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バクラクのカスタマーサクセス、これからの広がりとチャレンジについて

こんにちは。株式会社LayerXが提供しているバクラクシリーズのカスタマーサクセス(以下、CS)部でお客様の導入支援(オンボーディング)を行っている古賀(@tomo_rim)と申します。社内ではkogappiと呼ばれています。

このnoteでは、これまでのオンボーディングをどう変えていくのか、なぜやるのか、現状の課題とは、についてはお話させていただきます。
結論を先に申しますと、まだまだ課題だらけなので、これらを一緒に解いてくれる仲間を募集しています!というものになりますmm

この課題を一つずつ解いていくその先には、お客様の喜びの声とビジネス成果、その結果もたらされる事業成長があり、ワクワク感とやってやるぜい!というお気持ちしかない環境となっております。


これまでのオンボーディングについて

わたしが、LayerXに入社したのが昨年の4月なので、現在1年半ほど経過しており、入社以降バクラクのオンボーディング業務に携わっております。
この度、従来おこなってきた導入支援体制からギアをググッといれてよりよい体制にしていくべく、この秋から意志を持って大きな変化を推し進めています。

これまでのバクラクのオンボーディングは社内メンバーですべて行ってきていて、CS部内ではここに一番人員を割いて対応してきました。
元々はハイタッチオンボーディング中心にやっていましたが、昨年よりセルフオンボーディングの実施もはじめています。セルフオンボーディングでやってきたことはchisuminのnoteが詳しいので解説はそちらに譲ります。

セルフオンボーディングは、お客様がご利用なさっている会計ソフトや導入製品にもとづき実施してきたのですが、今期よりオンボーディングを有償化しました。
有償化することで、お打ち合わせ等なしで自立的に設定から運用開始まで進めていただくか(この場合は無料)、スケジュール管理、運用相談などお打ち合わせ中心にすすめていくか(この場合が有償)、をお客様自身でお選びいただくことが可能になりました。

これからのオンボーディングについて

パートナーとの協奏による理想的なハイタッチオンボーディングの実現を推進していきます

有償化することで、ハイタッチオンボーディングの型化をより一層進めることができました。
そのため今後は、バクラクリリース初期から行ってきたハイタッチオンボーディングを、パートナーとの協業体制にて推進していくことになりました。

お客様に長くバクラクをご利用いただく中で、オンボーディング期の体験はとても重要なものだと認識しており、それは社内認識としても共通のものがあります。
そんななかで、パートナーと協奏する道を選んだのは、オンボーディングを型化することで、よりプロである方に専門的にサポートいただくことがお客様のオンボーディング体験の向上に資すると考えたからです。
お客様の業務全体の最適化から逆算したときに、自社で完結させるより、パートナーとご一緒する体制を築くのが大事だと考えました。
具体的には、「バクラクに詳しいだけ」ではなく、バックオフィスの方々が使うツール(例えば会計ソフトなど)に精通していたり、士業の資格を有している方のほうが、お客様の業務理解や解像度が高いことが考えられます。
バクラクの業務領域を俯瞰すると、バクラクがカバーしている前後のツールが必ず存在しています。その前後の知見を併せ持つパートナーを「プロ」と定義しています。

わたしたちが知っているトヨタの自動車やAppleのiPhoneをはじめとした世にあるプロダクトを思い出してみましょう。
よくよく考えれば、かれらは製品の部品をいちからすべて自社で一貫して作っているわけではなかったりします。

では、なぜパートナーとの協業を推進することをきめたのかについて後述します。

なぜやるのか

それは主に以下3点の背景があり、意志をもって取り組んでいくことを決めました。

1.より多くの方にバクラクを届けきるための投資を行っていくから
2.海外SaaS基準の高い生産性を目指しているから
3.型化が進み標準的な対応が可能になったから

1.より多くの方にバクラクを届けきるための投資を行っていくから

この秋から、CS部は将来に向けて部内に複数の新設チームを立ち上げています。このへんは、各チームの立ち上げメンバーがnoteを書いているのでそれぞれご覧いただけると嬉しいです。(本note下部にリンクおいておきます)

「圧倒的に使いやすいプロダクトでわくわくする働き方を」届けきるためには、まだ解けていない(把握すらもできていないような)課題がありすぎます。
そのため、CS部内でそれぞれの課題に対してコミットするチームを組成したのですが、これらをやるためにはリソースの確保が必要になります。
もし、今後も従来のやり方でオンボーディングしていけば、ひたすらみんなでオンボーディング中心の日々を送ることになり、目の前の対応に追われることになっていたはずです。
中長期的な目線で重要度の高い課題に着手していくために、CS部内で一番型化が進んでいるオンボーディングのプロセスをパートナーへ委託する、という意志決定を行いました。
そうすることで、未来への投資(今いるお客様とまだ見ぬお客様により一層のバクラクを届けるための打ち手をうつ)ができるような体制をとっていきます。
よくよく考えれば、セルフオンボーディングの推進、サポートプランの有償化といった過程を経たことで、今回の意思決定ができたのだなと感じます。

