対面ではなくオンライン、チャットのみに変わっていき、貴重な「他人と話す機会」が減っていったのです。

「フリーランス飽きた」と思う頃には、話をするといえばコンビニで「お箸つけますか?」「お願いします」これくらい。

他人とのコミュニケーションなんて必要最低限で良いと思っていましたが、意外と他人とのコミュニケーションに助けられていたんだな、と。その最低限の中に私は他人をしっかり感じていたのだなと。

今その派遣先でまもなく2年になります。正社員ではなく派遣であることが他人との距離感をうまく作ってくれています。
派遣の仕事から帰宅してフリーランスの仕事をしていますが、体力的には少々きついですが精神面でとても安定したと感じています。

まさか他人と接しないことがストレスになるとは、思いもしませんでした。
もし今1人で悶々としている人がいれば、何かしら他人と接する機会を持ってみると良いかもしれません。

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