ショートショート#8番外編「告白水平線に会う」(作:人間)
「水平線の向こうはきっとあの世に繋がっているね。」
夜にささやく波音が独白した。
「あなたはどんな罪を犯したの?」
僕はしょうがないから告白する。
「働くのが嫌いなのに、働きすぎちゃったんだ。
倒れちゃったみたい。たぶん会社で。」
寄せる波に足がさらわれる。
海はくすくすと僕を笑う。
あなたはあなたのことが嫌いなの?と海は言う。
僕はうーんとうなる。
水平線に月明かりが広がりはじめた。
満月が広がって、すぼんで、海から夜空に生まれた。
月の道がすうっと海に橋をかけた。
「わからないよ。嫌いじゃなかったと思うけど。」
僕は月の橋をとぼとぼと歩いて水平線を目指す。
すぐだよ、と暗く明るい波音が言う。「水平線なんて、すぐそこだよ。」
ほんとに?僕は月の橋を走った。
たくさん走った先で、水平線が月明かりを食べていた。
水平線は僕を見て恥ずかしそうに言った。
「月が綺麗ですね」
僕は水平線に謝った。「僕は僕を好きになりたいよ。」
水平線は寂しそうに微笑んで、僕を砂浜の向こうに投げ飛ばした。
お題「告白水平線」をたらはかにさんからいただきました!
「告白水平線」難しすぎて、手遊び的に書いたのがこの短文です。
お目汚しをば。
ChatGPT先生と書いた作品はこちら↓
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