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あっという間だった導入修習の感想

 和光は思っていたより近かった。
 それまで終点でしか和光市を見かけていなかったため、本当に実在するのか半信半疑だったが、いざ着いてみると私の最寄駅よりよっぽど栄えていた。

 導入修習も思っていたよりあっという間だった。
 これ以上、忙しない実務修習に上書きされる前に、導入修習の感想をまとめたいと思う。そして、ついうっかり機密情報を漏らすことのないよう、ポケットセキュポを脇に抱えながらnoteを書くことにする。

 そういえば「インドア法科大学院生」のTwitterアカウントを作成してから3年が経つ。垢バレしないように細心の注意を払ってきたつもりだったが、思っていたより多くのロー同期にばれていたことが修習開始前に判明したため、もう修習ではオープンにすることにした。
 赤色情報だと思っていたのはどうやら私だけだったらしい。普通に恥ずかしい。誰か「もはや緑色情報だよ」ってこっそり教えてよね。

1. 少しだけ悩んだ服装問題

-初日から私服で通所

 できる限り、スーツを着たくなかった。
 なぜなら、実務修習で飽きるほど毎日スーツを着るだろうし、動きづらいし、スーツは洗濯機でじゃぶじゃぶ洗えないからである。
 司法研修所だって「導入修習及び集合修習においては、上着やネクタイを着用しない服装で差し支えありません」と述べている。しかし、この言葉を鵜呑みにしていいのか。司法研修所が京都人だったらどうする。私服で行った日には、ぶぶ漬けでも勧められるのではないか。

 もちろん、ZARAで購入した半裸みたいな私服がダメなのはなんとなく分かる。しかし、オフィスに繰り出したことのない者が「オフィスカジュアル」なんて分かるわけもない。
 スーツを着たくないが、どこまで私服が許されるのか線引きも分からず、頭を抱えた私は76期の友人に聞いた。

非常識な無職は、社会人に平気で午前2:47にLINEを送る

 私は友人の返信を受けて「露出をしない」「清潔感があればいい」「とりあえずジャケットを羽織れば間違いない」の基準を立てた。

 初日は、ブラウンのジャケットに、くてっとした素材の淡いブルーのワイシャツ、そしてブラックのフレアパンツで通所した。男女含めて周りはほとんどスーツだったため、浮いたか浮いてないかの2択で言えば「かなり浮いた」が、ルールを破っているわけではないため、すまし顔をしておいた。

-クラスによって雰囲気が全く異なる

 その後は、ニットやワンピースを着てみたり、マーメイドスカートやデニムを穿いてみたり、上記の基準を満たすような私服を満喫していた。
 とはいえ、私のいたクラスはどちらかというと女子のスーツ率が高かったため、空気を読んで、私服の中でも比較的「きれいめ」なものを選んでいた。

 しかし、他クラスにお邪魔したり、食堂でみんなの様子を伺ったりすると、よりカジュアルな雰囲気が流れているところもあり、クラスによって全く傾向が異なると感じた。78期以降の後輩たちも、私服を着たい人たちは、クラスの雰囲気を見ながらうまくやってもらえたらと思う。

 また、巷では「教官は私服で来ている人たちをチェックしている」という噂も流れた。しかし、司法研修所が公式に「上着やネクタイを着用しない服装」を可としているのに、それをもってマイナス評価とするのは、いくらなんでも活きのいい罠すぎる。
 毒親じゃないんだから、ダブルスタンダードはやめてほしい。私は、大人たちへの希望的観測も含めて、噂を信じない立場をとった。

2. 親睦会とか飲み会とか懇親会とか

-私の中の「外向性」が大活躍

 先輩方に聞くと、みなさん口を揃えて「修習生は遊んだほうがいいよ」と言う。しかし「遊ぶ」とは一体何を指すのか。まさかドロケイやSケンじゃあるまいし、誘われた飲み会には積極的に参加してきた。

 幸いにも、初対面の人と話すことにあまり苦痛を感じない性格が功を奏した。というのも、私の外向性は遺伝子検査で「95」という高数値を叩き出し、MBTIではEの気質が「72%」も占めている。生粋のESFJだ。

(左)遺伝子検査(右)MBTI診断の結果

 流石に、遺伝子が陽気だと言わざるをえない。
 確かに思い返せば、毎日幼稚園に通うのが楽しくて仕方なかった。周りのほとんどの友達たちが「ママと離れたくない」と阿鼻叫喚する中、私は友達や先生に会えるのが楽しみでたまらず、早々にママの手を放して幼稚園にダッシュしていた。母親に少し寂しい思いをさせてしまったが、仕方ない。なぜなら、母親も陽気遺伝子の片棒を担いでいるはずだからである。

 修習で知り合った人たちとは週1~2ぐらい、ローからの友人とは週2~3ぐらいのペースでビールを飲んだ。給付金13.5万円では足りない!など戯言を口にしながら交際費を重ねた。来月のカード引き落とし日の私、頼んだよ。

-体調不良には注意を

 「遊んだ方がいいよ」という言葉に素直になりすぎて、純粋に私のキャパを超えた日があった。随分気合の入った体調不良だ……と悪い予感を抱えながら肩を丸めて帰ると、熱が39.0℃あった。

友人に「見てネイルかわいい~♡」と
LINEするか迷って没にした

 修習を休み、朝イチで病院に駆け込み寺したが、検査の結果コロナでもインフルでもなかった。せっかく、長い綿棒で脳みそをほじくる例の検査までしたのに、どちらも陰性というのは肩透かしを食らった気分だった。そしてその日の夜には、すっかり平熱の36℃台まで戻った。だから「これは知恵熱である」と結論付けた(バカの事実認定)。

 とはいえ、実際には自分のキャパを超えて活動しすぎて疲労が溜まったが故の風邪かもしれないとも思う。話で聞いていたような修習生活を送らなきゃ「いけない」気がして、たくさん人と会わなきゃいけない、もしくは活動的にならなきゃいけないという潜在意識がなかったとは言い切れなかった。
 78期以降の後輩たちには、無理をせず、それぞれ自分のペースで修習生活を楽しんでほしいと思う。

3. おわりに

 ローでの授業とは異なり、修習では「明日から使える実務知識」を学べるのが楽しかった。どう頑張っても法曹一者にしかなれないのだから、他の法曹二者のことを学べるのも楽しかった。クラスも恵まれていたと思うし、友人に支えられた面が大きい。

 和光、また来るからねー。

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