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お願いもう少しだけ、29歳でいさせて【クロアチア・プリトヴィツェ】

お願いもう少しだけ、29歳のままでいさせて。

30歳の誕生日がくるまで、あとちょうど1ヶ月になった。30歳が嫌なわけじゃない。私はこの仕事に就いて、20代よりも輝いて生きている30代、40代の先輩方の背中をたくさん見ることができた。

ただ、もう少しだけ待って。20代のうちにやりたいと思っていたことが、まだあるの。もう少し世界が見たい。あともうちょっと、気が向くままに旅がしたい。

お願いまだ、30歳にならないで。

プリトヴィツェ湖群国立公園にきて、思う存分20代最後の夏を、そう青春の名残を惜しむように堪能しているはずなのに、どうしても30歳の足音から逃げていたい。と思ってしまう。

20代最後の100日間、ちょうど100日間を残して、旅に出始めた私。

そろそろ旅に出て2ヶ月が経つ。60回の夜を経て、60回の朝焼けを見て(もちろん寝過ごしていた日も多い、比喩だ)。

いくら国を越えても街を越えても、私の中身は変わらない。 肌が日を経て少しずつ、小麦色に近付くだけで。

自分なんて、世界のどこを探してもいないよ。どこまで遠くに行っても、知らない世界を見ても、どんなに知らない踊りを踊っても、自分なんてものはみつからない。

世界一周バージン喪失の第一歩|佐野知美|note(ノート)

旅立つ前の私、こんなことを言っていた。よく分かっているじゃない。そう、自分なんて探したって、海の向こうにいるわけない。

私は私を知っている。だからこそ、旅に出る。そうしなければ、もう前に進めないと思うから。私は旅に出て進化した自分を見たいんじゃない(いやもちろん進化して戻ってきたいけど)。旅に出て自己満足して、立ち止まったあとに前を向いてこれからの人生を生きていくために、どうしても必要な「作業」なのだ。

あぁ、そうね。いまは作業を辿る途中。船に乗って、バスに乗って、電車に乗って、飛行機を乗り継いで。1000キロ、2000キロ、7000キロの距離を飛び越えて、会いたかった自然景観に会いに行く。

Aribnbという宿の取り方を選んでよかった、と思っている。時折今日みたいに、ディズニーシーのミラコスタに泊まるように、世界遺産の敷地内にホテルをとって、そこで暮らすようにホテルで過ごすのも、選択肢としては悪く無い。少し値段が張ったとしても、優先順位を間違えなければ、使いどころはあると思う。

贅沢なことをしている、と今でも毎日思う。60回、毎日まいにち、寝る前にありがとう、と誰かに思う。

「ひとりは寂しくないの」と聞かれたりする。「帰りたくならないの」と。

帰る場所のない旅はできない。|佐野知美|note(ノート) 

でも、帰る場所があるから旅ができるし、私は世界中でWi-Fiを拾いながら旅をして、日夜日本と連絡をとっているから、本当の意味で「独りだ」と感じることは、むしろどちらかと言えば難しい。

まだもう少し、旅がしたい。

できることなら、真冬のプリトヴィツェの旅もしたい。初夏の小鳥の鳴き声に囲まれながら、木漏れ日に身をうずめるのも気持ちいいけど、冬のしんとした雪の中で、サクサクと足音をクロアチアに刻むのも捨てがたい。

ひとつとして、通ってこなければよかったと思う道がない。

旅も、これまでも。遠回りだとしても、一見無駄に見えたとしても、きっといつか「あれがあってよかった」と言える日が来る。

元気でいなきゃ。笑うことを忘れないようにしなきゃ。こうやって太陽の恵を前身で享受できる日々は、大きな声を上げて笑いたくなるような、たまに泣きたくなるような、ものすごい幸せで満ちている。

※そうかもしれません(笑)。

いつも遊びにきてくださって、ありがとうございます。サポート、とても励まされます。