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ぼく、炭酸を飲むために生まれてきたのかも。

「ぼく、炭酸飲むために生まれてきたのかも。」

メロンソーダーからの、コーラからの、ジンジャーエールからのスプライト。ガストのドリンクバーでいろんな炭酸を飲みながら、息子はそう言った。

小学2年生の息子は、炭酸が大好きだ。

1か月500円のおこづかいを、すべて自動販売機にて、炭酸飲料を買うのに使っても後悔しない男だ。



「ぼく、ポテト食べるために生まれてきたのかも。」

なに食べたい?と聞くと、すぐに「マクド!」という息子。マクドのポテトが大好きすぎるらしい。ポテトをすごいスピードで頬張りながら、息子はそう言った。

小学2年生の息子は、ポテトが大好きだ。


「ぼく、猫とモフモフするために生まれてきたのかも。」

フワフワの猫に顔をうずめながら、息子はそう言った。

小学2年生の息子は、猫が大好きだ。


「◯◯するために生まれてきたのかも。」

おそらく何かを「すごく好き」と思った時、この言葉に置きかえているんだと思う。

それはきっと、最近読んだ絵本の影響だと思った。

「胎内記憶図鑑」という絵本。絵本作家ののぶみさんと、産婦人科医の池川明さんがコラボして描かれた絵本だ。

産婦人科医をしていると、お母さんのお腹の中でのことを話し出す子供がいるらしい。そしてびっくりなことに、お腹の中に入る前のことを話し出す子供もいるらしい。

お腹の中のことや、お腹の中に入る前のことを覚えている6000人の子供たちから話を聞いて、それをまとめて描かれたのがこの絵本だそう。


こんな想像力のふくらむ絵本は、もう私の大好物で、うっかりAmazonでポチッてしまった。

真実がどうなのかは、正直私にとってはどうでもいい。その物語を信じることで、ほんのちょっぴりたのしくなればいい。ほんのちょっぴり生きやすくなればいい。そう思っている。

私にとって、この絵本の物語は「信じてみたい物語」だった。


くわしい絵本の内容はここでは説明しないけれど、私はこの物語を読んで、「なんだか人生を重たく考えすぎていたのかもしれないな」と思った。

「ちょっと沖縄に旅行に行ってくるね」くらいのライトな感じで、地球に生まれてきているのかもしれない。

沖縄にしかない、ちんすこう、サーターアンダギー、ソーキそば、海ぶどう、美ら海水族館、植物やお花、人との関わり・・・それらを味わって楽しんで、また家に帰るみたいに。


地球にしかない、食べ物、味、色、形、感触、匂い、いろんな動物や植物、人との関わり、いろんな気持ち・・・それらをただ味わって楽しんで、また空に帰る。

そんなふうに感じた。


私も息子みたいに、自分の「すごく好き」の言い方を変えてみた。


私、ポテトを食べるために生まれてきたのかも。チーズを食べるために生まれてきたのかも。カフェラテを飲むために生まれてきたのかも。お味噌汁を飲むために生まれてきたのかも。猫とたわむれるために生まれてきたのかも。本を読むために生まれてきたのかも。お風呂に入るために生まれてきたのかも。おもしろいドラマや映画を見るために生まれてきたのかも。チャットモンチーの音楽を聴くために生まれてきたのかも。

私、おしゃべりするために生まれてきたのかも。人を好きになるために生まれてきたのかも。恋をするために生まれてきたのかも。手をつないだり、ハグしたり、キスしたりするために生まれてきたのかも。家族や友達とゲラゲラ笑うために生まれてきたのかも。夜遊びするために生まれてきたのかも。

私、子供を生むために生まれてきたのかも。子供を抱っこしたり、手をつないだり、ハグしたりするために生まれてきたのかも。子供とおしゃべりするために生まれてきたのかも。子供が育つ様子を見るために生まれてきたのかも。

私、仕事するために生まれてきたのかも。だれかに喜んでもらうために生まれてきたのかも。だれかの役に立つために生まれてきたのかも。


私がすごく好きな、
小さなことから大きなことまで。

私がすごく好きな、
立派そうに思えることから、
どうでもよさそうなことから、
なんだか人間くさいことまで。


全部全部しっくりきた。どれも私の「生きる意味」のような気がした。だから、どれも大切にしたいと思った。

だからこそ、息子の「すごく好き」と「生きる意味」も大切にしたいと思った。


とはいえ、あまりにも炭酸を飲みすぎるのも・・・ポテトを食べすぎるのも・・・猫とモフモフしすぎてダラダラしすぎるのも・・・

そんな葛藤が湧いてくる。

でも、もし本当に炭酸を飲むために生まれてきたのなら、炭酸を飲みすぎても大丈夫な体で生まれてきているはずだ。

もし本当にポテトを食べるために生まれてきたのなら、ポテトをしっかり消化できる体で生まれてきているはずだ。

もし本当に猫とモフモフするために生まれてきたのなら、ダラダラしてても生きていける人生設計で生まれてきているはずだ。


そうやって、自分を安心させる物語を作り出しながら。

今日もたくさんの「すごく好き」に囲まれて。今日もたくさんの「生きる意味」に囲まれて。

あと数十年の旅を、存分に楽しめたらいいなと思う。

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