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自衛隊のパワハラの実態

こんにちは。今日は元自衛官の私が、自衛隊がパワハラなどのハラスメントにどういう対応をしているのか、ハラスメントをどう考えているのかを、自衛隊生活の実体験を踏まえて話していきたいと思います。
自衛隊でのパワハラがニュースになり、気になっている方も多いと思いますので、最後までお読みいただけたら幸いです。

今の時代なら完全にアウト、教育課程の経験

少し前に、自衛隊のドラマ『テッパチ』がありました。このドラマは自衛官に入隊した後に学校に入学した時の話をモチーフにしています。私は、このドラマを見て全然リアルじゃなさすぎて笑ってしまいました。
では実際の教育課程はどのような感じだったかお話していきます。

パワハラとは

自衛隊におけるパワハラの定義とは、

『階級、職権、期別、配置等による権威若しくは職場における優位性を背景に職務の適正な背景を超えて、隊員に精神的、身体的な苦痛を与え、職場環境を悪化させる行為』

をいいます。

羊のように頭を丸刈り 大行列の羊達

私が自衛隊に入隊したのは約12年前です。その当時自衛隊に入隊してまず初めに驚いたのは、自衛隊にはパワハラなどの概念がなかったことです。

自衛官は、入隊したらまず、教育隊に入学します。そこでは、まず初めに、入隊してきた自衛官は大きめの広場に集められ、上官に髪を丸刈りにされます。生徒たちは羊のように一列に並び、髪が飛び散らないようにバケツに頭を突っ込んで上官に髪を切られます。大体1時間ぐらいで生徒たちはみんな同じ髪型になるのです。

の時代、当時のこのような強制的な丸坊主はパワハラになります。

真冬の朝6時、上半身裸でランニング

自衛隊にの学校に入学すると、定期的に体力錬成や筋トレをさせられます。
その当時、驚いたのは、2月の埼玉の熊谷で、朝6時から上半身裸でランニングさせられたことです。集団生活の為、風邪も流行しましたが、現在は近隣の住民のクレームもあり、裸のランニングはなくなりました。しかし、

今の時代、当時のこのような上半身裸のランニングはパワハラになります。


被っていたヘルメットの上から頭を叩かれる

入隊中に同じ班にいた同期の話です。彼は入隊当初は太っていて、運動が苦手でした。自衛隊では匍匐(ほふく)前進を学びますが、彼は太っていたために正確に匍匐前進ができませんでした。ある時、彼は匍匐前進中に、姿勢が悪い、速度が遅いとの理由から、上司にヘルメットの上から頭を踏まれていました。私はそれを後ろから見ていて衝撃を受けたのを今でも覚えています。

今の時代、人の頭を踏む行為はパワハラになります。

『パワハラ』が注目されている時代の流れ


近年ハラスメントという言葉が注目され、ニュースでも元自衛官が訴えたり、加害者も処分されたりと、自衛隊の中でも色々と変革が起きています。

2024年の1月18日、防衛省は令和6年度から新入隊員の原則丸刈りとするルールを廃止することを決めました。また、自衛隊の中でも、カウンセラーを増員したり、第三者のハラスメント相談窓口を設立するなどし、ようやくハラスメント防止に向けて動き出しています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回お会いしましょう。

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