2.海外SaaS基準の高い生産性を目指しているから

弊チームのマネージャー東の先日のnoteでも言及していますし、ネットでも目にすることもあるかと思いますが、CSで持っておくべき経営指標の一つが「生産性」です。
わたしたちは、投資家や株主の方からお金を預かって事業を行っているため、お客様だけとだけ向き合っていればいいわけではありません。
投資家や株主の方からの期待と信頼を事業成長というかたちで還元するためにも、ここは抑えておかなければなりません。

実は、グローバルSaaS CSの一般的な指標として、
・CS一人当たりのARRは1.5億〜2億
・CS/サポート人員にかけられる費用は、累積ARRの10%まで
という指標が存在します。
上記は製品原価と呼ばれる領域の考え方です。
Expansion人員はこれとは異なり、販売管理費として計上されるため、いわゆる営業生産性の指標を利用して人員計画を作成する必要があります。

CS部マネージャー東のnoteより

3.型化が進み標準的な対応が可能になったから

上でも少し触れましたが、今期よりオンボーディングを有償化する過程で、導入支援時に実施するサービスの対応範囲を定義しました。
これまでよしなにやっていた部分を明確にし、オンボーディング中の「やる・やらない」をはっきりさせたことで、副次的な効果として、一層の型化が進みました。

こういった背景を主な理由として、上記の取り組みを進めていくことになりました。
よりスケーラブルなCS組織をつくっていくために、パートナーとの協業体制を築くことは、必要な要素であると考えます。

どのようにやるのか

今回の取り組みはCSとして右も左もわからない手探り状態なので、今後課題になるであろう点について仮説をもとに、実行と検証を繰り返していく予定です。
わかりやすく想起される点でいえば、従来比で一定水準のオンボーディングが担保できるか、という点です。
前述の「業務領域におけるプロである」以外の点において、社内メンバーとは異なり、コントロールができない部分が増えてくると思います。
そのため、まずは以下に着手せねばと考えています。

  • 変数を減らす取り組み

  • 変数の質を担保する取り組み

以下、考えていることを一部共有いたします。

変数を減らす取り組み

社内メンバーでオンボーディングをやっていく場合は、追加で提案できそうな製品があればご案内したり、個別にくる相談は適宜対応するなどいわばよしなにやっていました。(オンボーディングの有償化に伴い型化が進んだとはいえ、まだまだよしな部分は残っています・・)
よしなにやっている領域を狭めて、注力いただく領域を明示化していくことが肝要だと考えています。
例えば、追加提案であればカスタマーセールスのチームへトスアップする、お客様からの個別の相談は受けないようにして、すべてカスタマーサポートへ問い合わせいただくようコミュニケーションする、などです。

変数の質を担保する取り組み

社内メンバーでやっていく場合は、毎日Slackやオンライン上で日常的にコミュニケーションがとりやすく、相談や質問がしやすいです。また弊社は勉強会も日常的に行われているため、常々増えていく仕様の理解等のインプット機会がたくさんあります。
一方、パートナーとなるとそうはいきません。お客様へバクラクのオンボーディングを行う、それに必要な一定水準でのインプットについて、担保していく取り組みの必要性があります。

というように、オンボーディングのパートナーとの協奏体制において、やらなければならないことや解くべき課題はまだ山のようにあります。
ここまでの話から、「バクラクCSのオンボーディングプロセスってすでに完成されたものだから、パートナーとの協業ができるんだよね?」「それ以外の課題はもうないんだろうなあ」と思った方がいたとすれば、まったくそんなことはありません。むしろまだまだ課題だらけです。
オンボーディング期における今後の課題を一人で洗い出しただけでもゆうに100個以上ありました。笑

課題整理途中の図がカオス

完成形なんて程遠く、お客様の業務がバクラクになるようにご支援していく、その最初の一歩となるオンボーディングの期間をもっともっとなめらかにしていきたいと思っていますし、まだまだその余地があります。
今のオンボーディングは完成したわけではなく「第一章:完」みたいな感じで、第二章がはじまるぜ!といった状況です。

今のオンボーディングチームの課題について

課題と考えているものをいくつか共有させてください。(たくさんあっておさまりきらないため、一部抜粋ですmm)

