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組織を対話を通して耕したい方、ファシリテーターとしての道を探究してみませんか?

こんにちは!ヒトと組織の視点から多角化経営の研究を行うMIMIGURI 代表Co-CEOのミナベです。今回は、MIMIGURIで活躍中のファシリテーターという職種について紹介し、この職種募集を広報したいと思います。

ファシリテーターという職業について初めて耳にする方もいるでしょうし、「会議の進行役かな?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ最後までお読みいいただけると幸いです!

本記事の要約は以下の通りです
・組織や個人の課題が複雑化する中、ファシリテーターの需要が高まっており、ファシリテーター職の募集を拡大しています
・「組織文化と戦略の不適合」「組織的なリーダーシップ不足」「人間関係の諸問題」といった集団特有の課題解決が主な活動領域です
・具体的には、組織文化の変革、全社的な組織開発、特定部門の変革、経営人材の育成、ファシリテーターの養成などが対象となります
・多角化した企業において、マネジメントや人事の経験を持つ方は、集団に対するアプローチの重要性を実感していることが多いと感じます。そんな方々のご応募をお待ちしております!

ファシリテーターの役割とは何か?

ファシリテーターは、チームやグループ間の対話(dialogue)を円滑に促進するエキスパートであり、ミーティング、ワークショップ、プロジェクトなど、幅広いシーンで活躍しています。最近では、ビジネス分野における需要が急速に増加しており、集団の目標達成に向けた協働の場の構築が主要な業務となっています。

この需要の高まりの背後にある要因として、働き方、働く場所、ライフスタイルなどの多様性が増しており、個々の多様性に配慮することが組織づくりの基本となってたことが上げられます。その結果、組織の遠心力も増加しやすくなっており、このような状況下で、集団としての事業の結束力を向上させることが、以前に比べてより困難になっていると言えるでしょう。このような状況を背景に、ファシリテーターの需要が急速に増加しています。

なぜ集団結束力が低下するのか

企業経営やマネジメントの現場で、例えば以下のような状況に直面しているかもしれません。

事業の業績は好調であり、目標達成も順調。報酬も業界水準を上回っているはずだが、何故か社内では『この会社はうまくいっていない』という声が聞かれる。論理的な説明や数値データを提示しても、集団の意識は変わらず、離職率が高まり、採用も難航している。現状業績は良好だが、中長期的に見ると戦略的なギャップが生じる恐れがある。

このような状況において、表層的な要因だけでなく、組織の深層にある要因にも目を向けることが重要です。企業の成功には、目に見える業績や報酬だけでなく、組織文化や価値観、事象への組織的意味づけなどの潜在的な要素が大きく影響します。結束力の低下の原因としては、以下の要素が挙げられます。

組織文化と戦略のミスマッチ:従業員が共有する組織文化(行動パターン)が、経営や事業のビジョン、目標と一致していない場合、混乱や不協和音が生じる可能性があります。
リーダーシップの不足:文脈の共有や意思疎通が十分に行われていないことや、数値や意思決定に対する意味を伝達し、対話ができるリーダーの不足により、情報の非対称性が生じ、従業員が不安や不満を感じることがあります。表層的な数値開示だけではなく、意味まで抽象化する事が重要です。
人間関係の諸問題:各チームや職場内で、異なる背景や価値観を配慮しながら、共通の目標を達成できる対話文化が構築されていないと、人間関係が悪化し、問題が生じることがあります。

このような組織の深層的な課題に対処するのがファシリテーターの役割です。彼らは、これらの問題を解決し、組織の結束力を向上させるために、効果的な対話や協力的な環境を促進します。

ファシリテーターが得意とする問題解決とは

先に述べた「組織文化と戦略のミスマッチ」「リーダーシップの不足」「人間関係の課題」は正にファシリテーターが解決を得意とする領域です。

課題① 組織文化と戦略のミスマッチの解決

外部環境の変化に対応するために、事業戦略は柔軟に変更される必要があります。しかし、長年にわたって組織内で形成された集団的な行動様式、すなわち組織文化は簡単に変えられないものです。それゆえ、組織文化を改革するアプローチが重要となります。このアプローチの理論的基盤は「組織学習」と称され、戦略に適応しつつ組織行動をどのように集団がアンラーニングすることができるかを解明しています。

ファシリテーターは、対話型組織開発を用いて、組織全体の行動変容を推進することが得意です。全社員を対象にアプローチを行う場合もあれば、特定部門に焦点を当てて促進する場合もあります。

また、「経営会議における対話を通じた経営層のチームビルディング」を実施することで、経営陣全体の意識改革を促進することも可能です。これにより、組織文化と戦略の不一致を克服し、組織の適応力を向上させることができます。

以前公開した記事での説明にもあるように、数百、数千、あるいは数万人規模の組織においては、個別対応による1on1で、組織全体の行動様式を変革することは困難です。そのため、集団全体に対して効果的にファシリテーションを実施する必要が生じます。

課題②リーダーシップの欠如の解決

熟達した経営陣は、社会のメガトレンドを予測し、それに基づいて自社の事業戦略を変更し、その上でチームが今何をすべきかを、抽象化を用いながら誰にでも理解しやすく伝えることができるでしょう。

