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ともみの部屋

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伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年4月〜
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#タイ

スーツケースとシャンプーと彼

昔からシャンプーという代物が大好きで、いろんな香りを楽しんでは次から次へ、と愛用品を変えていた。 たしかそれは小学校、中学校からの私の密かな楽しみで、大人になってもそれは続いた。 最近好きになったのは「COTA i CARE」の「シャンプー5 ジャスミンブーケ」だった。もとは旦那が髪を切った時に、サロンの特典スタンプが貯まってもらったとかで、家にそれを持ち帰ってきたのがきっかけだった。 香りが大好きだったのだ。それに加えて、いままで使ったどのシャンプーよりも

雨とカラフル【タイ・チェンマイ】

屋根が雨に打たれる音を聞く。シトシト、でもなくザァァ、でもなく、バケツをひっくり返したような、という状態の擬音が思いつかなくて、やっぱり今日もザァァ、とバカみたいに繰り返す。 もうすぐアジアの各地は雨季に切り替わる季節になる。もう、雨季に入ったところもあるだろう。チェンマイも、つい数日前まで気がおかしくなりそうな暑さだったのに、この2〜3日は過ごしやすく、つい日焼け止めを甘く塗ってしまう時間が続いていた。 夜、雨が降ることが増えた。といっても朝は止むし、「え、ぼく雨なんか

「ここではないどこかへ」という私の病と原動力

「いまの自分を認めることもしてあげたら」 大学生の頃、就職活動を始めようかと、重い……いや軽かったな、軽い腰を上げてエントリーシートを書きはじめた私に、友達が言ったことば。きっとあなたは覚えてないと思うけど、そのあとずっと、あなたの言葉は私の心を支えている。その友人をPちゃんと呼ぼう。ちなみにこれは、よく使われる「友人Aさん」とかではなくて、まじで私が「ぴぃちゃん」と呼んでいたことに由来する。 「佐野さんの枯渇力、やばいです」 社会人になって、3つ目に所属した会社で

街をゆけば、祈る声が歌になって【タイ・チェンマイ】

いくら時差が少なかろうと、ウェブの恩恵を存分に受けて毎日を過ごしてみようとしたとしても、私がいまタイのチェンマイの街にいることに変わりはなくて、ふとPCから目を話してそとを見れば、そこは英語とタイ語が行き交う見知らぬ地だった。 でも今日、丸一日観光をしようと自転車を借りて街を流して、買い物をしてごはんを食べてお寺に行って祈りを聞いて疲れてはぁ、と思ったときに 家に帰ろう、と思った。 家ってどこだ。私はたしかにツーリストのはずなのに、もうずっとここにいるような、それでいて

女一人旅を助けてくれる「Airbnb」の素敵な宿4選 −バリ・チェンマイ−

チェンマイという街ってやつは、すごくすごく素敵なところだな、と思う。何が好きって、私はタイが好きなんだと思う。タイ料理が好きだし、雑貨はかわいいし(ワンピースしか買ってないけど)、物価はわりあい安めだし、なによりチェンマイは街の大きさがいまの私にはちょうどよいような気がしている。 歩くには少し広くて、バイクがあったらすごく近くて、自転車だとただただ暑い。(いまはまじで暑い。日に日に腕が日焼けしてしまってこれはいかがなものかと思い始めている。ちなみに顔は死守しているから色の差

何かの風景になれればいいのかもしれないと思った。【タイ・チェンマイ】

随分遠くへ来たものだ、とはあまり思わない。むしろ今日、いますぐに思い立ってWi-Fiをつないで、スカイスキャナーかANAのサイトで成田か羽田行きの航空券を予約すれば、早ければ今日の夜、遅くても明日には、家に着いて旦那に会って、あのふかふかの(多分)家のベッドで眠れると思うことが、私の心の安全につながっていると感じたりするくらいで。 気がつけば旅が始まって3週間が過ぎようとしていて、あれ、私はそんなに時間を過ごしたかしらと思ったり、思わなかったりする。 ここは間違いなく、行