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ともみの部屋

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伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年4月〜
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#旅行

「ただいま日常」と想うくらいには、この街に馴染み始めて【東京・世田谷】

今までの私なら、絶対に頼まないようなメニューを頼む機会を増やした。否、増やしている。 例えば今日、いまこの時に手元にあるのは、ラテとあまーいホワイトチョコがかかったドーナツ。これまでは頼むとしたらコーヒーはブラックか豆乳ラテだったし、スナックならクラシックなスコーンだった。 別にチーズのたっぷりかかったチキンカツとか(メルボルンの名物だった)、お肉たっぷりの何かを突然選ぶようになったとか、そういう話じゃない。いつもの日常を、少しだけ「いつもと違う」で彩るようになっただけ。

その深く鮮やかな青に、「ただいま」を【オーストラリア・バイロンベイ】

いつか、もう一度戻ろうと想っていた。人生3度目のバイロンベイ。 けれど、ただ訪れるだけじゃ泣いちゃう気がしてた。きれいな思い出が詰まりすぎていて。前回の訪問は、本当に素敵な日々だったから。 だから、今回の撮影で「バイロンベイへ行くよ」と聞いた時、うれしいような切ないような、混ぜこぜになった気持ちで私は頷く。返事をする。 揺れるキャンピングカーの大きな車体、晴れ渡る空、吹きすさぶ夏の始まりの風。奇しくも前回もこの季節だった。頰撫でるこの風、なぜなの、2年も経つのにどうして

すべては巡る、映す、還る。笑いかけてほしいなら、まずは私から笑おうか。

特に変哲のない意見だけれど、旅が教えてくれることって、結構人生の中で多いんじゃないかと私も思う。意外にひとりは寂しかったり、楽しかったり、出会いはなくとも発見があったり。お金が結構かかったり。 移動する距離に比例して、持っている荷物が軽くなる気がすることもある。飛行機や船に乗った時の、ふとした気持ち。特に私は日付変更線を超える移動が大好きで、あの「どこにも属さない時間」の中は、免罪符のような、今はなにも考えなくていいような、とにかく本だけ読みたいと、いつもみたいに忙しくない