多様性と人数が増えた状況下では、こうした集団の目標をローコンテクスト化して、理解しやすくすることが求められます。しかし、このような経営リーダーシップを習得することは非常に困難であり、人材面でも短期的に育成することはできず、不足しがちです。

ファシリテーターは、成人発達理論などを基盤にした経営リーダーシップ開発を支援するプロでもあります。経営人材候補に対してコーチングやファシリテーションを実践するトレーニング機会を提供し、集団に対してリーダーシップを発揮できるよう、物語れるまでの支援を行います。

課題③人間関係の課題の解決

ロナルド・ハイフェッツによれば、現代における多くの問題は適応課題、すなわち人間関係の問題であるとされています。企業内には無数のチームが存在し、その中で多様な人間関係の課題が生じます。

これらの問題を組織内で自律的に解決できるようにするためには、組織内にファシリテーション力を持ったミドルマネジャーが多く存在することが求められます。しかし、コーチングと同様に、ファシリテーション力の習得には時間がかかり、対話的態度を組織全体で獲得することは容易ではありません。

このような対話文化の確立に向けて、ファシリテーターは組織全体に対する講座を実施し、ミドルマネジャーの育成を中心にファシリテーション能力の向上を図ります。これにより、組織内で人間関係の課題に対処する能力が強化され、適応力の高い組織が実現されることが期待されます。

また、以前の記事で触れたように、組織開発は戦時中の兵士の心を癒すナラティブアプローチが起源として、企業組織の現場で発展してきました。このような活動を通じて、疲弊しがちなミドルマネジャーへのケアアプローチもファシリテーターの重要な役割と言えます。

グループダイナミクスに焦点を当てるファシリテーター

ファシリテーターが特に得意とするのは、これまで触れてきたように、組織文化(行動様式)等の深層に変革を促す手法です。このようなアプローチにおいて、グループダイナミクスの氷山モデルが頻繁に活用されています。

グループダイナミクスの氷山モデルは、組織やチーム内の要素を氷山にたとえた理論モデルです。このモデルでは、組織やチームの構成要素を2つのカテゴリに分けて考えます。

目に見える部分(氷山の表面):これは、組織やチームにおける明確で可視的な要素を指します。例えば、業績、目標、方針、役割分担、組織構造などです。これらの要素は、比較的容易に把握し、理解できるものです。

目に見えない部分(氷山の下):これは、組織やチームの潜在的で目に見えない要素を指します。例えば、文化、価値観、感情、信念、関係性などです。これらの要素は、表面上は見えにくいものの、チームのパフォーマンスに大きな影響を与えます。

グループダイナミクスの氷山モデルは、組織やチームが抱える課題や問題を理解し、解決策を見つけるために使用されます。ファシリテーターは、このモデルを用いて、目に見えない氷山の部分にアプローチし、組織内のコミュニケーションや協力を向上させる役割を担うのです。

MIMIGURIでは、これらの役割を拡大し、"組織ファシリテーター"として理論と実践の両面で探究を図っています。

こんな方にオススメの職業です!

前置きが長くなりましたが、特殊でありながら現代では非常に重要視されている職業が、ファシリテーターです。

多角化した企業でマネジメントや人事の経験を持つ方は、集団に対するアプローチの重要性を実感していることが多いと思います。そんな方々の応募をぜひお待ちしております!

例えば、以下のような方におすすめです。

急成長する組織で、横断的に文化創りや組織デザイン、HRBPのような活動を担当してきた方。その経験を活かし、さまざまな組織への支援を提供したいと考えている方。例えばメガベンチャーのHRBP、デザイン組織のDPM、エンジニア組織のEM、組織人事コンサル、ミドルマネジャー経験者など...。

私ミナべも元々はTECHカンパニーのHRコンサル出自であり、そこからファシリテーター職としても価値発揮するようになりました。それ故にこうしたTECH系の方が対話の担い手として活躍するイメージは、想像しやすくあります。

勿論当然ながら、ビジネス領域で対人支援を行ってきたコーチの方や、ビジネス教育現場でファシリテーションを行っていた方もMIMIGURIでは多く活躍しており、大歓迎です。

さらに、MIMIGURIには人文系研究者も所属しており、ファシリテーションの実践を通じて自身の研究にフィードバックするサイクルを築こうとしている人もいます。共同代表である安斎勇樹もその1人です。そのため、研究者や博士の方でファシリテーターにチャレンジしたいという方も大歓迎しています。

ファシリテーターは国内では新しい職業であるため、我々も自らの研究を背景に開拓を進めています。一緒に新たな探究を行い、あらゆる企業を耕していきませんか?ぜひ、直接募集にお申し込みいただくか、ファシリテーターの渡邉さんとのカジュアル面談を通じて、具体的な内容についてお聞きになってみてください!

ちなみに面談における「我々の対話姿勢」も以下記事で書かれてるので、ぜひ見てみてくださいね!

それではまた!

余談になりますが、ファシリテーションは、今回触れた以上に奥深い取り組みです。その深みについての語りは、また別の機会に改めて!


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