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自衛隊の基地内生活の実情

こんにちは。今日は元航空自衛官の私が経験した、基地の中の生活について話していきます。12年間の自衛官生活の中で記憶に残っている出来事を話していきますので、基地の中の自衛官の生活について興味のある方は最後まで読んで頂けたら嬉しく思います。

全額無料の基地内生活

皆さんは自衛官の基地内生活について堅苦しくて厳しいイメージがあるかもしれません。しかし、厳しいのは前回の記事でお話しした、教育課程の間だけです。教育課程を卒業した新人自衛官はそれぞれの部隊に配属され、基地内生活者になります。基地内の生活環境はとても快適で、備え付けの家具家電はもちろん、食事や風呂、光熱水量は全て無料で給料は自分の為だけに使うことができます。

モンスターだらけのルームシェア生活

基地内生活はルームシェアです。基本的には一部屋に3人から4人で生活し、自分のパーソナルスペースはほぼありません。しかも、去年まで高校生だった新人や、一人暮らし未経験の32歳新人が毎年入隊してきます。中には常識が通じなかったり、窃盗を起こす問題児もいます。最近の自衛隊は一昔前のいわゆる体育会系ではありません。パワハラを恐れて新人隊員を指導出来ない先輩が多いのです。
数ある問題児の中でも特に印象に残った隊員を紹介します。

アイス泥棒、盗んだアイスは・・・

これは、私が入隊して5年目の時の話です。
そのころ、冷蔵庫からプリンやアイスなどの窃盗事件が頻発していました。

ある時、同じ部屋の同期の木山のハーゲンダッツが盗まれました。木山はこれまでに3回アイスやデザートを盗まれ、めちゃめちゃ憤慨し、私と一緒にアイスを探すことになりました。

木山と一緒にアイスを探すために、各部屋をまわりました。3部屋隣の部屋でアイス捜索の聞き込みをしていると、廊下から2年先輩の工藤がスプーンを持って部屋に入ってきました。工藤は小太りで、その時28歳の先輩でした。帰ってきた工藤のグレーのスエットのズボンのポケットを見ると、膨れていて、明らかに何か入っていました。木山がアイスの話をすると、工藤は知らないし、部屋から出ていけと言いました。それでも自分と木山はゴミ箱の中や、机の下などあらゆるところを調べました。しばらくして工藤を見ると、ポケットのまわりがべしょべしょに濡れており、ポケットからはアイスが飛び出てました。

木山は工藤のポケットから『木山』とマジックで書かれたハーゲンダッツを取り出し、翌日上官に窃盗事件として報告しました。

工藤は窃盗容疑で減給処分を受け、翌年依願退職しました。

泥酔の先輩、ベットはトイレじゃありません

これは私が入隊して間もないころの事件です。
この事件が起きたのは12月の忘年会の後でした。この日、私がいた部隊の忘年会がありました。私は新人隊員でしたので、門限の10時までには基地に帰らないといけず、2次会には参加せず、1次会で基地に帰ってきました。
帰隊後、シャワーを浴び、ベットで寝ていると、勢いよくドアを開け帰ってきた先輩の音がしました。先輩の佐藤は泥酔しており、なんとかギリギリ自分の部屋にたどり着いたみたいな感じでした。
ベットに倒れこんだ佐藤は、しばらくした後おもむろに立ち上がり、自分の方に歩いて来ました。
佐藤は歩いてきた足を止めて、いきなり自分のお腹らへんにめちゃめちゃションベンをしてきました。

自分は飛び起きて大声を上げ、その後、騒ぎで同じフロアにいたほとんどの自衛官が私たちの部屋に駆け付けました。

翌日、私は上官に傷害事件として報告しました。

佐藤は傷害容疑で外出禁止の処分を受け、翌年別の基地に転勤しました



今回は基地内生活についてお話ししました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いしましょう。

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