パートナーとの協奏体制の型化

上記でお話したCS業務におけるパートナーとの協業ははじめての取り組みです。仮説を立てて、施策の効果検証をおこなっていく必要があり、試行錯誤のフェーズです。

今ある型が完成形ではない

一定の型化が進みお客様が利用開始するまでを見届けられています。しかし、それはあくまで供給者視点での型でしかないと考えます。
具体的には、お客様のご利用環境において、ご利用開始いただくために必要な設定がすべてなされているか、やバクラクの利用状況の数値をみたりしています。
ですが、お客様のお悩みやユースケースによっては、よりよい設定方法や運用の方法があるにもかかわらず、それができていない(そもそもそこまで検知する・ご提案する仕組みがない)といったことがあります。
お客様視点で本当の意味で利用できているのか、お客様はバクラクを利用した先に便益が享受できる状況なのか、を考えていく必要があります。
と同時に、わたしたちとして「バクラクはこう使っていただくのが最高なんですよ!」をしっかり届け切りたいとも思っています。
バクラクにはお客様を主語にした、ユーザー体験中心の設計思想があります。その想いを届け、理解・納得いただいたうえでバクラクを使っていただきたいお気持ちがあります。

隣接チームとの連携

隣接チームとの連携はとても重要です。セールスチームとの連携を例にあげます。
現在ご契約いただくお客様は業種や規模も様々で、お客様によって異なる商習慣や業務フローが存在しています。
また、バクラクは2週間に1度の機能アップデートをおこなっているため、できることも次第に多くなっています。
そのため、お客様にとっては導入前に仕様の検証をすべて終えることは現実的ではありません。
おそらく検討段階では他社製品も含め検討なさっているはずで、各社分の仕様と必要な検証を行うといったことはとても大変で、最低限押さえておきたいポイントに絞って検証なさっているはずです。
また、事業視点からみても、受注までのリードタイムを短くすることは大事なポイントです。お客様視点と事業観点で、お互い納得感のある検証を行いスムーズに導入いただくことが大事だと考えます。
商談時にセールスチームの方が業務フローのヒアリングを行っており、CSはその情報を引き継ぐのですが、お打ち合わせでは、それを更に深掘りしてバクラクを利用するうえでどのようなフローにしていくか、といった工程がオンボーディング期に発生しています。
たとえば、それらのユースケースをパターン化しセールスチームと連携することでより、お客様に合わせた提案が商談時からできるのではないかと考えます。
また、そうすることで商談時とご契約後のオンボーディング期のできる・できないのギャップも減らすことができるのではないかと考えます。

属人性の排除

今月からCS部内にも複数チームが立ち上がっているため、CS内チーム間の連携が重要になっていきます。
これまではオンボーディングを担当したメンバーがオンボーディング完了した後の問い合わせ対応したり、追加商談をしたり、リニューアル対応や価格交渉等をなんでもやっているケースがありました。
そのため、お客様情報が担当者個人に閉じており、顧客情報管理の観点では共有資産化されていませんでした。
今後は分業体制の色が強くなります。属人性を減らしていき、チーム全体でお客様対応が実現可能な基盤整備をしていかなければなりません。
社内のみんながお客様のことを把握しており、誰が対応しても同じやり取りができることが理想です。
各種ツール間の連携による自動化も推し進めるべき課題です。お客様によって導入後の対応フローが異なっており、複雑性が高まっています。
自社の業務フローを整備しなおし、あるべき状態に対して自動化できる部分はまだまだあります。

まだまだあげたらキリがないですが、本日はこの辺にしておきます。
ご興味ある方はぜひお気軽にお声かけください!お話しましょう!

これらの課題に対して、実現したいことを考えれば考えるほど、CS、しかもオンボーディングに関わるメンバーだけは到底実現は無理です。
CS部内はもちろんのこと、隣接する他のチームとの協働が必要になってきます。
各チームが部分最適になってはいけなくて、「お前のKPIは俺のKPI」理論で全体最適をあきらめず地道にやっていくのみです。

お気軽にお話しましょう

そして、ここまでの話は今いるメンバーだけで実現できるわけがないのです!
以下のnoteの内容を見れば、CS部内の各チームそれぞれが一緒に作り上げてくれる仲間を必要としています。
いつでも大歓迎なので、カジュアルにお話しましょう。以下のリンクからぜひお声かけください!

バクラクCS部みんなのnoteたち

CS部メンバーが書いているnoteです。
どのnoteもとても素敵な内容で、今のバクラクCSが知れる内容になっています。
ぜひご一読いただけると嬉しいです!

それでは以上となります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!









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